音
88の音色
上手く奏でる事が出来たなら
世界はきっと
きっかけは些細な事だった
88の音色に魅せられ
飛び込んだ1つの音色
増えていく音階
難しくなるリズム
様々なルールに縛られ
いつしか嫌いになった
上手く奏でる事が出来たなら
飛び跳ねるように
訴えかけるように
楽しさも
苦しさも
誰かに分かってもらえたかもしれない
私は今
たくさんの音色に囲まれ
見ず知らずの人が奏でる
たくさんの感情の中
1音も奏でる事が出来ない自分
見る事しか
聞く事しか
出来ず
他人を羨むばかり
88の音色上手く奏でる事が出来たなら
少しだけ世界が素晴らしく思えたかもしれない