ヒヤッこい水……水?
こんばんは。皆様、おつかれさまです。ブックマーク話の後に、ブックマークが増えてうれしぃー!ありがとうございました。
……
先程は格好よく『走って合流するつもりだ』と粋っていたのだが、現実的に
『ハァッ!ハァッ!……間に合った。』『え!?僕の名前?それは、SADAO!世界が認めるぅ貞夫だぜ。』って言える分けないし。
本当にどう言えば、サラッと特に何も無く合流しマリリンさんとの楽しい旅路を楽しめるのか?と遠目でマリリンさんの団体を見守って早三時間が経過した。
もう、空には太陽が無くなり暗くなっていた。どうやら、団体は三グループに別れているみたいだ。護衛するシスターには、最低でも三人は交代で寝ずの番人をしている。
[最低]と言ったが、マリリンちゃんは何故か冒険者が五人も付き添っていて、端から見ても……というか今から俺が『ハァイ!御待たせ』的な感じで交わり難さが一番の原因と思われる。
え!?これは、ストーカーなんかじゃないよ。あたたかい目で見守っているんだ。マリリンさんが好きで好きで、壊れない様にソフトタッチで対応しているのさ!……って心の中では考えていた。
(あ!凄い良いことを思い付いたぞ!)
「アリギダ!来い!」
貞夫はアリギダを召喚する。
そして
「アリギダ、モンスターを殺さずに活きが良いまま連れて来てくれ。」
「分かりました。生き血をすすって、喉の渇きを癒すのですね?」
「のど越し最高のモンスターを連れて来ましょう。」
アリギダは『分かりました』と言うと『ヒュッゴッ!』と既に立ち去っていた。
更にその後の『生き血』うんぬんは、どうやって俺に言伝てしたのか分からないが……もう手遅れと言うのは見て分かるし取り返しが無理な話である。
暫くすると
「さぁ!見てください。水の神殿に住み着いていたジャイアントスライムです。」
「あの、生きたまま……」
「では、目の前で調理をさせて頂きます。」
(うぉい!ちょっと早いんでないかい?)
貞夫の閃きとは、イキナリモンスターが出現!そして颯爽と現れる冒険者はバッサバッサと敵を薙ぎ倒す!アンタ誰だい?……え?俺??『俺の名前は貞夫』でマリリンちゃんのハートをズキューンってな!
現実は違った。
「さあ!ジャイアントスライムの無限胃袋に全ての水を入れました!」
『さあ!召し上がれ』そう言うと、どっから出したのか分からないがワイングラスを取り出して、手の平の上に乗るような透明の加工済みの無限胃袋からトプントプンと注ぎ入れていた。
そんな音を聞いたら、飲みたくなるってぇもんだ!
「……!!……ぷはぁぁー!……ゴァァ!」
それは、冷たくキュッとしていて最高のおいしい水だった。貞夫は一気に飲み干す事で最後にゲップが出るほどに空気と一緒に飲み干した。
ゲップの音を聞くとアリギダが『それは、最高の誉め称え』と言い一礼する。
あまりの旨さにテンションが高ぶり
「こんなウマイ水!久し振りに飲んだ!」
「この小さな袋に後何杯分?って考えるのがなんか嫌になっちゃうよ。」
「その袋は、人間達がよく言う所の‘無限アイテムボックス’の原型です。」
「なので御安心を。あと、四百億杯以上は飲めますよ。」
(なぬ!?無限アイテムボックスとな?)
暫く間を開けたのだが、全て飲み込んで……というか突っ込みたく無かったのが九割りあったので『ありがとうマタネ』と言い消えてもらう。
(もう良いや。)
「すいませーん!怪しい者じゃ無いですよ」
「ん!誰だ。」
……
ギルドカードを提示し何の疑いも無く合流する事に成功し、今は皆で『俺の差し入れした超おいしい水』を配っていた。
「うああ!なんてヒヤッこい水なんだ。」・「もう一杯だ!」・「俺もおかわり!」
そんな声が聞こえるのだが、そんなのは無視なのだ!マリリンちゃんの『ハァー』という吐息……聞き逃さない!
その後
「ごちそうさまでした。」
(俺こそ!その笑顔……ごっつぁんです!)
「!!!」
その後、超絶美女が手招きをしている。そう!マリリンちゃんの細い手首が俺を手招いているのだ。
口元は、ピンクに輝き(たぶん水を飲んだ直後のせい)額や体には水滴が落ちている(汗なのか超おいしい水なのか不明……が!汗であろう!)。
「なっ、なななななんですかっ?……ハァハァ」
「言い忘れが一つ有ります。裏職の話ですが、裏はレベルが無限に上がりますので。」
「裏の職業が上級な程に、格差に強くなっていくでしょう。」
「……あ!……あやや。おおふぅ。」
「どうしたんです?」
「最高です!……イエ、大丈夫です!」
なんと!手招きされて、耳元で内緒話されたのです!……あの、マリリンさんから冷たい吐息が徐々に熱い吐息へと変化して行きが耳に掛かるのだ!
どうだ!たまんねぁーだろ!?
で!
……
「昨晩は、差し入れと寝ずの番ありがとな!」
そう!寝れなかった。いや、寝るつもりも無かったし心が弾けており寝ていたら『マリリンさん!付き合って下さい!』って、絶対寝ているマリリンさんの布団の中に入りに行くだろう……多分。
というか、時間が経つにつれて心が燃え上がってしまい皆が熟睡中に無音でお空に向かって(心の)ヴァーニングファイヤーを打ちまくっていた。
ヴァーニングファイヤーとは、気球上げる時に『どぁー!』ってアルコールランプの数百倍の炎出すよね?ヴァーニングはその数千倍位だと思う。雰囲気、ベギ○ゴンであり花火で言うならスターマインだ。
『ああ!良いぜ!』と寝ずの番の礼をサラット終わると、朝の意気込みで
「思わぬ手助けで俺達の体が潤ったのは間違いない!じゃあ、もう迷い無く水分補給が出来るであろう。だが、我らはアーリン!マーリン!マリリンと共に無事旅を終えようではないか!?」
指揮が高ぶっているのか『うおお!』と冒険者は叫んでいる。
貞夫は叫んでない。何故かって!?それは
「すまないが本当はその街の出身者の冒険者がシスターの護衛をするのだが、マーリンは田舎で冒険者も二人しかいないのだ。だから、キミはマーリンを護衛して貰えると有難い!」
そんな感じで、脱マリリンちゃんなのだ。
はしゃぐ理由は全然無い。
そんなテンションが底辺だったのだが、次の巡礼場所を聞いてヒヤッとしてドキッとした。
「さぁ!もうすぐで水の神殿だ!」
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