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女子高生は大統領 〜家康が女学園の女子高生に転生した〜  作者: 三日月未来(みかづきみらい)
後編
124/169

【一二二】 特殊任務と緑髪の神使セリウス

この連載小説のジャンルはローファンタジーに設定しています。

【登場人物プロフィール紹介】を一〇七話のあとに追加しています。

女子高生は大統領では、

徳田康代の会話に二重鉤括弧を使用しています。

『  』


皆さまの隙間時間でお楽しみください。

三日月未来(みかづきみらい)

 数学の天才、前畑利恵(まえはたりえ)副大統領が難しい顔をして、徳田康代大統領に相談しに来た。


「康代、今回の特殊任務には、無理が無いか心配しています」


『私も、そう思うわ』


「じゃあ、どうするのよ」


織畑(おりはた)首相が黒川亜希(くろかわあき)と言う幼馴染(おさななじみ)を連れて来るそうよ』


「なんとなく聞き覚えのある名前だわ」


『そうね、彼女は徳田幕府本部に在籍している秘密兵器の一人よ。

ーー 名前も顔も一部の人しか知らないの』


「それで、諜報女子高生に・・・・・・」


『織畑首相や私たちだと目立ち過ぎでしょう』


「じゃ、その黒川とか言う人が諜報女子高生を統括するわけ」


『多分、そうなるわね』


「なるほど、織畑さんの代理ね」


 前畑は納得した真顔になって執務室を出て行った。




 明里光夏と豊下秀美が前畑とすれ違うように入って来た。


「徳田大統領、黒川とか言う名前の女性が面会に来ていますが」


『明里さん、お通しして上げてください』


「それが、水上、紀戸、尾上も一緒なんですが」


『構わないわよ』


 しばらくして、豊下が三人を先に生徒会室に招き入れた。

明里のアドバイスで、面会は生徒会室で行われることになった。


 遅れて、明里が長身の黒川亜希を連れて来た。

諜報女子高生の三人が声を上げて黒川を見て歓迎している。


 真っ白いスカートスーツで美形の黒川は、黒髪のピクシーカットの前髪を七三に分けていた。

有名女優がしているショートカットに似ている。

モデル並みに背が高く、一七八センチくらいに見えた。


「黒川さん、水上です。お久しぶりです」


「懐かしい顔触れがいるな」

黒川も男口調をよく好んで使った。


 尾上と紀戸も黒川に挨拶した。




 黒川亜希は、諜報女子高生の養成機関で教官をしていたことがあった。

水上、尾上、紀戸の三人は、その時の生徒だ。


 織畑利恵が幼馴染と言ったのは正しくない。

正確には同郷の先輩だったとあとで分かった。


「みんな、ハッキングの技は上達したかな」


 黒川の別名は、ハッキングの魔術師と呼ばれていた。




 徳田康代大統領と前畑利恵(まえはたりえ)副大統領、織畑信美(おりはたのぶみ)首相がやって来た。


『黒川さん、お忙しい中、ありがとうございます。

ーー 今回の特殊任務は、証拠ルートの痕跡(こんせき)の調査です』


「相手が悪党なら、普通は痕跡は残していないでしょう」


『入札の関係者を含め、すべてピックアップして頂きたく思います』

徳田大統領が言うと、織畑首相が続けた。


「黒川さん、あなたたちに潜入調査とかをさせるつもりはありません。

ーー 政府の専用ネットワークからアプローチしてください。

ーー それらは、今回限りのルートですから敵に気付かれても安全です」


『織畑首相が言う通りです。

ーー あなたたちは学園寮に滞在して、地下基地の調査室で仕事をして頂きます。

ーー そして、関係者をピックアップするまでが、お仕事です』


「分かりました。徳田大統領」


 黒川が返事をした時、神さま見習いのセリエが天宮静女と現れた。




『黒川さん、紹介するわね。

ーー こちらが私の側近の天女天宮静女さんで、

ーー こちらが、()()()()()()のセリエさまで・・・・・・』


 徳田康代が次の言葉を言い掛けた時だった。

水色の瞳と髪の女子高生セリエの前に、()()()()()()()が現れた。

神さま見習いセリエの()使()()()()()だった。


「セリエさま、女神アセリアさまからの伝言がござりまして()せ参上しました」


「セリウスよ、前置きは良いから申せにゃあ」

セリエの言葉尻の癖は未だ人間言葉に馴染んでいない。


「早う申せにゃあ」

「セリエさま、他の者がいますので」


「問題にゃい、セリウスは康代以外の他の者には見えにゃぁい」


「アセリアさまが、今回の件でセリエさまをサポートせよと申されてまして」


「女神さまも、お優しいからにゃあ」


「で、セリウスは、どうしたいのじゃ」


「セリエさまの(おお)せのままに」


「左様か、じゃ予の真似をして女子高生に変身してみにゃあ」


「よろしいのですか? セリエさま」


「予が良いと言っているにゃあ」


 赤猫姿のセリウスは、神聖女学園の制服姿になった。


「セリウスは、緑色の瞳と緑色の髪が好きだったかにゃあ」


「セリエさま、お揶揄(からか)いなさらないでください」


 神使セリウスの言葉は人間と変わらなかった。


「セリウスは、人間の言葉が上手じゃにゃ」


 黒川、水上、尾上、紀戸の四人が女子高生姿のセリウスを見て声を上げた。


「徳田大統領、その方は」


『こちらはセリエさんのお友達のセリウスさんよ』


 水上泉が立ち上がって、右手を上げセリウスを指差した。

セリエも気付きセリウスを注意する。


「セリウス、猫耳で驚かしちゃダメじゃにゃあ」


 セリウスはセリエの言葉を聞いて変身を調整した。




 徳田康代は、セリエたちとの打ち合わせを終えて、静女と黒川たちを連れてショッピングセンターのカフェに行く。

大統領キャビネットも一緒だ。


 セリエと神使セリウスは、用事があると言って執務室に残った。


「セリウス、女神さまのところに行くにゃあ」


「セリエさま、ご一緒します」





「康代殿、セリエさまがいないでござる」


『静女、セリエさま、用事があるとか言っていました』


 康代たちがカフェの前で話していると、田沼光博士と若宮咲苗助手がやって来た。


「徳田大統領、こんにちは」


『あら、田沼さんたち、よく会うわね』


「ここは、神聖神社の帰りによく寄ります」


『そうなの。ところで、アレは順調ですか』


「それが僅かですが、

ーー 振幅が起きていまして若宮と注意しています」


『先生、監視の継続をお願いしますね。

ーー ところで、お茶をご一緒しませんか』


「徳田大統領が良ければ」


『田沼さん、ここでは、大統領は付けないで』


 徳田は、最近購入したピンク色の大きなサングラスをずらして、田沼と若宮の顔を見た。


「康代殿、サングラスが似合っているでござる」

 お読みいただき、ありがとうございます!

ブックマーク、評価を頂けると嬉しいです。

投稿後、加筆と脱字を修正をする場合があります。


三日月未来(みかづきみらい)

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