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第3話 話し合い

なんか予想以上に長くなっちゃいました

そして俺たちは今、宿屋に来ている


「いらっしゃい、食事かい?それとも泊まりかい?泊まりならば一晩2人部屋1000クロー、1人部屋なら一晩800クローだよ。食事は朝は7の鐘、夜は19の鐘の時に出すけど、昼は追加料金がかかるよ。うちは食事処も兼ねてるからね。体を拭くタオルは部屋に備え付けの物があるから自分で井戸で使いな。使い終わったのは自分で洗って干しといてくれ。お湯がほしいなら50クローだよ」


この世界はエンテラといって、6つの大陸がある。

人間、エルフ、ドワーフ、獣人、竜人、魔人がそれぞれの大陸に別れて住んでいる。

魔人以外の種族では深い浅いはあるもののある程度の付き合いがある。

魔人は基本的に大陸から出てこないらしい。


なぜかこの世界の言葉も文字も使いこなせるので、通りすがった雑貨屋のおっちゃんから地図を買ったついでに聞いたのだ



またこの世界の暦は360日で一か月は30日、四季は春夏秋冬あるが日本より気温差は低いようだ。

曜日は火、水、木、風、土、闇、光の週7日で、一日は24時間で1時間ごとに鐘が鳴るそうだ

なんでも女神様から授けられた神器なので、どこかの国にある本体と連動して各町の鐘も同時に鳴るらしい


また金銭は1クロー=10円くらいと考えていいようだ

ちなみに貨幣は

1クロー=石貨

10クロー=鉄貨

100クロー=銅貨

1000クロー=銀貨

10000クロー=金貨

100000クロー=白金貨


となっている。覚えやすくて助かる


そして俺はザ・宿屋のおばちゃんといった感じのおばちゃんに


「ああ、では1人部屋を2つでたの・・・」

「2人部屋1つで!!」


1人部屋を2つで頼もうとしたら優花が2人部屋を頼んでしまった。


「はいよ、2人部屋1つね。何泊するんだい?」

「とりあえず5泊で」

「はいよ、料金は先払いだよ。貴重品の管理は自分でしてくれよ。2階の一番奥の部屋だよ」


訂正する暇もなく優花はカギを受け取ってしまった

まあ優花がいいなら2人部屋でもいいんだが・・・


そうして部屋に入り、お互いベットに座った。

ちなみにベットは2つあるんだが、なぜか優花は俺の隣に座った


「龍也・・・」

「どうした?」

「私、いろいろなことが起こりすぎてちょっと心が追い付いていないんだけど、ここ地球じゃないんだよね?」

「ああ、そうみたいだな」

「ちゃんと帰れるかな?」

「今すぐは無理だが絶対に帰る方法はあるはずだ」


そこで優花は俺の肩に寄りかかってきた

彼女からいい香りが・・・


「お父さんとお母さん心配してるだろうな・・・」

「安心させるためにも、早く帰る方法を見つけないとな」

「私、もし一人でこの世界に飛ばされてきていたらあのまま隷属させられていただろうし、不安で夜も寝れなかったと思う」

「優花・・・」

「でも龍也がいてくれたおかげで不安も薄れるんだ。龍也は私に巻き込まれてこの世界に来ることになっちゃったのに・・・ごめんね?」

「いやいいさ、優花以外にあっちの世界で俺、親しい奴はほとんどいないからな」

「なんかそれはそれで寂しいね」

「ほっとけ」


彼女は笑っている

が、俺には優花が無理をしていることが分かる

化け物と呼ばれ、孤立していた俺が何とか社会の中に居続けられたのは俺の力を知っても変わらずに接してくれた優花のおかげだ

彼女には何度も救われてきた

今度は俺が優花を助ける番だ


「優花」

「なに?」

「俺さ、優花には感謝してるんだよ」

「突然どうしたの?」

「上手く言えないけどさ、今まで何度も俺は優花に助けられてきたんだ」


小学校1年生の時、俺が孤立するきっかけになったあの事件の後も普通に接してくれた。

その『普通』というものはあの時の俺にとって得難いものだった。


中学では唯一、優花だけが俺に話しかけてきてくれた。

家に帰っても腫物のように俺に接する両親、極力俺に関わろうとしない教師。

そしてあのクラスメイト達の目は人間を見るようなものではなかった。

俺が不登校にならなかったのは家にいたくないという理由もあるけども、優花が一緒に行こうと言ってくれたからだ。


高校になってからは、中学が同じ人間は優花以外にもいたから高校でも優花以外には話しかけてくる奴なんていないと思っていた。

しかし何人かは俺にぎこちないながらも話しかけてきた。


社交辞令かもしれないがその何人かが俺に話しかけてくれるのは、優花が俺に対して普通に接していてくれるからだと思っている。


「だからさ、今度は俺が優花を助けたいんだ」


優花の家の人は俺の力だけを見て避けるなんてことはせずに、俺のことを気にかけてくれた。

今まで大人は俺の力を恐れる、あるいは利用しようとして近づいてくる奴らだけだった。

そんな大人ばかりじゃないと気づかせてもらえた。


「もしあの時俺じゃなくて優花だけがこの世界に来てしまっていたら、優花の居ない世界で暮らすのに絶望して、暴れまわっていたかもしれない」


俺が完全にとは言い難いが、社会で生活できていたのは間違いなく優花のおかげだ。

優花がいてくれたおかげで今の俺がいると断言できる。


「だから俺は優花に巻き込まれたなんて思ってないし、迷惑だとも思ってない」


そこで一度言葉を区切る。


「むしろ感謝してるくらいだよ」

「・・・感謝?」

「ああ、この世界はいわゆるファンタジーの世界だぜ?あっちの世界にはファンタジーなんて俺しかいなかったからな。ちょっとワクワクしてるくらいなんだ。まあ帰れるよう努力はするし、あっちの世界でやり残したこともあるしな」

「やり残したこと?」

「まあ、いつか教えてやるよ」

「えー、今教えてくれてもいいじゃん!」

「それは置いといてだ」

「気になるな~」

「置いといてだ」

「あっ、2回言った」


大事なことだからな


「だからさ、優花」


「泣きたいなら泣いていいぞ?」

「・・・やっぱり分かっちゃうか。心配かけないようにしようと思ってたんだけど」

「バカ、何年一緒にいると思ってるんだ。10年だぞ?それくらい分かる」


ずっと一緒にいたもんな。

小学校1年生から高校2年生までずっと同じクラスって言うのもなかなか珍しいだろう。



「ほら、辛いときは泣いてすっきりするのが一番だって言ってたのは優花だろ?」

「う、ん・・・」

「だからさ、今は泣いていい」


そして優花は俺に抱き付いて泣いた。

その背中を撫でながら、彼女が泣き疲れて寝るまで俺たちは抱き合っていた。




龍也くんがほとんど告白してるような気がしてくる

近いうちに登場人物紹介しないと・・・

龍也と優花のルックスとか記述していないので、いや、設定はあるんですけどね?ほんとですよ、私嘘つかない。

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