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転生

俺の名前は神原 蒼。

17歳のひきこもりのニートだ。


小学生の時に幼馴染に告白し、振られたことがきっかけで人間不信になってしまった。

そして、俺は休み時間は教室の隅で本を読み、誰も近づくなオーラを出す孤独な少年となった。

それでも世間体を気にする父がうるさいので学校には通った。

そして中学になり、修学旅行の班決めの時に問題が起きた。

いつも一人でいる俺を班に入れてくれる班など無い。

見かねた担任が、


「おい、アオイを誰か班に入れてやれ。そこの班が一人少ないからそこに入れ。」


ブーイングとともに班のやつらに睨まれた。

休み時間になり、そいつらに囲まれた。


「お前は修学旅行の日に病気になって休め! お前と同じ班じゃ修学旅行を楽しめない。わかったな!」


その日を切っ掛けに、空気扱いだった俺はイジメの標的となった。

荷物は隠され、上靴や教科書は落書きだらけ。

おまけに体操着は便器に突っ込まれている始末。

まだ暴力がないだけマシな状況だった。

これで登校拒否になるだろうと考えたようだ。

担任は見ない振りをしていた。

修学旅行の1週間前、ついにやつらの我慢の限界がきたようだ。

そう、肉体的な暴力が始まった。

ケガを見た母親はイジメを確信し、学校へ抗議、俺の自宅待機が決定した。

担任と加害者が謝りにきて、世間体を気にする父は謝罪を受け入れ、無かったことにしてしまった。

俺と母はとても悔しかったが父の決定は絶対だった。

それでも俺は学校には行けない。

学校側は教育委員会や報道が怖くて何度か説得に来たが、上辺だけで環境が変わっているとは思えない。

母は仕方がないとわかってくれた。

ある日、そんな母が突然の心臓発作で亡くなってしまった。

やさしかった母を失い、たった一人の信頼できる人間を失ってしまった。

それでも俺はひきこもりのままだ。

父の脛をかじり、ニートとなった。

そんな生活が2年ぐらいたったころだろうか、父の会社が倒産した。

父の怒りの矛先が俺に向かうようになった。

酒に酔った父から毎晩暴力を受けた。

養ってもらっているため反抗することができず、父の気が済むまで殴られ続けた。

そして、打ちどころが悪く、そのまま意識を失った。


「起きるのじゃ、アオイ。」


「ここは?」


目の前に白髪で長いひげの如何にも神様という感じのおじいさんが立っていた。


「わしは神じゃ。お前を助けてやろうとしたが勢い余って殺してしまった。すまなかった。それで、第2の人生を別の世界で幸せに過ごしてもらおうと思うのじゃ。」


「それはありがとうございます。あのまま生きていても幸せな未来は訪れなかったと思うのでかえって良かったです。その別の世界とはどのような世界でしょうか?」


「お前が好きだったラノベやゲームと同じ、剣と魔法のファンタジーな世界だ。」


「なるほど、それはありがたいです。」


「それで好きなスキルを与えてやろうと思うのだが何が良い?」


「そうですね、定番のスキルはお願いしたいですね。」


基本的に俺はRPGをやる時は必ず戦士や剣士の物理攻撃タイプを選ぶ。

それはソロでも戦えるからだ。

ゲームの中でもボッチの俺は筋金入りなのだ。

だから今度の人生は魔法の使える賢者になってみたいと思う。


「全魔法適正と逃げ込むことのできる安全な家というか部屋がほしいです。」


「わかった。今度こそ幸せになってほしいからできる限りのことはしてやろう。前世でお前は苦労しすぎだ。終わる時に幸せだったなと言える人生を送ってくれ。」


身体が淡く光り出した。

神がスキルの付与を始めたようだ。


「全魔法適正と安全な部屋だったな。それと定番の鑑定とインベントリ、翻訳を付けて、あと話し相手も付けてやろう。儂の解釈が間違っているかもしれないから修正できるスキルもつけておいた方が良いか。レベルが上がりやすく、スキルが覚えやすくなる成長促進もつけてやろう。ついでに武器と防具もサービスじゃ。こんなところかな。転生先は裕福な家庭にしてやるぞ。それから5歳の誕生日に前世の記憶が戻るようにしておく。それでは、第2の人生を楽しんできてくれ。」


そして、ステータスを確認する前に意識がなくなり転生された。


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