手首が炎症になるやも
こんばんわ。予告どおり、選択と運命が交差する時で出しました。これからも、よろしくです。
俺の名前は佐藤貞夫。熱血バカ系のアニメをこよなく愛する、現在五十二歳の叔父さんです。そんな私は、毎日出社している。
「よ!貞夫、今日も太っているな。」
今話掛けて来た奴の名前は青柳勤。昔っから俺の事を、チョイチョイいじめて来る。
いじめ内容は、俺に好きな人が出来たら情報を聞き出してゲットするパターンが五回。俺が何かを欲しがると、先に手に入れて自慢する奴なのだ。まさに、俺の脳内では何千回と殺している。例えば……俺がいない所で隕石に当たってくれ!とか。
……実は言うと、勤の嫁さんは俺の幼馴染みだったりする。そんな感じで、猛烈に殺したい程に憎んでおり仕事の不満と重なるのは必然なのかもしれない。
だから今、人気が無い場所に来たら後から刺すつもりだ……だった。そう!だったんだ。
暗闇から包丁を取り出して襲い掛かろうとしたら
「そこの白の乗用車!止まりなさい!信号赤だっていってんだろが……それで二十回目ですよ。」
俺は、爆走していた白の乗用車に跳ねられ且つ着地と同時に持っていた包丁で自分の胸を刺してしまった。
それだけ、どんな体勢・抵抗されても殺す武器を離さない!という特攻の精神で包丁を持っていたんだから……しかたがないと言える。
多分即死である。
一瞬にして意識が切れたかと思ったら、何故か目を開ける事に成功?する。目を開けると、白い部屋に天女のような女性がただ一人立っていた。
「こんにちは貞夫さん。さあ、此方へ……」
そう天女さんは言うと、俺は歩こうと思ったのだが足を動かそうとすると、動かさずに天女が指示した場所へ。それは、スゥーと体全体が進む感じである。
そんな不思議とも言える、リアル体験は俺の妙なテンションがやや上がるのも無理はない。なぜから死んだのに意思があり誰かさんと話且つとても綺麗な女性と話ているからだ。
「佐藤貞夫様。貴方は悪いことをしようとして、死んでしまいました。なので、悪には悪を!……ということで今から行って頂く所で[魔王]になってもらいます。」
「おお!魔王かぁ」
笑みがこぼれた後に『魔王?』と思ってしまう。脳裏によぎったのはモチロン『勇者』である。
天女は俺の想いなんて、なんのその……話は続いた。
「そこで、世界を面白可笑しく狂わせてください。」
「それが、魔王の仕事です。」
「あ、やっぱり魔王みたいな事をするのですか。」
「あまり、乗り気ではありませんね。では、次の話をしていきますね。」
話の内容は、今から行く場所は少なからず[属性]というのが存在する。人は三つの属性を、住む場所や暮らしで強制的に取得出来るらしい。
属性の種類は、光・生命・氷・水・風・土・雷・火・闇である。
尚、光と闇は超レア属性らしい。なんでも、光属性なだけで生命・氷・水・風・土が広範囲で使える。
闇属性は、火・雷・土・風・水とやはりコチラも広範囲。
雷属性と氷属性も珍しいと全ての属性の話は終わった。
「貴方には、悪ではあるが転生者です。なので、特別に四つの属性を与えましょう。」
「さあ、何を選びますか?」
「火で!」
「次は何にしましょう?」
「火!」
「……。重なりますが?」
「俺は、心熱く燃えたいんだよ!選択するのは、火!!四つ火……と言わず!炎の様な魔王なりたいんだ!」
「炎でも、空は飛べるだろ?炎があればブレ○トファイヤーとかも出来るしな!」
ワクワクしながら話したのだが
「魔王なのに回復を破棄するのですか?闘うのは多くても百体位ですよ?……どうやって、魔物の回復をするのですか?」
「それはありきたりな、光や生命・水とかかい?」
「もし、俺の属性が炎なら!炎を食らったら回復するのは当然なんじゃ無いのかな?……いや!絶対そうだ。」
「まあ……言っている事は分かります。でも、先程貴方が言った火で空を飛ぶ魔法は存在しません。」
「そんな悲しい顔しないでください。特別に、火専用の想像魔法を付け足しましょう!」
『シッ!』と思わずガッツポーズする。するとどうだろ?天女様が消えて、ウスラウスラと建物……大きい石が積まれた壁が出て来た。
そして、声のみ天女様の声が
「その建物は貴方にあわせて火の耐久性を高めています。更に、今装備している物も火耐性です。」
「詳しくは、魔王の玉座にシステムがありますからよく読んでお使いください。あと、魔王ですから化け物の姿ですが年齢は若い設定にしました。因みに歳はとりません。」
「存分に世界を狂わせてください。」
そういって、声はもう聞こえない。
取り合えず玉座へ向かう事にする。が……その前に!
(ロケットパンチをやってみたい!火魔法で想像するだけで良いのだな!?)
皆さんロケットパンチなんて、どこが炎なのか?って思っているかもしれませんが、アレは飛んで行くために後方でジェット機みたく出ていますよね?……そう!それです。
ま、マジで腕が飛んで行かない様に想像……結果は出ましたぁ!ぶっちゃけ○拳の貞夫です。
出た時は『イヤァッフー!』て、ハシャいで走り周りました。そして、迷いました。
「何処だろう?玉座は何処なんだ?」
ほんと何かのRPGみたいに、落とし穴に落ちたり激流に流されスタートに戻ったりでした。
しかし!そんな事では、俺の炎のハイテンションは収まらない。更にウロウロし、あらかたトラップの場所が分かってくると少し開けた場所へ出て来た。
「ん?これは、ベッドが四台……まさか!?」
貞夫の思い付きは正解している。
この休憩エリアは、名高いRPGなら絶対あるボス前の最期の一夜を過ごす場所!……という事で寝る。
……
「おーい!おーーい!!……」
「……ん?んん??」
「コラ!何年間寝ているの?」
久し振りの天女様降臨です。貞夫は、言い訳もせず正直に説明する。
話を聞いた後『ハァ』とため息が出たあと
「ツマリ、あのあと玉座の場所が分からずウロウロしてたらトラップにかかりスタート位置へ。迷ったあげく、ベッドを発見したので寝たと?」
「何十何千回とタンスを調べるも玉座への道標は無く。お腹が減らないし諦めて、トコトン寝入ることにした!……と。」
「全くその通りです!」
少し間があった。
「……では、私が玉座に案内します。」
ものの数十分で玉座に着くことが出来た。玉座前の廊下にて『この大きな手形はなんです?』にはビビった!まさか、玉座前だったとは。
返事は『初めて魔法をした思い出の場所です』とキラキラとしニコッと笑顔で答えたのだが……ダメな感じがした。
[思い出の場所]で『ここは無いな!』と超スルーしていた事に気付いてしまった俺は『ま、名高い一夜?を過ごしたんだから……』と、うやむやにして良い思い出として記憶に残す。
「おお!ここが玉座!」
「……ベッドはどこでしょうか?」
すっかりニートに成りつつある発言をしてしまう。
「寝室は奥……玉座の真裏です。」
言われた通り玉座の真裏に、デーン!という感じで大きくフカフカなベッドが。そんな、フカフカ具合を『凄いぞ!?別格だぁ!』とハシャいでいると
「貴方には[ノルマ]が必要ですね。」
天女さんが少しイラッっとしていらっしゃる。
[ノルマ]とは、魔物を作る事!近々勇者が来るので待ち構える事!だった。
……
「ゴラァァァァ!!」
「へっ!?……ああ、天女様こんにちは。ちゃんと、ノルマは達成しましたよ!」
プルプル震えている綺麗な女性、天女様はちゃぶ台をひっくり返すの如く
「テメェ魔王だよなぁ!?世界を狂わせてないよなぁ!?何しに生きてんだテメェはよぉ!」
「いや……でもぉ」
「ノルマか!魔物は何処だ!?」
「紹介しましょう!コックのアリギダと門の狼虎です。」
コックのアリギダは、腰に二本の包丁を刺してとてもじゃないが料理人には見えない。髪が真紅で腰辺りまで伸び、目は開いているのかどうなのか分からない位に目が薄い。何時でもニコッとしている、胸がふくよかな女性である。
コック服は、ベースが黒で絹ボタンが赤の服の外側に赤の線が入っており、上着とズボンの黒に赤の線がスッと入っている仕様である。
「コック?……ハッ!門で思い出した!」
「貴方!勇者がいつ来たか知ってますか!?」
首を降る貞夫。その様子をみて『でしょうね』と呟いていた。
「あの門、どんな攻撃をしても熱くて近付けないと苦情が出ています!」
「でもぉ……俺の命をとろうとす輩を[へい!ラッシャイ!]っておかしいですよね?」
「アノ門は、言わば守護者ですよ。(俺の)」
沈黙が続いた後、天女様は
「色々考えた結果、貴方をクビにいたします。」
「なので、その化け物の姿から人間に。あと、火耐性の装備や防具を返して頂きます。あと、コックと門は貞夫が作ったので僕としてお使いください。」
「え!?クビ?……人間??」
(何気に呼び捨てになった。)
「僕と言いましたが、火の召還として登録すれば何時でも呼び出しや収納……キャンセルと言いますか?が出来ますので。」
「……はい!私が勝手にしましたから。」
天女様が指パッチンすると、アリギダと門は消えてしまう。
突然に目の前のコックが消えてしまい『アリギダ!?』と叫ぶと下に赤の魔法陣が浮かび上がると『お会い出来て光栄の極み』とペコッと挨拶しながら出てくる。
変化無いと分かったのでキャンセルする。
「はい!ではさようならです。今から、魔王城より離れて頂きます。そして、飛ぶ場所は野原で一キロ先に街があります。」
「そこで注意点です!貞夫は人間です。今まで飲み食いを控えてましたが……今同じことをすると餓死しますからお気をつけください。」
「では!」
貞夫が『すいませんでした。さようなら』と言うのだが、『すい』位で飛ばされてしまったので全ては言い切れない。
……
貞夫は天女が発言した『人間になった』という言葉が気になったので、初めてステータスをオープンさせる。魔王の時は、どうせ魔王だから強いだろ?という考えのもとで興味が無かった。
意識を集中するとステータスが現れる。
名前 佐藤貞夫
性別 男
年齢 二十歳(停止中)
表職業 村人(農夫)レベル1
属性 火
魔法 火の玉
体力 7
魔力 1
攻撃力 3 (+0) 装備無し
防御力 4 (+1) 布の服
魔攻力 0
魔防力 0
力 5
素早さ 3 (+1) 木の皮の靴
運 -4
スキル 力ため 1/100
称号 二十年間仕事をしてない・畑を耕やさない農夫
……
内心『えー……弱わー……』と眺めていると
「オイ!その道は俺の道だぁ!ソコを退いて貰おうか!?」
ビックリして見渡すも、何も誰もいない。『あれ?どこ?』と探し続けているのには理由がある。理由とは、その後も『テメェ無視するんじゃねぇ!』という掛け声が。
さらに『仕方無い……死ね!』
「わ!」
(掌サイズの石が勝手に飛んで来たぞ!?)
「くそ!離せぇぇ」
「ベローナァァ!くそっ!俺も特攻だ!」
またもや、掌サイズの石が飛んで来たので再び開いてる方の手で掴む。その後も『うおおお!離せぇぇ!』と言った後『よし!奥の手だ!』と石の必殺技を繰り出してくる。
ぶっちゃけ、右手と左手の伸びる運動である。
「ああ……。」
伸びをすると、石を離してしまう。
『これで勝ったと思うなよぉ!……ひとまず退散だ。』
そして、ピルン!と音が出たから思ったら目の前にスクロールが現れる。そこには
【魔物を退けた!経験値を2取得した!】
(?……なんだ?提示したままだな。)
この画面を何分か見て飽きたので、立ったがやはり画面が消えない……実に邪魔である。
少しイラッっと来たので、画面を払い除ける
ピルルン!と鳴ったとおもったら
【農夫のレベルが上がった!】
体力 5上がった
(へー……。終わり!?)
もう一度画面を手で払ってみた……すると、体力が画面外部へと上って行った。
力ため 1上がった!
(これ、もしかして……常にタップしないといけないパターンですか?)
そして、ポチする。すると再びピルルンと鳴り
【魔王のレベルが上がった!】
で、タップしていくと。
体力8・魔力14・攻撃力5・防御力5・攻魔力14・力5・素早さ3・運2というのを八回もタップしたのだ。
で、やっと終わったと思ったら……ピルルン!
【魔王のレベルが上がった!】
最後まで読んで頂きありがとうございます。こんな、ロープレがあったら良いなぁで制作しました。って言うても、私アクションしかしないんですがね。場面が変化すると、いきなり強くなるモンスターが嫌いなんです。
楽しんで読んで頂けたらと思ってます。