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女子高生は大統領 〜家康が女学園の女子高生に転生した〜  作者: 三日月未来(みかづきみらい)
前編
25/169

【二十五】神々のカウントダウン

 地球の守護神女神アセリアは神使のセリエを呼んだ。


「セリエよ、西和大陸の砂時計は、あまり残っていないようじゃ」

「はい、アセリアさま」


並行世界(パラレルワールド)の女神パラリアさまの神使レリエに伝えよ」

「並行世界の扉の開放準備を急いでくださいと」


「はい、アセリアさま、至急お伝えします」

黒猫姿の神使セリエは消えて光になった。



 神使セリエは並行世界の神使レリエの前に黒猫姿で現れた。


「レリエさま、アセリアさまからパラリアさまにお伝えがあります」

「セリエさま、例の件ですか」

「はい、西和大陸の件です」


「並行世界の門の開放は、ほぼ五割くらいの規模ですが」

「と言うと」


「犯罪大国の人間が、並行世界のフィルターを通過できるか疑問です」

「多くは、中間世界の裁きの庭に進むことになるでしょう」


「確かに、負のエネルギーの暴走が引き金になっていますから自業自得です」

「ということは、この案件を天界の女神アメリアさまの共有が必要ですか」


「セリエさまが仰る通りです」

「門から溢れた人間の行く先は中間世界ですから」


「レリエさま、ありがとうございます。失礼します」

黒猫姿の神使セリエは消えて光になった。



 神使セリエは守護神女神アセリアに打診をしに行く。

守護神の許しなく動くことは出来ないからだ。


「アセリアさま、並行世界の準備は五割と聞いています」

「セリエよ、ご苦労じゃ。

ーー女神アメリアの神使メリエの協力が必要じゃな」


「はい、アセリアさまの御命令のあとで」

「セリエよ、天界の女神に状況を伝えよ」


「先方にも段取りがあるじゃろ」

「はい、アセリアさま、直ちにお伝えします」

神使セリエは、消えて光になった。



 女神アメリアの神使メリエの前に黒猫姿の神使セリエが現れた。


「メリエさまは、いつも真っ白な毛並みで美しい限りです」

「セリエさまが世辞を言う時は難題がありそうです」


「メリエさまはさすがです」

「実は、守護神アセリアさまから女神アメリアさまにお伝えがあります」


「何でしょうか」

「地球の大規模な天変地異の結果、並行世界に救助依頼を出したのですが」


「並行世界のフィルターを通過できる無垢な魂が少ないそうです」

「となれば、セリエさまのお考えは」


「汚れた魂が大量に他界されるかと」

「なるほど、そうなれば、裁きの庭に長い行列が出来そうですね」


「アセリアさまが女神アメリアさまの心労を気遣ってセリエを派遣した次第です」

「つまり、アトランティス以来の裁きが始まる訳ですね」


「セリエさま、面倒だから、蟻どもはメリエが足で踏み潰しましょうか」

「メリエさま、それは御無体な」


「冗談じゃ、セリエさま、アメリアさまには、お伝えしておくが、いつじゃ」

「もう少し、あとになりそうですが」


「左様か、セリエさまも無理をなさらないように」

「ありがとうございます。メリエさま、それでは、失礼します」

黒猫姿の神使セリエは白猫姿の神使メリエの前から消えて光になった。


 セリエもメリエも変幻自在に姿を変えることが出来た。

神使は怒ると巨大化するのが厄介だった。


 

 徳田康代と天宮静女と田沼博士は、カフェに残って西和大陸のゴールドストンを話あっている。


「現状は、差し迫った気配は無いのですが、長いスパンで見ると」

『見ると、何でしょうか』


「明らかに異常なんですよ」

『それは、どういうことですか』


「火山性地震とか、傾斜計とか、噴出量とかじゃないんですよ」

『意味が分からないのですが』


「色です」

『色ですか?』


「はい、見たことのない色が混ざっているんですよ」

『異常の意味ですね』

「はい、異常です」


 康代は、今ゴールドストンが爆発すると康代たちの計画が水の泡となるかもと不安に思った。


『田沼先生が異常と判断されるのであれば重要ですがどうなりますか』

「多分、カウントダウンが既に始まっています」


『時間は、どれくらいですか』

「毎月、月のプレッシャーが高い時期と低い時期が訪れます」


「その周期がすべてではありませんがハードルです」

「いくつ目まで持つかということです」


『早ければ、いつごろですか』

「早ければ、二か月以内にはあるかもと」


『火山噴火ですか』

「はい」


『規模は、どのくらいですか』

「最悪なら、破局噴火です」


『どうなりますか』

「吹き飛びますね」


『何が?』

「西和大陸ですよ」


『皇国への影響は?』

「奇跡でも無い限り甚大です」


康代は、話題を変えることにした。



『そうですか、じゃあ、永畑に影響しますか』

「無いとは言えませんが、あるとも難しい」


『玉虫色と言うことですね』

「はい」


『国内の永畑火山だけでも厄介なのにゴールドストンですから』

「本当に、永畑火山の異常さだってゴールドストン級ですからね」


「永畑は危ないでござるよ」

『静女もそう思うの』

「まだまだ燻っているでござる」


『新政府に出来ることは、ほぼ完了している』

「それでも、不安材料には変わりませんね」


『山崎線内がクレーターにならないことを祈ります』

「カルデラ噴火ですね」

『はい』


「それが起きたら、皇国は全滅です」

『祈るしか出来ませんね』



 康代と田沼博士は、インターネットニューススピードをホログラム携帯から確認した。


「今日は大丈夫そうです」

『とりあえず命拾いと言う感じしかありませんね』


「スリリングな時間は体に良くありませんわ」

『現実で無ければと祈りたいこの頃です』


徳田大統領は珍しく弱気な言葉を漏らした。

田沼博士の鮮やかな朱色のワンピースが血の色に見えたからだ。


田沼博士は胸騒ぎを覚えるだけだった。


「祈るしかないでござるよ」

静女は夕日を見ていた。

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