殺戮犯
ザクッ ザクッ ザクッ 静かな部屋にはただただ何かを刺す音だけが響いていた。そしてそのまわりには12~16人ぐらいの黒い服を着た子供、男女が関係なくゴミのように転がっていた。ここでゴミのようなと使ったのは本当にゴミのようだったからだ。頭がすっぱりと切られて脳みそが流れ出しているものもいれば、腸を四方八方にぶちまけている奴もいる。なぜこのようことになったのか、そしてこれからどういう風になっていくのか、この先明らかになっていく。これはそういう物語だ。
ピ、ピ、ピ、ピピ、ピピ、ピピ、ピピピピピピピピ カチッ
「んーーーはぁ、眠っ」
時計の針は7時を指していた。
「まだ後30分は寝れるな、お休みー」
そして俺はまた布団のなかに戻る。ダメ人間のように。
ダッダッダッ
ガチャン
ドアが勢いよく開く。
「お兄ちゃんおはよう!朝だぞー!」
タッタッタッタッタ
妹はこちらに走ってきてそして足をあげ、その足をおもいっきり俺の腹に振り下ろした。
「ふん!」
ガコン
ゴフーー!
「痛った!いや、今の絶対に骨も逝った!」
「お、起きた?お兄ちゃん。」
「起きた?じゃねーよ!朝からかかと落とし起こすってなんの嫌がらせだよ!」
「起こすってお兄ちゃん二度寝しようとしてたでしょ。」
ギクッ
俺は分かりやすくひきつった顔をした。
「してない。断じてしてないぞー。」
「いや目覚ましの音一階まで聞こえてたから。それを止めたのも」
「幻聴じゃないのか?」
俺はとぼけたが妹はあきれた顔をしていた。
「そんなわけないでしょ!ほらバカなこと言ってないで早く下行くよ!」
「いや、ちょっと待ってくれ」
俺は布団を強く握った。俺は今ここで立ち上がるわけにはいかなかった。その理由はまあ男性ならわかるであろう。そうまだ俺の息子は元気なのだ。俺より元気なのだ。
「もー大丈夫だよ、お兄ちゃん」
「だって男ならしょうがないもんね!そういう運命だから!今さらそんなしょぼ見たってなんも思わないよ。」
やめてくれ妹よ。全てを見透かすのは。しかもしょぼってなんだ!略すな!俺のは富士山よりも高く東京ドームよりもでかいぞ!
「ほーら行くよー」
「あ、おいちょっと!」
バサ
布団が床に落ちる。そしてなぜか妹は立ち尽くし口をポカンと開けていた。
「ん?どうした花奈?」
「ねえお兄ちゃんその女の人誰?」
「え?別に女の人な...んか」
俺が寝ていたベッドをふりかえると、白髪の少女が寝ていた。しかも全裸で。そして不意に俺の息子はまた蘇った。しょうがなかろう俺も17歳思春期なのだ。
「いや、違うんだ。花奈俺はなにも知らないぞ?」
今回は本当になにも知らないのだ。
「ふーん。で?他に何か言うことは?分かりやすくまたおっきくして気持ち悪い。切り落としてやろうか?」
俺の腕を掴んでる花奈の手が段々熱くなってくる。花奈の場合怒って若干熱くなるとかではなく、本当に熱くなってくるのだ能力で。
シュー
「熱い!花奈さん焦げちゃう焦げちゃうから!」
「お兄ちゃんの調理済み手羽先できちゃうよ!」
「もーーさっきからうるさいなー。寝れないじゃないかー」
全裸少女が起きた。
「おー起きたか!前置きとかはいいからとりあえず俺の彼女とかではないことを証明してくれ!」
俺はとりあえずその少女に誤解を解いてくれるように頼んだ。
「ん?彼女ではないがこれから彼女以上の存在にはなるなー」
何を言ってるんだこの白髪全裸ロリは!?
「はい!お兄ちゃん死刑確定!」
ボワァン
妹の後ろには炎の槍が複数浮いていた。
「おいちょっと待って!しかも家も燃えちゃうからそれ!」
「いや、死なれるのは困るなー?刀使い。」
少女は刀使いと俺のことを呼んだ。その瞬間俺の息子も鎮まった。いや、萎えた。
「あ?」
俺は一瞬彼女が言った言葉を信じられなかった。だがすぐに理解した。こいつは俺の能力の副産物だと。
「なにを言ってるんですか?お兄ちゃんは無能力ですよ。そしてあなたは誰なんですか?」
妹は不思議そうにそう言う。
「ブッアハハハハハハハ刀使いお前は家族に嘘をついてまでその能力を隠したいのか?」
その少女は声高に笑い嘲笑うかのようにそういった。
「どういうことお兄ちゃん?」
「はあ、そこの白髪はどこまで俺のことを知ってるんだ?」
「全てだ。いつ生まれたのか、お前が今どういう気持ちなのか、そしてエロ本の隠し場所すらも知ってるぞ?」
「私の能力≪完全把握≫の力でな。」
「ずいぶんと趣味の悪い能力だな。」
「お前ほどではないさ。」
「その≪月血刀≫ほどはな?」
「しかも教団の拠点まで潰すとは。びっくりしたぞ。14人ぐらいの能力者はいただろうに。そこの炎使いみたいな能力者も秒殺だったなー」
そういって少女は俺の今まで俺の隠し通してきたことをあっさりとバラシタ。