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女子高生は大統領 〜家康が女学園の女子高生に転生した〜  作者: 三日月未来(みかづきみらい)
後編
137/169

【一三五】学園都市は、真っ白でござるよ!

この連載小説のジャンルはローファンタジーに設定しています。

【登場人物プロフィール紹介】を一〇七話のあとに追加しています。


女子高生は大統領では、

徳田康代の会話に二重鉤括弧を使用しています。

『  』


皆さまの隙間時間でお楽しみください。

三日月未来(みかづきみらい)

 神聖学園都市の上空に灰色の雪雲が西から近づいて来た。

粉雪が散る花びらのように舞って康代の肩にひらりと落ちた。

雪と縁のない東都では、珍しい光景に女学園の女子生徒たちが窓際ではしゃいでいる。


 天女の天宮静女とセリエの神使セリウスが、徳田康代の両隣りを歩いていた。

その背後には、徳田幕府の女子高生警備が同行している。


「康代殿、かるたの練習は良いでござるか」


『静女、安甲(あきの)先生が相手だと中々難しいのよ』


「康代殿も珍しいことあるのでござるか」


『静女ね、()()()()()()()()


「康代さまは、この国の()()()ですから普通じゃありません」

セリウスが康代の言葉を修正した。


康代たちは、雪見見物を兼ねて部室から地上の通路を歩いている。


『静女、寒くないの』


「康代殿、この姿は、仮の姿でござるよー」


「康代さま、神々はいくつもの身体を自由に表現できます」


『それで、セリエさまの姿が変わって来たのね』

康代は、静女の紫色の髪に掛かっている雪を払って上げた。


セリウスが康代の黒髪の雪を払う。

静女も真似てセリウスの緑髪の雪を払う。


『雪が、増え始めたわ。静女、セリウスさま、地下に移動しましょう』


 康代が、そう言った途端、三人は、生徒会執務室に転移を終えていた。

女子高生警備も、セリウスの機転で転移を終えている。




『今のは、静女ね』


「康代殿の意思に従っただけでござるよ」


 康代は、少し眩暈(めまい)を感じながら、生徒会執務室の扉に手を掛け息を整えた。


「徳田大統領、田沼先生と若宮先生から連絡がありました」


『門田さん、それっていつですか』


「ちょっと前に・・・・・・。

ーー 遅れるそうです」


『じゃあ、待ちましょう』


 康代と門田の会話が終わる頃、田沼と若宮が息を切らしながら生徒会の入口に到着した。




「田沼先生、早いじゃないですか」

門田菫恋(かどたすみれ)が田沼に言った。


「徳田大統領、天候悪化の連絡がありまして至急、

ーー お伝えしたいと思いました」


 田沼の言葉を聞きながら、若宮も隣で息を整えている。


「今、降り始めた雪の予報が変わり大雪になるそうです」


 康代は、明里と豊下を呼び、徳田幕府に緊急連絡をさせた。


『明里さん、豊下さん、万が一に備えて出来ることから始めましょう』


「康代さん、明里がいるから心配ありませんよ」


「秀美、おだててもダメですよ。

ーー 分かっているでしょう」


『じゃあ、二人に任せるわ。何かあったら、ホログラム携帯に連絡して』


 康代は、会話を終えると田沼の方を振り向いた。




『田沼さん、若宮さん、お待たせしました』


「大統領、食堂での続きなんですが」


『そうね、執務室のソファで、ゆっくりお話ください』


 徳田康代は、そういうと静女とセリウスを従え窓際にある大きな赤いソファに腰掛けた。

生徒会役員の門田菫恋が田沼と若宮に徳田の前のソファを勧めた。


「あら、大統領、大きな青いソファは、どうされましたか」


「田沼さん、青じゃ寒々するので・・・・・・。

ーー ソファカバーを赤くしていただいただけよ』


 康代は田沼に言って気付く。


『今日は、例の黒ずくめじゃ無いわね。

ーー 田沼先生も若宮先生も、真っ赤なワンピースが良く似合うわ。

ーー ところで、もう一つ重要な研究とか言ってませんでした』




「そうなんです。大雪の件で忘れるところでした。

ーー ただ、緊急性は無いのですが・・・・・・。

ーー 重要なのでお伝えして置こうかと思いまして」


「田沼先生、ここから先は、私が大統領に説明します」

 若宮咲苗(わかみやさなえ)は田沼のあとを引き継ぎゆっくりと話始めた。


「大地震には、神々の側面とは別の側面があることが分かっています。

ーー 月と地球の関係、太陽と地球の関係などに影響を与える現象があります。

ーー 前兆地震で有名な超深発地震があります。

ーー 決まって、そんな日は、地磁気が異常なレベルで乱れています」


()()()ですか』


「大地震が発生した日や前後には異常な地磁気の乱れが起きています」


『難しすぎて、よくわからないけど、続けて』


「昔の時代、ある研究者が惑星間の引力関係を調べました。

ーー ところが引力犯人説は微弱過ぎて、別に視野を広げたそうです。

ーー その結果、電磁的な影響が惑星に大きく依存していることがわかったそうです。

ーー そして研究者は、太陽系内の惑星の位置が地球の大気に大きな影響を与えることに辿り着いたそうです」


『どうやって、調べたの』


「私は、昔の研究資料から、短波無線と聞いています。

ーー それらの研究は更に進化して長い年月の中で確立されたそうです」


「若宮さん、その先は私が説明しましょう。

ーー 太陽フレアが地球の通信に影響を与えるでしょう。

ーー 惑星の電磁的な影響が地球の大気に影響して地磁気を()()させます」


『田沼さん、擾乱(じょうらん)ですか』


「地磁気が大きく乱れる状態です。

ーー 過去の巨大地震の発生日の多くは擾乱日でした。

ーー そして、惑星間のトライアングルが起きていたのです」


『トライアングルですか』


「たとえば、水星と太陽と地球が一直線に並んで・・・・・・。

ーー 金星と火星が十文字に交差するパターンなど。

ーー いくつかのパターンの中で交差パターンの日に巨大地震が起きていました」


杞憂(きゆう)ならいいわね』




「今、地球が新月を迎えるころ、太陽、水星、地球、月が一直線になります。

ーー そして、金星と火星が十文字に並んで、

ーー 木星が参加してトライアングルになることが分かりました」


『で、どうなるの』


「多分、大きく揺れます」


『どのくらいですか』


「マグニチュード8強でしょうか」


『問題は、場所ね。セリエさまは宇宙会議ですし』


「康代殿、セリエさまは、女神会議をサポートしているでござる」


「康代さま、セリエさまを待ちましょう」

緑髪のセリウスが言った。




「外は、真っ白でござるよ」

静女の声に、窓の外の猛吹雪が康代の視界を捉えていた。


『田沼先生、若宮先生、今日は、寮泊まりがいいわね』

 お読みいただき、ありがとうございます!

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投稿後、加筆と脱字を修正をする場合があります。


三日月未来(みかづきみらい)

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