表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/34

第五話 ヤクソク

▽イリア視点


 最近のあの子はとても可愛くなった。

 容姿もそうだが、それだけではなく私に甘えるようになってきた。


 前までのリルとはそこまで仲が良くなく、彼女も私にそこまでの興味がなく、私もそうだった。

 しかし今はことあるごとに私に抱きついてきて、私が辛い思いをしてるときは慰めてくれる。


 頭を撫でるととても嬉しそうにしてくれる。

 幸せだわ。

 抱きしめるとドキドキと心臓の音が聞こえる。

 幸せだわ。

 一緒に勉強をしてわからないところを教えてあげると感謝してくれる。

 幸せだわ。


 …なにより父様の期待を自分自身に移して私の悩みを払ってくれた。

 あの子はそのことに罪悪感も感じているようだけど…


 父様も母様も、一番信頼していた私付きのメイドもそんなことはしてくれなかった。

 むしろ父様は私の憂いの元凶だった。

 

 だから、私にとっての一番の味方はリルだ。

 リルこそが私にとっての光。

 彼女なしには私の人生は考えられない。


 しかし、リルへの父様の厳しさは考えられない。

 私への期待の数十倍は厳しい。


 屋敷の周りを短距離走の速さで40周走らされていたり、木剣でリルをぶちのめしたりしていた。

 あのような虐待という言葉では言い表せないほどの修行を許しても良いんだろうか。

 リル自身はやりがいと嬉しさを感じているようだから奪ってはならないのだろうけど…毎日ボロボロになっているのを見ると心がズキズキ痛む。

 やめさせようと怒りを込めて父様に乞うても頑として首を縦に振らない。

 

 父様は回復魔法を使えるので傷は残っていないが…リルが私を救ってくれたように、私もリルを救いたい。




「その…修行、大丈夫なの?」


 お姉ちゃんが心配そうに瞳を揺らしている。

 嬉しい。

 好きな人が自分を心配してくれるってのはとても嬉しいものだ。

 だけど…


「大丈夫!父様は私を殺したりはしないよ。期待の裏返しでしかないもの。そもそも、この修行を願って続けているのは私なんだから!」


 お姉ちゃんが驚いている。

 まあ、あんな虐待じみたモンを自分から願ってるなんて頭おかしいからな。

 ドン引きされちゃったかな?


 いや、違ったようだ。

 さらに心配そうな目で俺を見ている。


「その、私で良ければいくらでも甘えていいからね?」


 なんか勘違いされている気がするけどまあ良い。

 お言葉に甘えさせてもらおう。


「じゃあ…今度一緒にお買い物に行きたいな」


「お買い物?じゃあ…6日後にでも行く?」


「うん!」


「ふふっ、楽しみだなぁ…」


 よし!約束を取り付けられた!

 お姉ちゃんも楽しみにしてるようで嬉しい。

 これは励まないとなぁ。



「よし、今日の修行はここまで」


 前のステータス上げから七ヶ月が経った。

 ステータスはこんな感じだ。



学力:72 芸術:67 武力:206(↑167+10) 魔術:30 容姿:120(↑46+10)

 スキル:『気遣いの身だしなみ』『美形成長』『運動はたしなみ』『武術の道』『武芸百般への道』『剣豪』『剣聖』


 うん、この時点でもうめちゃくちゃ強い。

 なんでこんなに強くなれたかは途中から追加した剣豪、剣聖のスキルが大きいと思う。

 この2つのスキルは武力値の上昇量がものすごく上がり、さらに数値以上の力を手にできるというスキルだ。

 

 今の俺ならドラゴンの最弱種くらいなら倒せるんじゃないかな?

 師匠は流石に無理だけど。


 ちなみに見た目もかなり可愛くなったと思う。

 化粧とか身だしなみとかそんなレベルじゃなく、骨格レベルで可愛くなっている気がするのだがこれ、本当に大丈夫なのかな?


 整形とかってレベルじゃない。


「しかし、強くなったなリアよ」


 師匠が珍しく俺を褒める。

 嬉しい。努力の成果を認められるのはこんなに楽しいものだったのか。


「師匠の教え方が上手いからにございます」


「そのような謙遜は良い」


 師匠は少しだけ遠くを見るような目をしたあと、俺を撫でる。

 くすぐったい。


「お前ならあるいは…本当に世界最強を目指せるのかもな」


▽アルトリウス視点


 あやつは一年もしないうちにものすごく強くなった。

 それは才能もさることながら、そのどこから溢れてくるかわからない闘志によるものだろう。

 あやつはどのような修行をさせても付いてくるし、絶対に気絶をせず踏ん張る。

 易きに流れない。

 

 

 …近々戦争があると聞いた。

 あやつの噂は使用人を通して王室にまで伝わっている。

 儂と共にリルを戦場に出さなければならないかもしれない。


 あやつの強さでは死ぬことはないだろう。しかし、娘を戦場に向かわせるのか…


 貴族ゆえ仕方ないことではあるが、業が深いな。

 自らの娘を贄に差し出さなければならぬとは…


 ため息が出そうになって慌ててこらえた。

 いかんの、昔は鬼のような人間であったのに、今はずいぶん丸くなってしまった。

プロ野球と太閤立志伝Vが面白すぎてモチベも上がってきた。

パワプロ2020も発売されるから楽しみ。

しかしこれを書き始めてから自分がサイド使いになってきている気がする。

読者としては読みにくかったからやめたいけどやめられない…辛いです…

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ