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女子高生は大統領 〜家康が女学園の女子高生に転生した〜  作者: 三日月未来(みかづきみらい)
後編
147/169

【一四五】 月が見えないのでござる!

この連載小説のジャンルはローファンタジーに設定しています。

【登場人物プロフィール紹介】を一〇七話のあとに追加しています。


女子高生は大統領では、

徳田康代の会話に二重鉤括弧を使用しています。

『  』


皆さまの隙間時間でお楽しみください。

三日月未来(みかづきみらい)

「女神ムクリアよ、何を急いでおる」


「女神サンカラリアさまで、ございますか」


「そうじゃが、何を慌てておる」


「地球の神々からの要請がございました」


「その件なら、解決済みじゃが、其方ら姉妹も解決されたようじゃな」


「はい、お陰さまで」


「磁気津波はなあ、地獄界の反乱を受けて・・・・・・。

ーー 時空間に磁気バリアを貼ったのじゃあから・・・・・・。

ーー 三次元世界の影響はわからん」


「サンカラリアさまは、お元気でございますか」


「わらわは、いつもひとりじゃあから、寂しいのじゃよ。

ーー ムクリアもハレリアも、仲良く追いかけっこをするそうじゃから

ーー わらわも、見物に参加したいのじゃあよ」


「サンカラリアさま、勿体ないお言葉でございます」


「次の宇宙会議もあるじゃろう。

ーー 其方たちにも同席を。

ーー じゃあ近いうち」


「ありがとうございます。サンカラリアさま」


 太陽の女神サンカラリアと月の女神ムクリアのテレパシーが終わった。




「ムクリアお姉さま、今のは」


「女神サンカラリアさまです」


「えええ」


「ハレリアとの和解を気に掛けておりました」


「お姉さま、凄すぎます」


「はい、サンカラリアさまが、ハレリアと一緒に宇宙会議にと、申されておりました」


「お姉さま、噂の宇宙会議って、本当にあるのですね」


「何を言っているのハレリア、あなただって立派な女神よ」


「お姉さま、女神サンカラリアさまや女神ヴィンスさまとは違います」


「そうね、女神にも色々あるのかも知れないわね。

ーー ハレリアも私も地球の女神さまから見れば

ーー 大事な神さまなのよね」




「康代殿、宇宙が賑やかでござる」


『今、見ている宇宙の光・・・・・・。

ーー その実態は存在していないかも知れないわね』


「康代殿、それは人間の科学でござるよ」


『じゃあ、静女は違うと言うの』


「康代殿、神々の世界の常識は、人類の常識とは違うのでござる」


『静女、どう違うのよ』


「康代殿、転移経験したでござるのに、おかしいでござるよ」


『静女の意味、わからないわ』


「人間は無意識の中で、人間本体を往復しておるのでござる」


『それって、夢のこと』


「夢の半分は無意識の混乱でござる。

ーー もう半分は本体の幻影でござる」


『静女は何を言いたいの』


「三次元の人も幻影でござる」


『じゃあ、静女も私も幻影なの』


「左様でござる、康代殿」


『で、静女、幻影と光がどう関係しているのよ』


「康代殿、光はまっすぐに進まないでござる」


『えええ、じゃあ曲がるの』


「ジャンプでござる」


『えええ、光がジャンプですか』


「人間の言葉ならワープでござる。

ーー 静女の転移もジャンプでござる」


『あれ、魔法じゃなかったの』


「魔法ジャンプでござる」


『静女、あれは、どうなりましたか』


「ああ、女神ムクリアさまと女神ハレリアさまでござるか」


『そうよ、それ』


「凄い勢いでジャンプしたハレリアさまのお陰で、予定が繰り上がるでござる」




 神さま見習いのセリエが生徒会室の応接間に現れる。


「静女、嬉しそうな説明にゃあ」


「セリエさま、宇宙ジャンプのお話でござる」


「静女は兎の化身みたいにゃあ。

ーー ぴょんぴょん跳ねてるにゃあ」


「セリエさま、静女は天女でござる。

ーー 穢れを避けるのでござる」


「なるほどにゃあ。

ーー ところで静女、月基地の人間を助けてあげにゃいか」


「セリエさま、あそこは女神ムクリアさまの領域でござる」


「女神ムクリアの神使には伝えてあるにゃあ」


「分かったでござる」


 天宮静女の女子高生の身体が黄金の光に包まれ、天叢雲(あめのむらくも)(のつるぎ)になり消えた。

静女が消えてすぐに、月基地のスタッフ三名が生徒会室に現れ、横には女子高生姿に戻った天宮静女がいた。


「さっきまで、地下シェルターにいたのよ」


「そうよ、私たちの前に伝説の天叢雲(あめのむらくも)(のつるぎ)が現れたの」


「私もあの黄金の光を見ていたら、急に眠くなって意識を失ったわ」


 スタッフたちは、それぞれ、その時の状況を徳田大統領の明里光夏大統領補佐官に説明していた。


「まあ、みなさん、ご無事に地球に帰還されて良かったですね。

ーー 大統領も喜ばれています」


 スタッフたちは静女の催眠術で、現実の矛盾に気付いていなかった。




『静女さん、今、月基地は無人ですか』


「いいえ人工知能ロボットが対応しているでござる」


『そんなのありました。静女』


「未来の月基地からお借りしたでござる」


『未来が困るでしょう』


「未来には代替が沢山ござるから、大丈夫でござる」


『本当、静女(しずめ)のチートぶりには腰を抜かすわ』


「康代殿、腰が悪いでござるか」


 康代は、静女の他愛もない表情を見ながら、紫色の瞳と紫髪を羨ましく思った。


「康代殿も紫色にしたいござるか」


『静女、心を読んだわね。

ーー もう今日のカフェはキャンセルね』


「康代殿は、天女には逆らえないのでござるよ」


 康代は、静女の言葉に悪寒を感じ、その直感の正しさを康代は数秒後に知る。

 康代の前には、静女がいて、月基地の三人のスタッフと明里もいる。

 静女の転移魔法がエスカレートしていた。


 神さま見習いのセリエは、静女の行動に微笑みで返している。


 明里補佐官がカフェのホログラムパネルからオーダーを入れていた。


「静女さんは、お汁粉ですね」


「明里殿、静女は月見善哉(ぜんざい)の虜でござる」


「分かったわ。静女さんは月見善哉ね」


『光夏、そんなメニューあった』


「康代さん、ほら、あるじゃないですか」


『本当。静女の月見善哉』


 康代は、笑いを(こら)え切れずに、大きな声を上げて言った。

『光夏、私も静女と同じ物を』


 静女は窓を叩く氷雨(ひさめ)をじっと見ながら言った。

「康代殿、月が見えないのでござる」

 お読みいただき、ありがとうございます!

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投稿後、加筆と脱字を修正をする場合があります。


三日月未来(みかづきみらい)

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