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女子高生は大統領 〜家康が女学園の女子高生に転生した〜  作者: 三日月未来(みかづきみらい)
後編
132/169

【一三〇】セリエさま、お待たせしました!

この連載小説のジャンルはローファンタジーに設定しています。

【登場人物プロフィール紹介】を一〇七話のあとに追加しています。

女子高生は大統領では、

徳田康代の会話に二重鉤括弧を使用しています。

『  』


皆さまの隙間時間でお楽しみください。

三日月未来(みかづきみらい)

かるた部共同代表の三人の安甲晴美、由良道江、松山八重は、由良の戦績閻魔帳を見ながら相談していた。

安甲が由良に言った。


「先生の閻魔帳を参考に、今から練習試合をしてみませんか」


「私は、問題ありませんが、ランク別になりますが・・・・・・。

ーー A級は、安甲先生と朝霧さんと徳田さんに・・・・・・。

ーー 逢坂さんの四人ですね」


「今日は、徳田さんが不在なので、どうしましょうか」


「由良先生、私が読手をするわ」


「じゃあ、朝霧さんと逢坂さんは、近江では、対戦してないわね」


 由良は、ノートを捲りながら呟く。

安甲が逢坂と朝霧に声を掛けた。


「お二人は、初対戦かな。

ーー どう、二十枚かるたで練習してみる」


「先生、二十枚ですか」


「そうよ、減らせば、空札が多くなるわ。

ーー お手付きしない技を身に着けて、来月のクイーン戦に備えましょう」


「先生、ありがとうございます」

逢坂と朝霧が言った。


 中等部の滝沢愛、瀬戸霞、笹山夜空の三人は、A級レベルの試合が見れると胸を膨らませていたが・・・・・・。

安甲が、期待を裏切った。


「滝沢さん、瀬戸さん、笹山さんの三人はじゃんけんして勝った二人がね・・・・・・。

ーー 唐木田部長、森川副部長と対戦にしましょう。

ーー 残った一名は、夏生さんにお願いしましょう。

ーー 今日は、非公式な二十枚かるたなので問題ないわ」


 松山が由良に質問する。

「由良先生、この練習も閻魔帳対象ですか?」


「それは、無いわね。

ーー 閻魔帳対象は、二十五枚かるたの場合よ」


 由良の言葉を聞いて松山は納得していた。

安甲は、次々に対戦相手を発表した。


「安甲先生、なんか、決まっていたような発表の仕方ね」


「そうね、いつも見ていれば分かることよ」


「そうなんだ」

森川がポツンと呟く。


 安甲の対戦相手の発表が終わり、会員と部員は、かるたを掻き混ぜ始めた。


「準備の終えて無い人は手を上げてください」

松山が言った。


「松山先生と由良先生は、A級の審判をお願いしますね」


 安甲は手の上がっていないことを確認して、暗記時間を宣言した。


「二十枚かるたなので、暗記時間も短くするわね。

ーー じゃあ、十分よ。始めて」


 安甲の合図に神聖女学園かるた部とかるた会の部員が暗記を開始して終了時間がやって来た。

由良と松山は、朝霧と逢坂を挟む位置で審判をしている。


 安甲が序歌を詠み上げ練習試合がスタートした。




 黒川亜希は、方向音痴の癖を徳田康代に平謝りしていた。


「大統領を、お待たせして申し訳ありません」


 女子高生諜報員の水上、紀戸、尾上は、耳を塞いで聞いていない振りをしている。


 明里光夏と豊下秀美が、黒川の援護を始めた。


「黒川さん、そういうことは誰にもあることですから、

ーー 気にしないでください」


「豊下副首相、ありがとうございます」


「秀美、いや、豊下さんは優しい性格ですからね。

ーー ちょっとだけ、おちょっこちょいな所はありますが」


「光夏、どさくさに紛れて矛先を変えていない」


 前畑利恵が徳田康代に言った。

「康代さん、そろそろ移動しませんか」


 織畑信美も賛同している。


『千歳さん、でしたね。

ーー 私たちランチをしたいと思いますが』


「大統領、この基地には、レストランとか食堂はありません」


『じゃ、みなさんは、どうされていますか?』


「ここのスタッフは全員、学園寮に住んでいますので、戻るんです」


 明里が千歳に質問をする。


「戻るって、どうやって」


「この基地には、スタッフ専用水平移動エレベーターが別にあります。

ーー よくある貨物専用エレベーターの水平版です」


 前畑が腕組みしながら、ため息を漏らす。

織畑も釣られた。


 徳田康代は、冗談のような説明に冷ややかに頷く。


「本当に、すみません。大統領」


「まあ、いいじゃないか」

前畑利恵が康代に言った。


『そうね、基地も覗けたしね』


 神さま見習いのセリエと天女天宮静女は、いつの間にか消えていた。




『じゃあ、千歳さん、案内をよろしくお願いします』


「はい、お詫びを兼ねて、

ーー 私、千歳が責任を以て、ご案内させて頂きます」


『ところで、千歳さん、ここは学園寮からどのくらい離れているの』


「空中浮遊自動車専用滑走路の先にある丘の地下ですが・・・・・・。

ーー ええと、かなり深い位置にあたります。

ーー その関係で、リニア式水平移動エレベーターが使われています」


「電力は、どうされていますか」

前畑利恵だった。


「はい、学園都市と同じく地熱発電と宇宙発電を利用しています」


 一行が会話しているうちに、別の水平移動エレベーターの前に到着した。

エレベーターの中は、通勤電車のような臙脂色の長椅子にシートベルトが付いていた。


「このエレベーターは旧型ですので、

ーー リニア式と言っても速度があまり早くありません」


明里光夏は、遅いと言う言葉に反応する。

「遅いの」


「はい、弱、中、強に喩えれば、弱くらいです」


「安全性は、どうですか」


「その点は、クリアしていますので」




 千歳、門田、明里、豊下が乗って、徳田、前畑、織畑が続き、黒川、水上、紀戸、尾上が順に乗る。

千歳がリモンのコントローラーを手に、シートベルトサインを確認した。

旧型リニア式水平移動エレベーターが、ゆっくり動き出す。


明里の表情が変わった。

「ゆっくりでも横Gが、凄いんですけど」


「他のエレベーターと座席配置が違うので、快適性が落ちます」

千歳は、言葉を選びながら明里に伝えた。

明里が想像した快適性は、新型の方が遥かに上かと悟る。


「大統領、到着しました」


学園寮の地下に到着した。


「康代殿、遅いでござるよ」


『静女は、便利ね』


「康代、ランチ、楽しみだにゃあ」


『セリエさま、お待たせしました』

 お読みいただき、ありがとうございます!

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投稿後、加筆と脱字を修正をする場合があります。


三日月未来(みかづきみらい)

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