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女子高生は大統領 〜家康が女学園の女子高生に転生した〜  作者: 三日月未来(みかづきみらい)
後編
159/169

【一五七】時の女神エルミオから渡された勾玉!

『【一五七】時の女神エルミオから渡された勾玉!』

二千二百文字です。

この連載小説のジャンルはローファンタジーに設定しています。

【登場人物プロフィール紹介】を一〇七話のあとに追加しています。


女子高生は大統領では、

徳田康代の会話に二重鉤括弧を使用しています。

『  』

皆さまの隙間時間でお楽しみください。

三日月未来(みかづきみらい)

 神さま見習いのセリエは、地球の守護神女神アセリアを訪れていた。

セリエにとってアセリアは絶対神であった。


「セリエは、どうしたいのじゃ」

「アセリアさま、気の毒な魂が過去から現世に紛れ込んでいます」


「人間たちの肉体は仮の姿よ。何の意味がある」

「はい、精神の混濁を心配してございます」


「しかし、この時期に起こることの方が不思議じゃ」

「はい、地球は第三の時代になってますが、前の時代から・・・・・・ 」


「セリエよ、時の女神エルミオの神使ルニャに相談も良かろう」

「アセリアさま、ありがとうございます。では、早速」


 セリエはアセリアに挨拶して虹色の光を残して消えた。


「セリエも、まだまだじゃな」

 アセリアはセリエが残した光を触り言った。




「セリエさま、ご無沙汰してございます」

「ルニャさま、早速でございますが、女神エルミオさまに面会をお願いします」


「セリエさま、エルミオさまは、既にあなたをお待ちしております」


 セリエは周囲を見回して息を呑む。

 エルミオが空間に同化していたからだ。




「エルミオさま、気が付かず失礼しました」

「セリエ殿、お気遣いは、無用でございます」


「それで・・・・・・ 」

 セリエは言い掛けて言葉を切った。


 エルミオは、アカシックレコードの中にある万華鏡を見ている。


「セリエ殿、ここには幾つもの万華鏡が見えています。

ーー そこに見えるフィルムは一つひとつが魂の記録でございます。

ーー たとえば、この者の前世と来世は、すべてが繋がっております。

ーー 人間は幾つもの魂の万華鏡を持っています」


「エルミオさま、過去から現世に時を飛び超えた魂はどうなるでしょうか」

「セリエ殿、昔からよくあることです。

ーー 消えた側では、神隠しと騒ぎ立てますが実体に変化などございません」


「では、悪いことじゃないのですね」

「ただ、邪鬼を引き連れていないかご注意下さい。

ーー ルニャ、セリエ殿に“時の勾玉(まがたま)”をお渡しして上げてください」




 セリエは、神使ルニャから透明な水晶の勾玉を頂いた。


「セリエ殿、その勾玉は邪鬼を吸い上げ続けます。

ーー 無限に吸い上げます」


「エルミオさま、この勾玉の扱いですが、どなたが持てば相応しいでしょうか」

「お守りと変わらぬから必要な数を現世(うつしよ)に送り届けましょう」


「エルミオさま、ありがとうございます」


 神さま見習いのセリエは女神エルミオと神使ルニャに礼を伝え消えた。




 徳田康代は、昼間夕子、昼間朝子、夢乃真夏、星乃紫、朝霧美夏、五人の訪問者と一緒に二階の食堂で昼食を取ることにした。

 陰陽師の安甲晴美、補佐官の明里光夏(あかりみか)、豊下秀美、門田菫恋(かどたすみれ)も同席することになった。


 遅れて神さま見習いセリエ、神使セリウスと天女天宮静女が顔を出した。

中央の大きな円卓テーブルに腰掛けて明里がオーダーをまとめている。


「夕子さんは、安甲(あきの)神社の昔の神主をご存知なんですね」

「ご存知も何もよく一緒にいましたから」


「どんな感じですか? 」

「凄く親切で、気の利く神主さんですよ。

ーー 私の中では過去じゃないので」


「夕子さん、失礼しました」

安甲は無神経な発言を反省した。


『夕子さん、この女学園は男性立ち入り禁止なんです。

ーー その神主さんがいないことが幸いしています』

「徳田さん、でも、あの時に何が起こっていたかは分からないの。

ーー だから何人が、こちらの世界に飛ばされたかも」




 セリエが急に立ち上がり、五人の来訪者にエルミオが届けた勾玉の水晶を渡した。


「みなさんにゃあ、これがにゃあ、役立つにゃあ」


 セリエは人間たちの前では、黒猫時代のにゃあにゃあ言葉になる。


 セリエは、肌身離さず身に着けるように説明した。

 勾玉のネックレスは透明なファイバーに見えたが実は違った。

切ることも千切(ちぎ)ることも出来ない神さまの特殊素材だった。


「何か困った時はにゃあ。心でにゃあ、セリエの名前を呼びにゃあ」


 五人の女性はセリエに深々とお辞儀をして感謝を伝えた。




『安甲先生、夕子先生も、朝子先生も古典が専門ですが』

「徳田さん、じゃあ、あとで部室に寄ってもらいましょう」


『そうですね。大所帯ですから』


 昼間夕子と朝子は、徳田と安甲の会話の意味が分からず首を傾げていた。


「じゃあ、門田さん、夕子さんたちを案内して上げてください」

「分かりました。安甲先生」


 五人は、時の女神エルミオの勾玉を首にぶら下げて、門田の案内でかるた部部室に移動した。


「夕子先生、昔と全然違う感じです」

「そうね、真夏ちゃん、あれから百年以上も未来ですから」


 星乃紫、朝霧美夏も横で頷きながら周囲を見回した。


「この建物すら記憶に無いわ」

紫の言葉に美夏が紫の肩にそっと手を置く。


「でも、私たち命の砂時計は終わってないわね」


天宮静女(あまみやしずめ)が美夏の言葉を聞いて言う。


「多分、黄金の光でござるな」

「静女さん、それが」


「美夏さん、あれの別の名前は、不老不死の光でござる。

ーー 若返りの光でござる」


「静女さん、じゃあ、私たち神さまになっちゃったの」

 ピンク色のワンピース姿の夢乃真夏が静女に尋ねた。


「真夏ちゃん、神さまじゃないでござる。弾き出されたでござる」

「それじゃ、つまはじきですか」


「真夏ちゃん、“.つまはじき”は、古典の日記の中にある言葉よ」

「夕子先生、それは、何」


「真夏ちゃん、今度一緒に朗読しましょう」


 真夏は部室の昇段ボードを見て呟く。


「安甲先生、かるた会って何ですか」

「神聖女学園かるた会なら生徒で無くても入れるわね」


 部室の外では、つむじ風が埃を舞い上げていた。

見知らぬ訪問者が部室をノックする。


「誰かしら」


 安甲晴美(あきのはるみ)は、扉開けて見たが誰もいない。

安甲は風の悪戯かと思い真夏の勾玉を見た。

 『【一五七】時の女神エルミオから渡された勾玉!』

二千二百文字です。


お読みいただき、ありがとうございます!

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投稿後、加筆と脱字を修正をする場合があります。


三日月未来(みかづきみらい)

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