最後の命題
よくここまで、こんな茶番に付き合ってくれたね。感謝の意味を込めて、最後の難問を用意したよ。
ふむ、思いつめたような顔をしているようにみえるね。いた、ただの気のせいということにしておこう。罪の意識にさいなまれているのであれば、別の話だが。
今まで、少女のことについてあれこれと、意地悪な問題を出してきたが、これが最後だ。
君との楽しい時間ももうおしまいなんだよ。
寂しくもあり、嬉しくもある矛盾が今、心の中で渦巻いているよ。
時間を惜しむのもいいが、早速問題にいこうか。
さて、この事件……、初めて事件という表現をしたよ。これは失敬。言うのを忘れていたよ。
しかし、事件の本質には関係ないから勘弁してほしい。
では、この事件……、事件と言うからには事故ではなく事件なんだが、実は少女を死に至らしめてしまう原因を造った犯人がいる。
さて、その犯人とはいったい誰なのだろう。
聡明な君のこと、今までの問題に登場人物は、少女以外いないと思い込んではいないかな?
この話の中には、少女のほかにも登場していた人物が複数いる。
いや、本当に賢いのであれば、こんな子供だましな引っ掛けには、つまづかないだろうから、ヒントにはなりえないことだったかな。
では、次に君が来るときに、全ての真実を語らせてもらうとしようか・・・。
アハハハハハハハハハ……
とりあえず、推理がいくつか集まるまで真実は、保留にしておこう。