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選択と運命が交差する時  作者: ふ~ん
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勇者きたー

こんばんは。遅くなりました。では、どうぞ召し上がってください。

 貞夫が告白したのに未だ返事は貰っていない。何故ならば、目の前の大地には白い群がるモンスターの群。更に、近くにいた聖女のリントが結構大きな魔法をブチ込んだので事態は急変する。

 

 それは当然の結果であるのだが、一部のモンスターがこちらへ向かって来るのだ。そして、向かって来るモンスターに対して俺らは対抗していた。


「ウォーターウォール!……これで、時間を稼げますわ。さあ!冒険者とアーリン・マーリン・マリリン!私達で風の神殿に力添えしましょう!」


 リントのウォーターウォールと言う魔法。向かって来るモンスターの前に、高さ十メートル弱の水の壁が立ちはだかる。

 そんなリントの魔法を見て冒険者は『うおおぉ!』とやる気を見せているのだが、当の本人はというと『やはり水が無い所ではコノ程度か!』と呟いており、やや不満と言ったところ。


「すいません貞夫さん!返事はコレが終わってから話します!……今は、風の神殿への攻撃の手を少しでも緩めないと。」


……

 ああ、空の空気って何故こんなにもヒンヤリしているんだろう?なんで生まれ変わっても、独身って奴は見も心もヒンヤリしているのかな?

 ……フフフ。ほんと、独身なのになんで保険入りまくったんだろうか?まっ!俺の死亡保険は一億だぜ!?で引っ掛かる女性は居なかったなぁ。


 何故こうも、昔に思い出に浸っているのか?

 ソコに至るまでの説明しよう。


……

 そうこう言っている内に、ブリザードゴリラが水の壁を凍らせて突き破ってくるのを見て『キャア!』とアーリンさんが!

 水の偉いさんが作った時間稼ぎの水の壁は意外と脆く崩れ落ちていく。


 そんな、野原に高さ十メートル弱・横数百メートルの水壁が一部の凍らされて『ガッシャーン!』と崩れ落ちていく所を見て『キャア!・そんな!?』という声が有ったのだが、その中で『弱』とボソッと一声があった。

 そんな一声は普通こんな緊急事態時は、聞き逃す……というか深々と聞き入れる奴なんざ居ないはずなのだが


「しょーがないじゃないの!水属性より攻撃属性が上の氷属性に太刀打ち出来ないの!」

「あんた!火属性なんでしょ!?だったら手伝いなさい。」


 少し間を空けて『じゃあいくぜ!俺の火魔法をな!』といい……


「大きさは十メートル位で……出てこいコロ!」


 狼虎ろうこの虎を呼び出した。このコロ、ポチと同じサイズでほぼ同じ技を持っている。更に大きさは、貞夫がクビになる前の魔王城をスッポリ覆うくらいの大きさなのだ。

 体の大きさの変化は、扉の大きさにもよるが主人の出す魔力によっても大きさを変化させる事が出来る。


 目の前には、大きな火に包まれた虎!金と黒のシマシマ模様が出てきた。

 虎は貞夫を見ると寝転び、貞夫のペロペロ舐め鼻にゴシゴシさせてくる。そして、肉球で貞夫を挟み込み更に鼻辺りを再度ゴシゴシしながら野原をゴロゴロしている。


「コロ!今は遊んでいる場合じゃない!」


「はぁ!……すいません。いつもポチばかり呼ばれ羨ましかったのでつい。」

 

 そう言うものの、コロの格好は腹を地に付け話している。猫丸出しのコロに女性達、特にリントは『可愛い!』と手を出して触ろうとするが


「熱い!」


「主様だけが触れるのだ!主様だけが心の拠り所なのだ!」


「コロよ。このチッコイのは触らせなくていいが、こちらのマリリンさんは俺が大好きな人……だから!彼女が触ろうとしたら拒否なんか出して見ろぉ」

「もぉっ……一っ生!呼び出さないからな!」


 シュンとなるコロ。

 

 やはり俺達の口からブリザードゴリラの血肉の匂いがするのか、コロがゴロゴロすりすりする時間は普通無いのだが……ぶっちゃけ近寄って来ないの。

 シュンとなったコロを見て『貞夫さん、コロちゃんをイジメないで』とマリリンちゃんが優しく庇う。


 とりあえずコロにマリリンさんがどれだけ俺は好きなのかを教え込む。


「さ!マリリンさん乗って……リントも乗れ。」


「私には、手を差しのべてくれないのですか?」


 空を駆けるコロに股がる三人。途中貞夫のレベルアップの音が鳴りまくっていた。


「ひっきりなしにレベル上がってますね。これくらいですと百は上がってますが?普通は五十程上がると次回のレベルまでが遅くなるのですが。」


「へー。知らんね。」


「何か秘密がありますよね?農夫がこんなモフモフ出せるでしょか!?無いですよね?」


(じゃあ、ポチの方がよかったのかぁ?!)

(ポチは一度見られているから、お前の為にコロにしたんだよ。お前、ガクブルになって足腰立てなくなるだろう。)


 リントの話は続く。


「更に言えば、裏のレベルが百としても……百にしてはアンタ強すぎるわぁ。」


(こいつ、今!落としてやろうかっ!)

「ふう。……で?マリリンさん、返事聞きたいんですが。」


「それについてはご免なさい。」


 瞬間貞夫は飛び出した!落下していった貞夫に気付いたのはリントのみ。

 コロの背に乗っている順は、先頭がマリリンで後ろに貞夫の後ろがリントである。


……

 まあ、そんな感じだ。


 真下には、モンスターが結界を壊そうと神殿の周りを囲んでいるのが見えて分かる。

 今の貞夫は、何かに八つ当たりしたい!唱える。


「どぼぉぉぉぉぉ!」


 神殿の周りを白の色で囲んでいる円を一瞬で火に代える。貞夫の唱えたのはファイアウォール。それは、天まで届く火の柱となる。

 数百のモンスターが火に包まれた。


(次は……ファイアウォールからのファイアウェイブだぁぁ!白のモンスターよ全滅してやるぅ)


「貞夫さん!……」


 と、殲滅ばかり考えていたのだが『貞夫さん』と透き通っていて……なんかイイ感じィ!って息を吹き返したのは恋心だった。

 この時点で、ファイアウォールは消す。


 落ちる貞夫に手を伸ばすのだが……


(ダメだ!マリリンさんの手を取っても……俺の恋は発展しない。じゃあ!じゃあ、そのまま地に着地すればイイだけじゃないか。)

(そう。手を無視すれば……)

「!!!」


 マリリンさんの手を無視したら、直ぐ近くに顔があった。普通なのだが、顔を凝視して驚いてしまった。


(マリリンさん泣いている!?なんでだ?)


「貞夫さん!私の話を最後まで聞いて。」


 そこで俺の脳裏にキュピーン!て稲妻が来た感じがした。そして、同時に『おおおぉ!』と声が聞こえて来たのだ。

 既に貞夫は、マリリンさんの手を取り乗っている。


「貞夫さん!なんで落ちたの!死んじゃうじゃないの。」


「いや、だって……断られたし。」

「終わったって思うのが普通だろ!!」


「ちゃんと続き……聞いてください」

「もう!スッゴい恥ずかしかったんだからね。もう、続き言わないからっ。」


(なぬーー?!?!?!?!?……気になる。)


 空中で話をしていると、再び歓声が響きわたる。そして、怒濤の……ま俺のファイアウォールに比べれば屁でもないが爆発が下であった。

 

「皆さん!助けに来ました。今の炎は神殿を守る為に放ちました。熱さで火傷してないよね?!」


 『ん?……たぁ!』と聞こえたのかな?と思ったら斬撃が放たれたのだコロに。

 飛んで来た斬撃は、猫パンチでペイッと弾いた後『コロちゃん下におりて』というマリリンに従う俺のモンスターはイケイケのダンディー声で『仰せのままに』と言うのだ!


(何!格好付けてんだよぉ!)


「あれ?女の子が乗っていたんだね。」

「ご免なさい……てっきりモンスターと思って」


(俺は無視か!?)


「ありがとうございます。あの炎、実に助かりました。しかも私達から見て、神殿も炎に包まれた様に見え一瞬ドキッとしましたが……無事の様で本当に良かったです。」


 貞夫の心の声の反応はリントに伝わったようで『はぁー』とタメ息をついた後話出すのだ。


(当たり前だ!神殿燃やす分けないだろうが!)


 なんか、リントが俺らを攻撃してきた奴を品定めしたかと思ったら


「なるほど。貴方は勇者ですか?」


「えー!?勇者なのぉー?」


 『なんでそんなに驚くの?』とリントから突っ込みを入れられるのだが、そこはユーモア豊な俺は『田舎暮らしで勇者なんて見たこと無くて』でと切り返す。


(嘘だな……コイツ。)


「じゃあ良かったですね。初の勇者が見れて。」


(いや、全然良かないです。全ての男は俺の敵です。)

(いやマジで、マリリンちゃんをマジマジ見るんじゃねぇよ!)


 もう、俺達はコロから降りて勇者と話合っている。そんな、和気あいあいという雰囲気に全く馴染めない貞夫は『まだ、モンスターの残党がいるのになぁ』と思い眺めていると遠くの方から


「魔王さまー!魔王さまー!……助けてください、我が軍は壊滅状態です。」


 手を振って此方に走ってくる巨大なシロクマは直立して人の様に走る。

 更に近付いて来たのだ。


 俺?俺はもう、パニックです。一番隠したいのに、俺の方向に向けて更に手を振って走って来ているんだよ?……もう『ホワワワワ』ってリントの背中に隠れたね!


「ちょっ!?何……あー。なるほど、あなた魔王なのね?」

「ほら!呼んでるわよ。会いに行ったらどうなの?まあ、被害を考えて風の神殿に付いたら落としましょうね。」


「違うわい!熊アレルギーなんだよ!」


「あのコロって子、ほぼ熊に見えるけど?」


「熊じゃ……」


「違います!コロちゃんはネコちゃんです!」


 超反論したのはマリリンだった。ほぼほぼ正解だったので『その通り!博識なマリリンさん』と言うとリントは何かに反応したのか、それから何も言わずに長い時間貞夫を見ているのだ。

 そして、ボソッと『スライムの仕込み……』と聞こえて来た。もう、間違いなくバレていると勘づいた時だったが


(とりあえず今晩仕込みで、マリリンさんには絶対言うな!て身体を調教しとこう。)


 この想いで『まだイケル』と思うのだった。

 シロクマは俺の目の前に立つと、片膝を付いて


「魔王様!風の神殿は固く途中黒の化け物に合ってしまい別動隊が壊滅してしまいました。」

「更に、強烈な火の壁で七割強が燃えてしまい!申し訳ありません。」


「おい!お前どちらさんですか?」


 貞夫……逃げの一手!

 偉そうに貞夫が言うと、何かにシロクマがキレたのか


「なにおぉー!魔王は貴様で……ブァ!」

「何故!?風の神殿を攻撃の指示をしたのはあなたでは無いですか?……なぁ」


 シロクマが突如キレ出して、片膝を解除し立ったのだ。そして、立ったと同時にくらいに勇者から技が発動された。


「危ない!セイバーブレード!」

「くっ!まだ倒れないか。フルセイバーソード!」


 フルセイバーソードは、剣に光りが集まり出すと巨大な光りの柱になる。それを、シロクマの脳天から地面へと振り落とされた。シロクマは、絶命した。

 ちなみにセイバーブレードは、俺らにも攻撃してきた斬撃である。


「ふう。たぶんアイツがボスだったようだね。」

「ほらっ!主がいなくなったからバラバラと散って行くよぉ!?」


「見事です!流石は私を救ってくれた勇者」


「お久しぶりですライト。」


「リントもお久しぶり。あれから二十年経ちますが成長したのは乳だけですか?」


「ライトも二つの山が減ったのでしょうか?何処かの埋め立て地へ運んだのでしょう……痛々しい限りです。」


 仲がイイ感じの二人は、犬猿の仲にも見てとれる。

 そんな感じで、安全に風の神殿へと付くのだった。『では、私はモンスターの事も有りますから話し合いをしてきます』と言い、まだ見ぬ風の聖女の元へ二人の聖女は向かって行った。


「あのぉ、マリリンさん続き聞きたいなぁ。」

「これは独り言ですが、マリリンさんの手を握って脈あり!って思ってます!……違いますか!?」


 なんかモジモジしている。


(春が!春がきたんだぁーー!……おっと涙を流したら変態と思われてしまう。)


 涙を拭いていると


「やあ!君がマリリンさんだね。さっきも自己紹介したけど僕の名前は簡潔にトムで良いから。」

(へー。結構な上玉だな。この世界の聖女はレベルが高いなぁ……くくく。)


 笑顔でマリリンちゃんは受け答えする。

 俺はマリリンちゃんを常日頃から見ているから分かる!『コイツ!マリリンちゃんを刈ろうとしている!?』ってのが分かる!

 

(マリリンちゃんは俺のみらいのよめ!近付かせないぜ!)

「やあ、どうも。俺の名前は貞夫さだお、マリリンさんと共に……全てを共にする者です。」


(あー……、コイツが前のクズ魔王か。)

「そうなのですか?……すいません気が付かなくて。」


 『じゃ、またネ。』そう言うと、次の巡礼者に挨拶しに行っていた。

 マリリンちゃんは、勇者が完全に離れていく姿を目で追っている。それは、これから貞夫に話を聞かれたく無いのか?それとも、女子足る者……恋系の話はおいそれと大声で言わないし言いふらせ無いのか?


「貞夫さん。特別に!特別ですからね……」


 話を聞くと、今直ぐには結婚は無理と言うこと。そして、マリリンが考えているのは初級・中級をへて上級になり聖女に成りたいらしい。


「だから……私が聖女になっても貞夫さんが好きで居てくれるなら……イイですよ。」


「あ、ありがとう。ううぅぅ……あぃやとうぉ」


「フフフ。泣かないで……私と共に行きましょうね。」


 真っ赤な顔をするマリリン。俺?俺は、内心では約五億機は『ヒャッハー』の大行進である。

 要は、超大行進なのだ!ぶっちゃけリントをいじめるなんて何処かへブッ飛んでいた。


 返事はモチ


「おーけぇーい!」


 キレッキレのキメ顔をかまして二人でニコニコしていると


「ここに貞夫様はいますか!?神官様がお呼びです。」

読んでくださってありがとうございます。明日もよろしくぅ。

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