第4話 夜が明けて
また夜に次話追加するかもです
俺に抱き付いたまま寝た優花をベットに運ぼうとしたんだが離れない
俺の服を握りしめている
仕方ない、少し狭いが寝れなくはない
さすがの俺もいろいろあって疲れたのかすぐに意識がなくなった
~優花 side~
私が目を覚ますと目の前に龍也の寝顔があった
!!?
なんで私、龍也が私のベッドで寝ているの!?
私の部屋に何時の間に・・・
とそこまで考えたところで思い出した
そっか、私たち昨日買い物の帰りに変な光に飲み込まれて異世界に召喚されちゃったんだった
それでどうしようもなく不安で、怖かったけど龍也に抱き付いて泣いたまま疲れて寝ちゃったんだった・・・
龍也との出会いは、私が小学校1年生の時男の子たちにいじめられていた時助けてくれたのが始まりだった
それで彼はその時に見せたあの力のせいで皆に避けられた
私も助けてくれた彼を、一瞬怖いとも感じてしまったのを覚えている
けれども私のことを助けてくれた人だし優しい人なんだと思い直し、そこからは私だけが彼に態度を変えず接し続けた
その後も彼は何度も私を助けてくれた
私が小学校4年生の頃、身代金目的の悪人に誘拐された時も彼は警察よりも早く助けに来てくれた
とても嬉しかったし、彼のことがもっと好きになっていた
その誘拐事件の後、私の両親は彼のことをとても気に入り事あるごとに彼を家に招こうとするし、私に「もう龍也くんとは付き合っているの?」と何度も聞いてくる
私は両親に「龍也のこと怖いって思わないの?」と聞いたことがある
学校の教師は全員彼に接するのは必要最低限で、いつも怯えていた
そしてお父さんは
「優花は彼のこと怖いと思うのかい?」
と聞いてきた
私は「怖くない」と答えた
「確かに龍也くんの力は普通の子供とは違うかもしれない。でもね、彼はその力を悪いことには使っていないだろう?」
彼は基本的に力を振るおうとしない
どんなにひどいことを言われても、悲しそうな顔をするだけ
私が「うん、龍也はとっても優しいよ」と答えると今度はお母さんが
「優花を助けてくれる人を私たちが嫌いになったり、怖がったりするはずがないでしょう?龍也くんに助けて貰ったのだから、今度は優花が龍也くんを助けてあげないとね」
と答えた
それから彼とはずっと一緒に過ごしてきた。
何度か家に来て、私の誕生日を一緒に祝ってくれたり、旅行にも行ったりもした。
そして高校2年生の2学期の終業式
私は25日に彼に告白する決心をした
終業式の後の買い物の後、25日に彼と会う約束までは取り付けた
後は覚悟を決めて25日に備えようと決心をしていたところで、あの光に取り込まれた
気が付くとそこはさっきまでいた日本ではなかった
そこで私は勇者として別の世界に呼び出されたことを知った
もし彼がいなければ私は逃げ出すこともできず、言いなりになるしかなかっただろう。
大げさではなく、彼がいなければ発狂していたかもしれない
そしてお城から抜け出した後、宿で一人になるのが怖くて2人部屋を彼の言葉をさえぎって頼んでしまった
彼に私が無理をしていることを見抜かれ、温かい言葉をかけてもらった
今思い出すととても恥ずかしい
龍也はまだ眠っている
そんな龍也に向かって私は
「龍也、大好きだよ」
と言った
色々あったせいで25日の告白はできなかったが、いつか龍也にこの気持ちを伝えよう
~~
そして俺が目を覚ますと顔を真っ赤にした優花が隣にいた。
とりあえず何もやっていない事だけは伝えておこう
「おはよう、優花。一応言っておくけど、俺は何もやっていないからな?」
「おはよ、龍也。分かってる。私泣きつかれて寝ちゃったんでしょ?」
「ああ、少しは落ち着いたか?」
「うん、スッキリしたよ。まだ少し不安だけど元気が出たよ。ありがとね」
「ならよかった」
優花が元気じゃないと見ている俺が辛いからな。
そして起き上がって座りなおした。
「よし、この世界でも24時間で日本との時差もほとんどない。今は6時半くらいだからそろそろ朝食だ。食べ終わったら今後の方針を立てないとな」
ソーラー電池式の腕時計で助かった。
鐘の音でしか時間が分からないのは不便だろう。
「うん、まずはお腹を満たさないとね!昨日の夕食も食べそこねちゃったしお腹空いちゃった」
昨日は部屋に来て、話し合ってそのまま寝てしまったから夕食は食べていないのだ。
そして俺たちは朝食をとるために部屋を出た。
誤字脱字あるかもしれません
バイト終わった後の徹夜明けのテンションで書いたもので・・・