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第十三話 落ちる

「起きた?」


 王城の、私に与えられた部屋で寝かされているルーンメイスに話しかける。

 まだ寝ぼけ眼のようだ。


「ん…?」


 そして、しばらくして状況に気づいたようだ。

 今まで丸10日ほど寝てたから仕方ない。

 普通なら死んでいるほどの怪我だったが、彼女は気絶するだけで普通に生きている。

 まあ私が闘気を分け与えたのも大きいかもだけど。


「負けちゃったな…でも嬉しい…これで私は化物じゃないんだ」


 なんか気になることを言ってるので問いただしてみる。


「化物じゃない?」


 私がそう言うと、ルーンメイスはポツポツと語り始めた。


「私はアガストの王の弟、ショキアの娘として生まれたの」


 なんと、結構高貴な身分だったようだ。

 まあゴシックロリータとか着てたしそりゃそうなのか?


「でも、私は異常だったみたい。物覚えも早すぎて、でも体の成長は遅く、なにより強すぎた」


 5歳ほどの時、ルーンメイスは騎士ごっこをしてもらおうと騎士に頼んだらしい。

 しかし結果は……その騎士を殺してしまった。

 騎士はそれなりの実力を持っていたのだが、5歳のルーンメイスがちょっと遊びで剣を振っただけで簡単に死んでしまった。


「そんな年でそんなに強すぎると気味が悪いんだろうね。おまけにそのときの見た目の年齢は3歳くらいだった。家中から、両親からも化物扱いされたよ」


 なんというかすごく重い…。私なんかが立ち入っていい話なのかな?


「もちろん、殺してしまった騎士への申し訳のなさはもちろんあったけど…それ以上に、怖かった。父さまの怯えた目、娘への愛を謳いながら隙あらば殺そうとしてくる母さま。みんな死んでしまえばいいと思った。すべてを呪いたくなった」


 ヘビィすぎる…。

 自分から産んでおいてそれはないでしょ両親さんよぉ。

 いや気持ちもわかるんだけどさ、それでも親か?と言いたい。


「そして、いつの間にか宮廷に売られた。そこには手練の騎士や魔術師たちがいて、毎日のように厳しい訓練をされたよ」

 

 でも、1年程度でそれらの手練を一対一で倒せるようになった。

 技術はさっさと吸収したし、肉体の成長によって力が高まっていた。


「今度は宮廷でも恐れられてた。一人ぼっちの部屋で、ただひたすら眠って、料理が運ばれてきたら食べて、力の成長を待つだけ」


 でも……と続けるルーンメイス。


「ある日、戦争に行けと言われた。どうにも力が十分に高まったかららしい。それで、あなたと出会った。私以上の力を持つ『人間』に」


 なるほど…だから私に結構興味を持っていた感じなのか…。

 …私も普通に化物扱いしててごめん。


「さあ、あなたに殺してほしいな。あなた以外に私を殺せる人間はいないし、いたとしても殺されたくない。あなたが良い」


 儚い表情で私に殺されることを望むルーンメイス。


「いや、殺さないよ」


「どうして…!?」


 その表情には困惑、怒り、悲しみ…いろいろなネガティブな感情が詰め込まれていた。


「あなたはたしかに強いけれど、技量が足りなすぎる。そんなんじゃ化物とは程遠い。ただの人間でしかない。そんなのでは駄目なの。私は共に高め合える存在がほしい。私の夢は世界最強…否、宇宙最強。私の大事な人以外の全存在から畏怖され、崇められる。そんなぶっ飛んだ、無敵の存在になりたい。そのためにはあなたのような存在が必要不可欠なの。だから、あなたは技量を高めなさい。真に私と互角の存在になってほしい」


「…あなたは、あなたは、私ですら実力不足だというんだね。…嬉しいっ!」


 涙を流して頬を朱に染めるルーンメイス。

 あれ?もしかして言葉のチョイス少し間違えたかも?


「私はあなたのために強くなる。化物と呼ばれようが、あなたと一緒なら怖くない。そして、あなたがいつか孤立しようとも、私だけは永遠に味方で有り続ける。私が傍で寄り添い続ける」


 これ告白みたいなもんじゃないのか…?

 いや、ちょっと待って、このままだとお姉ちゃんに殺されかねない。

 いや、お姉ちゃんはそんなことしないけどガチ泣きされそう。

 それは嫌だ。でも、ルーンメイスの境遇を聞いていたら放ってもおけない。

 …うわぁ、どうしよう。


「…お友達から始めましょう?」


 私のその言葉に残念がりながらも、


「いつか絶対振り向かせてみせるからね」


 そんなふうに返された。

 武力で養った私の目で見るに、お姉ちゃんもこの子もかなり嫉妬深いと思う。

 いや、私もかなり嫉妬深い方ではあるけど、質が違う。

 私のはせいぜいウザい束縛女のようなものだが、二人のはヤンデレに近いと思う。

 三次元にヤンデレはいないと思っていたが、実在するかもしれない。

 創作物で見ているときは好きだった属性だけど、こうして現実でお目にかかると…すごく怖い。

 家の中がギスギスしそう。


 …今から憂鬱だ。

二人目のヒロインが落ちました。

この小説にはもう一人ヒロイン追加されますが、全員娶ることになります。

三人程度でもハーレム名乗っていいもんなんですかね?

自分目線ではいいと思うんですけど無職転生なんかは付けてないしなぁ…

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