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女子高生は大統領 〜家康が女学園の女子高生に転生した〜  作者: 三日月未来(みかづきみらい)
前編
102/169

◆第五部 第二十三章【一〇二】神々の第三の時代が始まる!

この連載小説のジャンルはローファンタジーに設定しています。

【登場人物プロフィール紹介】を一〇七話のあとに追加しています。

女子高生は大統領では、

徳田康代の会話に二重鉤括弧を使用しています。

『  』


皆さまの隙間時間でお楽しみください。

三日月未来(みかづきみらい)

 長月(ながつき)に入って南和大陸に引き摺られるように西和大陸の異変が活発化していた。

地球の守護神女神アセリアの神使セリエが黒猫の姿で陛下の屋敷に現れる。


「陛下よ、セリエじゃ

ーー もうあまり時間が無いかもしれない。

ーー 八百万(やおよろず)の神々への祈りを欠かさずするのじゃ。

ーー 皇国は陛下の祈りに支えられているからにゃあ」


「セリエさま、ありがとうございます」


「康代を支えるのじゃよ」


「承知しております」


 神使セリエは、消えて光になった。




 次にセリエは、康代がいる生徒会室に黒猫の姿で現れた。


 セリエは、黒猫の姿と三毛猫の姿を使い分けている。

シリアスなシチュエーションの時は黒猫の姿だった。


「康代よ、脅かすつもりは無いが、

ーー 世界に残されている時間はあまりにも少ない」


 神使のセリエは、生徒会室の空間に大きな映像を見せた。

そこには、南和大陸と西和大陸がリアルタイムで映されている。


 徳田康代は、その悲惨な光景に眩暈(めまい)を覚え倒れ掛かる。

天女の天宮静女(あまみやしずめ)が背後で、康代の背中をかろうじて支えた。


「康代よ、これから始まるのじゃ、

ーー 神々の制裁が始まるのじゃよ」


「この状況で、まだ始まっていないのですか?」


「そうじゃ、大陸は跡形もなく粉々になって海の藻屑(もくず)と化す。

ーー 神々は第三世界を皇国に(ゆだ)ねる計画じゃ。

ーー 康代は、負のエネルギー連鎖が起きないように監視網を強化するのじゃよ」


 神使セリエは付け加えて言った。


「必要なら、陛下の協力をお願いするのじゃ。

ーー 康代よ、決して自分自身に負けてはならないのじゃよ」


「セリエさま、ありがとうございます」


 神使セリエは消えて光になった。

虹色の光は見えない。




 神使セリエは、並行世界の神使レリアの前に黒猫の姿で現れた。


「レリアさま、お願いがあるのですが、

ーー 皇国の特定の者を並行世界に保護して頂けませんか?」


「セリエさま、特定ですか?」


「はい、学者がエネルギー抑制を乱す恐れがありますので是非」


「それは大変ですね

ーー なんとか協力はしますが、

ーー 魂のフィルターを通過できるかは分かりませんよ」


「その場合は、どうなりますか」


「多分、ブラックリストが天界に報告されるでしょう」


「まあ、皇国だけが絶対じゃありませんが」


「では、その学者たちをこちらで審査しましょう

ーー そして、その場で並行世界に一時保護しましょう」


「レリアさま、助かります。

ーー ところで、今、並行世界で一時保護されている世界中の人ですが。

ーー 天変地異のあとでリリースされると思いますが、どの大陸あたりですか?」


「皇国の近くなら、東和大陸が良いかと思いますが」


「西和、南和はこれから消えて、

ーー 東和、中和、北和の三大陸時代になりますね」


「では、セリエさま、直ちに実施しますね」




 神々に出来ないことは無かった。

田沼光博士と若宮咲苗助手は、セリエの監視下で除外された。


 神々が公平とかは人間の思い上がりだった。


 田沼と若宮は、徳田康代の執務室に呼び出された。


『田沼さん、若宮さん、あなた方は、運がいいわよ』


「はぁ、なんのことですか?」


『さっき、セリエさまよりテレパシーの連絡が入りました

ーー 田沼さんと若宮さん以外のすべての地震火山学者が、・・・・・・。

ーー 並行世界に一時保護されます』


「ええええええ」


『その情報は報道されません

ーー もう今の第二世界は終わり、第三世界が始まります』


「安全なのですか」


『次元間が変わるだけの()()()()()()が起こるだけです』


「まさか、国ごとですか」


『そこまでは、知らされていませんが、

ーー 並行世界と地球の次元は別次元なのは分かりますね』


「はい」


『だから、消えた学者たちが騒ぎ出さないように

ーー 神々が箝口令(かんこうれい)を実施する訳です』


「いつからですか」


『神々の決定は、即断即決ですから、既に実施されているでしょう』


 田沼と若宮は、知り合いの学者の携帯に連絡を入れてみた。


『どうですか?繋がりますか?』

 

 二人とも顔の前で手を振り青ざめている。


 田沼のレモン色のワンピースと若宮のアイボリーのワンピースが窓の隙間から入る日差しで幾分(いくぶん)色褪(いろあ)せて見えた。


『田沼さん、若宮さん、これからの時代を私たち皇国が牽引(けんいん)しなくてはならないの

ーーだから、その時が来るまで辛抱(しんぼう)して頂けますか』


「徳田大統領、分かりました。

ーー 私たちは、私たちの研究だけをします」


『そうして、ください』


 康代は、グランド側の大きな窓にある遮光カーテンを開けて、グランドのスプリンクラーを眺めた。


『田沼さん、長月になってもまだまだ残暑が厳しいですね』


田沼と若宮もグランドを眺め、静女が指を差す。


「康代殿、虹でござるよー」


『本当、綺麗ね。皇国の平和が続くといいわ』




 神聖女学園かるた部兼かるた会のメンバーが昇段大会を終えて部室に戻って来た。


 無段の赤城麗華(あかぎれいか)大河原百合(おおがわらゆり)はD級に認定され、夜神紫依(やがみしより)朝川夏夜(あさかわかよ)もC級に認定された。

他の部員も次々と昇段しているが全員ではなかった。


 大勢で参加すれば、身内同士で星の奪い合いが発生することを唐木田や森川は知っていた。

唐木田葵(からきだあおい)が認定されなかった部員にアドバイスをした。


 この日は、姫乃水景(ひめのみかげ)和泉姫呼(いずみひめこ)は、演劇で休んでいる。




 安甲晴美(あきのはるみ)は、面接室で毎日の事務手続きをしていた。


門田(かどた)さん、今日で六日目ね。

ーー 白波は何人になりましたか」


「初日だけ五十名で、二日目以降六十名ですから。

ーー 三百五十名になります」


「じゃあ、白波女子は明日で最後ですね

ーー 有馬女学園は六日間で出来そうね」


「はい、白波女子は九月二日で完了予定。

ーー 有馬女学園は九月八日には完了できますね」


 生徒会役員の門田菫恋(かどたすみれ)がテキパキと安甲に報告した。




 安甲晴美は、徳田大統領からあとで呼び出された。

「徳田さん、顔に出ているわよ。

ーー (たぬき)にならないとバレますが・・・・・・」


「康代殿、(たぬき)になるでござるよー」


 安甲の言葉に静女(しずめ)が反応して、康代を茶化していた。

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