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女子高生は大統領 〜家康が女学園の女子高生に転生した〜  作者: 三日月未来(みかづきみらい)
後編
167/169

【一六五話】黒川亜希

この連載小説のジャンルはローファンタジーに設定しています。

【登場人物プロフィール紹介】を一〇七話のあとに追加しています。


女子高生は大統領では、

徳田康代の会話に二重鉤括弧を使用しています。

『  』


皆さまの隙間時間でお楽しみください。

三日月未来(みかづきみらい)

 黒川亜希は明里光夏の連絡を受けて窓に向かって立っていた。

地下室の壁には、窓に見せかけた立体ホログラムスクリーンがいくつもあった。


「黒川さん、何かありましたか」

「翼か」


「黒川さん何かあると、ここにいるじゃないですか」

「そうなのか」


「意外と自分の癖はわからないのですよ」

部下の千歳翼は、笑いながら言った。


「翼、今の時間に輸送機が飛ぶことがあるかな」

「調べてみないと分かりませんが・・・・・・ 」


「すぐ分かるか」

「ええ、管制が把握していると思います」


「じゃあ、聞いてみてくれ」




 しばらくして、千歳翼が戻って来た。

「黒川さん、ここ数日に輸送機の予定はございません」


「そうだな、今時ーー 輸送機など使わないよな」

「はい、地下輸送システムの方が安全で早いですから」


「じゃあ、その輸送機ーー 怪しくないか」

「はい、そう思います」


「諜報女子高生に要請しますか」


 黒川亜希は、翼の言葉を聞いて徳田幕府の女子高生が浮かんだ。


「水上泉、紀戸茜、尾上ゆかり、と翼がいいかな」

「分かりました。直ちに」


 千歳翼は忍者のように、その場から消えた。




 徳田幕府本部に現れた千歳は、女子高生諜報員に黒川の意向を伝えた。


 しばらくして、尾上ゆかりがやって来た。

「ご無沙汰してます。翼さん」

「ゆかりさんも、お元気そうで」


「今日も特命任務ですか」

「ちょっと不審な情報が出て」


「そうですか」

「他の二人は」


「今日は幕府の仕事で留守なんです」

「じゃあ、三人が揃った時に」


「明日には戻る予定です」

「では戻ったら、黒川にお願いします」


 千歳は尾上に無理強いすることなく幕府本部を離れた。




「大統領、黒川です」

『黒川さん、急なことで悪いわね』


「ただ、明日になるまで動けないのでお時間ください」

『そちらの調査が終わるまで緊急性が分かりません』


「そう言って頂けると嬉しいです」


 黒川はホットラインを切り、地下室の偽装窓の前から写し出される風景を眺めていた。


 黒川は以前に捕まえた工作員を急に思い出し千歳翼を呼んだ。


「翼、以前の潜入スパイ事件を覚えていますか」

「ああ、あの失禁気絶犯人ですね」


「そうだな、あれは臭かった事件だった」

「今その二人、どうしている」


「釈放されたあと出家したとか」

「連絡は取れるかな」


「それは容易いです」




 千歳はホログラム携帯からスタッフに連絡を入れた。


「ありがとうございます」


 携帯を切ったあと、黒川に言った。


「あの二人は、あのあと行方不明になったそうです」

「生死は」


「分かりません」


 黒川の手掛かりが消えた。

黒川の携帯が鳴った。

尾上ゆかりだった。


 黒川は事情を伝えた。

「その行方不明者、死んでませんよ」

「なぜわかる」


「中間世界のリストにありませんから」

「今はそう言う時代だった」


「徳田幕府になって変わりました」

「生きているなら何処に」


「多分、シンジケートじゃないですか」

「それを調査出来るか」


「ええ、陰陽師に聞いてみたいと思います」

「陰陽師か?忘れてた」


 黒川は急に大きな声を出して笑った。

「ありがとう。じゃあ陰陽師に会いに行く」


 黒川は携帯を切り言った。




「翼、安甲晴美さんに連絡してくれないか」

「黒川さん、連絡取れても会えるかどうか」


「じゃあ、徳田さんに聞いてみて」

「大統領ですか」


「分かった。私がする」


  黒川は徳田大統領のホットラインから連絡を入れた。


「大統領、今回の件で安甲晴美さんにお会いしたいのですが」

『いいわよ。連絡しておく』




  徳田康代大統領は、黒川の連絡を受けて安甲晴美先生に連絡を入れた。

「あら康代さん、かるたですか」

『今日は、黒川さんの依頼で』


「そうですか。じゃあ、シリアスね」

『はい』


「分かったわ。会ってみるわね」


 安甲は康代から聞いた連絡先に日時を伝えた。


 翌日、黒川亜希は千歳翼と女子高生諜報員三人を引き連れて安甲神社を訪問した。

安甲は表情を変えることなく言った。


「この二人は生きているけど拘束されているわよ」

「場所、分かりますか」


「ええ、多分、輸送機みたいな飛行機の中ね」

「安甲陰陽師、ありがとうございます」


 黒川には安甲の言葉で十分だった。




「翼、パズルが繋がりそうだ」

「黒川さん、でも輸送機は」


「輸送機は大きいから隠せないだろう」


 黒川亜希の当たり前の言葉に肩透かしを食らった千歳は言葉を失った。




 天宮静女はカフェの指定席から大江戸山脈の夜景を眺めながら言った。

「康代殿、今宵の皓月は四つでござるよ」


 康代たちに同席した黒川亜希は耳を疑った。

静女の視線の先に大型輸送機が二機、着陸体制に入った。


 輸送機の背後で皓月が輝いている。


「黒川さん、なんかあるんですか? 」

尾上ゆかりが聞いている。


「わからないことが起こっている」


 静女が黒川に言った。

「セリエ殿ならわかるでござる」


「静女さま、セリエさま忙しいですが」

「じゃあセリウス殿にお願いするでござる」


「静女さま、私はセリエ殿のような力はございません」


 静女は笑いながら言った。


「セリウス殿は神使でござるよ」

「静女さま、私たちにもランクがございます」


「静女はSランクでござる」

「セリウスはまだまだAランクマイナスでございます」


「静女もマイナスでござる」

「セリエさまは」


「セリエ殿はプラスの十条でござるよ」

「静女さま、どうされますか」

 お読みいただき、ありがとうございます!

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投稿後、加筆と脱字を修正をする場合があります。


三日月未来(みかづきみらい)

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