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第二十八話 見ぬ敵手

「ここが王都…」


 お姉ちゃんが王都の都会っぷりに驚いているようだ。

 まあ前にデートした港町ネナスタに比べても相当栄えてるからなぁ。

 びっくりするのも当然かもしれない。

 私も前世の記憶がなければビビってただろう。



 なぜ王都にいるかというと、今年の神覧試合が行われる場所がここだからだ。

 神覧試合は毎年行われる国は違う。

 たまたま今年はイザルモ王国だっただけ。


「それにしても凄いよ!こんな都会見たことない!」


 キャッキャと騒いでいる姿が微笑ましい。

 かなり可愛かったので頭を優しく撫でた。


 さらに笑顔になった。

 あんまりにも可愛かったので、抱きついて耳元でささやくことにした。


「…お姉ちゃん、かわいいよ。もっと

、今度は私にだけ笑顔を見せてほしいな」


 おねえちゃんは ニヤニヤが とまらなくなってしまった!


「…」

「…」


 いつの間にかメイスとアルンも撫でてほしそうに見ていた。

 それと同時にお姉ちゃんへ恨めしそうな目を向けている。

 ううむ…なんとも器用…。


 嫉妬する二人も可愛かったので頭を撫でて抱きしめた。

 メイスに関しては結構年齢差あるけど逆じゃないか?なんて思わなくもない。

 今度ぎゅーってしてなでてもらうよう頼んでみるかな?


「むー…」


 今度はお姉ちゃんが嫉妬しだしたが、流石に往来だからこれ以上はキツイ。

 それに、キス以上はメイスの手前できないし。

 恋人の前で他の恋人と必要以上にいちゃつくのはやめておきたい。

 というか一番の問題は心が痛むことだし。

 周囲の視線が痛い。


 尊い…みたいなことを言っているオタクっぽい男性や、私達の関係が恋愛的なそれだと感づいたのかちょっと引いている30代くらいの女性もいる。

  

「なあ…そろそろ…」


 師匠はこの目に耐えられなくなっているようで、まだいかないのかと訴えている。


「すみません…ほら、みんな行くよ!」




 そんなこんなでしばらくみんなと駄弁りながら歩く。

 師匠は孫を見るような目で見つめているだけだが。  


「…でね!実は…、っきゃ!」


 人にぶつかってしまった。乙女みたいな悲鳴が出てしまって少し悲しいような、もうどうでもいいような。


「おっと、ごめんね」


 ぶつかった相手から逆に謝られた。

 男装をしているが、髪はポニーテールな上に体幹が女性特有のそれなのでまあ大体の人は勘違いしないだろう、という容姿でかなりの美形。

 いや、この世界では男もサムライ的に結構ポニテするから間違うかも?

 でも声はまんま女性なのでやっぱり間違う人は少ないだろうな。しかもなんなら結構かわいい声だし。


 しかし、この身のこなしは尋常じゃないな。

 神覧試合の参加者だろうか?


 といった感じで分析していたが、こっちも謝らなければならないだろう。

 高速思考モードを終えて謝ることにした。


「いえ、こちらこそすみません」


「あはは、ならこれであいこってことで。…ん?そこの紫髪の子…どこかでみたことが…」


「えっ?私ですの?」


「…いいや、何でもないよ。できれば決勝で会いたいものだね。君のような強者との戦いを楽しみにしている」


 男装の少女はどこかへ去った。

 アルンの関係者かなにかかな?まあ貴族だったら知っていても不思議はないし、ここで因縁付けてこなかったんなら今ん所は敵じゃない。

 しかし、決勝か。


 …正直、この少女から少しぶるっちゃいそうな気配を感じてしまった。

 戦闘狂というか、一種のモノマニアのような雰囲気。

 そしてそういう奴らはほぼ例外なく極まっている、あるいは究めんとしている。

 なぜなら情熱が凄まじいから。自分に妥協を許さないから。


 これは前世の知識であって、人間の概念すらそこそこ変わっているこの世界で通用するものかは知らないが…。 

 また、どこかメイスに似た雰囲気を感じる。

 性格が、とかじゃなく気配自体が似ている。

 その上で身のこなしも凄まじい。

 間違ってもかつてのメイスのような失態を犯すとかそんなレベルじゃないだろう。


 …ありえない。この世界にあんな強者が何人もいるってわけなの?

 原作ではそんな描写はなかった。

 史実でも戦争でのメイス無双みたいなのはなかったと思う。

 こんなバグみたいな強者は何人もいない。


 だけど…。


 最強を名乗ると決めたからにはこの程度の相手にブルってはならない。

 例え、無数の並行宇宙を適当な動作で消滅させられるような化け物が相手だったとしても、私は負けてはならない。


「ふ、ふふふ…」


 勝つ、ただそれだけ。

 それに、散々国に特別扱いされて自分が最強だから国相手だろうと余裕で潰せるだのとイキってきて、それで負けたりしたらただのかませだ。


 公式的な戦いにおいて、私に敗北は許されない。


「よし、出場するからには優勝を狙おう!」


「当たり前。私以外に負けるなんて許さない。あなたの負けは全部私だけの宝物なんだから」


 メイスがなんかこだわっているみたいだが、結構嬉しい。

 独占欲丸出しにされるのは悪くない気分だ。


 お返し?にぎゅーっと抱きついて耳元でささやく。


「…かわいい。心配しなくてもメイス以外には負けたりしないよ。約束」


「っ…、卑怯…」


 目がとろんとしており、ちょっと危ない雰囲気だった。

 

 こうやっていちゃつきながらこの大会が行われる闘技場へと歩いていった。

更新が滞っており誠に申し訳ありません!

この小説が気に入ってくれたならブクマなどしてくれるとありがたいです!

一昔前はこういう行為叩かれてたけど最近は許されてるんでしたよね?

駄目だったら教えて下さい!

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