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女子高生は大統領 〜家康が女学園の女子高生に転生した〜  作者: 三日月未来(みかづきみらい)
後編
126/169

第二十七章【一二四】 神聖女学園の地下要塞

この連載小説のジャンルはローファンタジーに設定しています。

【登場人物プロフィール紹介】を一〇七話のあとに追加しています。

女子高生は大統領では、

徳田康代の会話に二重鉤括弧を使用しています。

『  』

皆さまの隙間時間でお楽しみください。

三日月未来(みかづきみらい)

「康代さん、今日から黒川さんたちと合流していいんですね」


『秀美がしたいなら構わないけどね。

ーー まだ出番じゃないような気が・・・・・・』


「康代さん、意味が分からないんですが。

ーー なんか躊躇(ためら)っていませんか」


『秀美も光夏(みか)も、黒川さんの合図が無いうちは、何も出来ないのよ』


「秀美、康代さんの言う通りにしよう。

ーー 私たちは、待機していましょう」


「光夏がそう思うなら、私は従うだけよ。

ーー じゃあ、康代さん、光夏と一緒に生徒会室で待機しています。

ーー 何かあったら、呼んでくださいね」


『大丈夫よ。目と鼻の先の距離じゃない』


 康代は、そう言って秀美と光夏を隣の生徒会室に送り出した。




 同じ時刻、黒川亜希たちは、生徒会の門田菫恋(かどたすみれ)に案内されて、神聖女学園の地下要塞に移動する途中だった。

 茶色の棟の学園寮地下に通じるリニア式水平移動エレベーターを降りて、地上出口へのエスカレーターに乗る。

旧体育館前までは、地上を徒歩移動となった。


「じゃあ、みなさん、ここから先が秘密エリアになりますので他言無用でお願い致します」


 門田菫恋は、そう言うと旧体育館の中に入って行った。


「門田さん、ここですか?」


「そうよ、ここよ。黒川さん」


 黒川は不思議そうな顔をして、門田を見た。


「じゃあ、黒川さん、水上さん、紀戸さん、尾上さん、参りましょうか」


 門田は、そう言って旧体育館の奥にある扉を開けた。

中には何もない鏡の部屋があった。


「この鏡の部屋には、もう一枚の扉が奥にあるのよ」


「門田さん、何もありませんが」


「隠し部屋よ。

ーー そこの鏡を押してみて」


 黒川が鏡を押すと、大きな鏡が音も立てずに後方に開いて行く。


「じゃあ、この部屋から地下へ通じるエレベーターに乗るわよ」


 門田は、鏡の部屋の奥の隠し部屋に入り、壁を押した。

壁が動き出して、中にエレベーターが見えた。


「このエレベーターで地下五階にあるエレベーターホールに向かいます」


 門田を先頭に、黒川、水上、尾上、紀戸が続いて乗り込んだ。

エレベーターが動き出し地下五階のエレベーターホールに到着する。

 

 シルバーグレー色とワインレッド色のエレベーターの扉が、左右に三台ずつ並んで見えた。


「左側のワインレッド色の三台は非常用のエレベーターよ。

ーー 通常は右側のシルバーグレーのエレベーターを使用しています」


 門田の説明を聞いていた四人は、映画でも見ている気分を体験していた。

門田を含めた五人がシルバーグレーのリニア式エレベーターに乗り込んだ。


「みなさん、席に着いたら、シートベルトを着用してください」


 四人は、門田の言うシートベルトの意味を理解していなかった。

エレベーター内に席が十人分用意されていた。


「じゃあ、みなさん、動きますよ」


 門田は、そう言うと、門田の前にあるリモコンのスイッチを押した。

リニア式エレベーターが徐々加速して動き出す。


「門田さん、これ飛行機ですか?」


「いいえ、エレベーターよ」


「でも、横Gが凄いんですが」


「そうですね。特殊ですから。

ーー 黒川さん、地下三十階に到着しましたわよ」




 とても旧体育館地下には思えない光景が広がっていた。

エレベーターホールの前に見える床は、鏡のように光沢を放ってキラキラと光っている。

地下なのに太陽光が天井から溢れていた。


 旧体育館の薄暗いフローリングの床とは比較出来なかった。



 黒川亜希たちがエレベーターホールに立つと、その前の奥には、広い廊下が見えた。

廊下の左右には、幾つもの木製の重厚な扉が並んでいる。


「黒川さん、見えている扉を開けても中には入れないのよ。

ーー 見えている扉は通路側への扉になっているだけなの。

ーー その先は要塞の担当者が案内するから

ーー 私は、ここまでね」


 門田がそう言うと、要塞の担当官がやって来た。




「門田さん、ご苦労様さま。

ーー じゃあ、ここからは徳田幕府本部の女子高生警備の私が説明するわ。

ーー 私は、千歳翼(ちとせつばさ)です。

ーー よろしくお願いします」


 千歳翼は、そう言うと長い廊下の端にある重厚な木の扉を開き手招きした。

黒川たちが中に入るとリニア水平移動エレベーターが見えた。


「千歳さん、またエレベーターですか?」


「そうよ。ここはセキュリティが強固なの。

ーー 不測の事態に対応できるようになっているわ。

ーー 万が一、潜入者が紛れても出れない構造になっているわ。

ーー 袋の鼠と同じカラクリね」


 千歳の説明を聞いていた四人は寒気(さむけ)を覚えた。

黒川たちは、千歳の後ろを歩きエレベーターに乗り込む。


 今度のエレベーターは、学園寮地下にあるリニア式水平移動エレベーターと変わらなかった。




 一同がシークレットエリアに到着すると、千歳を先頭に奥の調査室の中に入った。

大勢の女子高生警備と調査員たちがホログラムディスプレイの前に座っていた。


「みんな、聞いて、今日からしばらく、ここで仕事をする黒川さんと部下の三人よ。

ーー 分からないことあったら教えてあげてください」


 黒川、水上、紀戸、尾上は、未来映画を見ている心理状態に陥っていた。




 その頃、徳田大統領執務室では、前畑副大統領と織畑首相が今回の事案の報告を生徒会から受けていた。

「康代さん、これは、仕組まれていますよ」


『そうね、かなり大掛かりだわ』




 神さま見習いに昇格したセリエがワインレッドのジャケットとスカートにピンクのシャツを着て現れた。

天女の天宮静女も一緒だった。


『静女もセリエさまと同じ制服になったの?』


「静女にも、この色が良く見えたのでござる」


『まあ、静女が言うならいいけど、このワインレッドカラー。

ーー きっと生徒たちの間でも受けるかも知れないわ。

ーー セリエさま、実は、分からないことがあって』


「康代よ、なんじゃ悩みあるにゃあ」


『セリエさま、皇国に暗躍する裏組織が・・・・・・。

ーー どうも昔の政治の流れと繋がる気がして』


「それは、良くないにゃあ。

ーー 予が対応するにゃあ」


 セリエは、そう言うと消えて光になった。

セリエは女子高生姿になっても黒猫時代と変わらずドロンと消える。


「セリエ殿、相変わらず、神出鬼没でござる」

静女の言葉に康代は(いや)されていた。

 お読みいただき、ありがとうございます!

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投稿後、加筆と脱字を修正をする場合があります。


三日月未来(みかづきみらい)

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