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プロローグ
燃えている。
何もかもが燃えている。
慣れ親しんだ全てが、陽炎の中に揺らめいていた。
視界は全て真っ赤で。
そして、自分の手も真っ赤に濡れている。
炎と血と。
赤しかない世界。
自分以外には、誰もいない。
巨大な獣の死体と、一振りの剣だけ。
それから世界は白黒になった。
今度は、灰と、煙だけの世界。
相変わらず、自分の手は真っ赤だ。
何も望んでいなかったのに、全てを失った。
空っぽの自分でも、涙だけは出るらしい。
もう、全てを捨ててしまおうと思った。
終わりにしようと思った。
そんな時、目の前の空間が歪んだ。
ああ、きっともうまともに世界が見れなくなったのだ。
あはは。
それでもいいと、思った。




