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第17話 到着

夏風邪&食中毒のダブルパンチはきついです・・・


皆さんパンには気をつけて下さい。

奴らのカビは危険です。

特にこの季節は電気つけるのが面倒くさいからと言って暗い部屋で、パンを確認せずに食べる事の無いように(戒め)



〜〜優花side〜〜


依頼の前の打ち合わせとは予定が変わり、3人ずつの見張りでは無く女性と男性で別れる事になった。


この世界で2回目の龍也との別行動だから少し緊張するな・・・

でもシリアさんたちはいい人たちだから心配はしていない。

問題は私と龍也の事を根掘り葉掘り聞かれそうだということだけかな?

龍也も後で色々聞かれるんだろうな。

どんな風に話すのか凄い気になる。


「さーてさて、優花さんには色々聞きたい事はあるけどまずは二人の出会いからだね!さっきはほとんど聞けなかったし」


さっそくマリーさんからの質問が飛んできた。


「あっ、私の事はユーカでいいよ。年も多分同じくらいだし、さん付けで毎回呼ばなくても大丈夫だよ?」

「じゃあユーカって呼ばせてもらうね。私のこともマリーでいいよ」


続いてシリアとイルが


「私は言葉遣いがもとからこれなので、今まで通りにユーカさんと呼ばせてもらいます」

「わ、私もさんを付けないで話すのは苦手なので・・・でも私のことは呼び捨てで大丈夫です!」


と言った。

二人は元から丁寧な口調なのでさんを付けられていても距離は感じないからね。

特に不満に思う事無く頷いた。


「ではでは二人の出会いから聞かせて!」


マリーが話を切り出し、他の二人も私の言葉を待っている。

そんなに聞きたいものかな?


「出会いと言ってもタツヤが私が小さい頃にいじめられていた時に助けてくれたってだけだよ?」

「おおー、やるなータツヤさん」


まあ龍也は優しいからいじめられていたのが私じゃなくても助けていたと思うけど。


「それからそれから?」

「助けてくれた後、私の方から話にいって一緒に行動するようになったんだ」

「つまり助けてくれた彼の姿に惚れたと!」


惚れた、という言葉に思わず顔が熱くなる。

そんなにわかりやすいかな?


「顔真っ赤だよ?それでどっちから告白したの?やっぱりユーカから?それともタツヤさんから?」

「えっと・・・私たち付き合ってないんだけど」

「「「えっ!?」」」


3人がとても驚いている。


「あの雰囲気で付き合ってないんだ・・・」

「私も驚きました、お二人ともとっても仲がよろしいのに」

「今日一番の驚きです・・・」


マリー、シリア、イルの順でそれぞれ驚きを表した。


「でもユーカはタツヤさんの事好きなんだよね?」

「うん」

「気持ちは伝え無いの?それともタツヤさんから言って貰いたい?」


気持ちは伝えたい。

やっと伝える覚悟を決めたところでこの世界(エンテラ)に呼ばれてしまったので結局伝えていない。


龍也からの告白。

今まで何度も想像して悶えることになったか分からない。

やっぱり男の子の方から言って欲しいという気持ちはある。


「伝えようとは思ったんだよ?でも少し間が悪かったというかなんというか、少し問題が起きちゃって・・・」

「なるほどねー。でも自分から伝えるのもいいけど、やっぱりタツヤさんから言って貰いたい?」


少し言われた場面を想像してみる。

放課後の誰もいない教室で彼から「好きだ、優花」と言われながら抱きしめられる私。

そうしてどんどん顔の距離が近づいていき、二人の影が・・・


「おーいユーカ。戻ってきなさい」


マリーの声で我に帰る。

先ほどまでの想像を思い出して、とても恥ずかしくなってきた。


「あらら顔がさっきより赤いよこの子」

「可愛らしいですね」

「耳まで真っ赤です」


そんな暖かい目で見ないでほしい。


「何を想像してたか分からないけど、あんまりもたもたしてると手遅れになっちゃうよ?」

「分かってるんだけとね・・・」


龍也は実は結構モテる。

ルックスは良く不器用なところもあるが、基本的に優しくて、ふとした瞬間に見せる彼の微笑みにやられてしまう女子生徒が結構いた。

トラブルに巻き込まれているところを助けたりしているからね・・・

かく言う私も何度も助けられている。


「顔もいいし優しい上に実力もあるからね。あの時も結構あつーい目で見てた人ちらほらといたよ?」

「あの時?」


何時の事だろう?


「そう言えば言ってませんでしたね。実はユーカさんたちが『深紅の魔斧』に絡まれている時に、私たちはあの場にいたのです。もう少ししたら助けに入ろうとタイミングを見計らっていた時にタツヤさんが彼らを鎧袖一触してしまったのを見て結局手は出さなかったのですが・・・」


シリアさんたちはあの場にいたんだ。

だから私たちのような新人がこの依頼を受ける事になっても反対もしなかったんだね。


「同じ女冒険者としてああいう輩に絡まれている人がいるのは放って置けないと思ったんだけど、タツヤさんが一瞬で片付けちゃったからねー」

「私も凄い驚きました。明らかに自分より重い男の人を片手で、しかも2人を水平に投げて4人を無力化しちゃってましたし・・・」

「最後に斧術のスキルを素手で止めていた事にも驚きましたね」


マリー、イル、シリアさんがあの場で見たことに対しての感想を述べる。


「おっと話がそれちゃったね。あの場では誰も声をかけなかったけど、タツヤさんが実質フリーだと知られたら凄いアプローチがあると思うよ?」

「うっ」

「タツヤさんから言って貰いたいって気持ちも分かるけど早めに攻めておいた方がいいよ」


凄い不安になってきた。

幼馴染みというアドバンテージはあるけども、シリアさん、マリー、イルのような全員タイプは違うが美人も多い。

まさかマリーたちも・・・


そんな思いが顔に出ていたのか


「いやいや私たちはタツヤさんの事狙ってないよ?」


マリーが答え、他の2人も頷いている。


「でも早めにタツヤさんに告白した方がいいよ。受け身じゃなくて攻めないと!」

「どうすればいいのかな?」


私以外の女の人と龍也が付き合うなんて想像したくはない。

本当に龍也がそれで幸せなら仕方がないかもしれないけど、私は多分自分の心を完全に殺さなければ生きていけなくなってしまう。

そんな風に確信してしまうほど龍也の事は心の大部分を占めている。


「今直ぐっていうのは大変かもしれないけど、早くした方がいいよ、私も応援するから!」

「もちろん私もお二人の幸せを祈っています」

「わ、私もお二人ほどお似合いの方も少ないと思いますし応援しましゅ!」


3人とも応援してくれている。

私も頑張らないと!


「そうだね。決めた!この依頼が終わったら私、告白するよ!」


もしこの気持ちが通じないならば諦める・・・事はできないかもしれないけどケジメにはなる。

何も言えないままに終わってしまうのだけは嫌だ。


「よし!その意気だよ!もし言葉で伝わらなかったら押し倒すくらいの気概で行かないと」

「お、押し倒す!?」


そんな恥ずかしいこと・・・


「夜中に彼のベッドに潜り込こんだりするのよ!既成事実さえ作ってしまえばこっちのものだよ」

「既成事実・・・」

「大丈夫、大丈夫。まあそんな事しなくてもタツヤさんもユーカの事好きだと思うけどね?」

「そうかな?私が頑張って腕絡ませた時とかもあんまり反応してくれないし・・・」

「絡まれた後のやつだよね?彼満更でもないように見えたけど。そんなに心配ならユーカにこれを上げよう!」


といってマリーが取り出したのはあの道具屋でも見かけた例の薬(精力剤)であった。


「そ、それは!」

「おっ、その反応はこの薬を知っているのね。なら効果も知っているだろうし、これあげるから頑張りなさい!」

「でもなんでマリーがその薬を・・・」


意中の相手でもいるのかな?


「・・・前の依頼の薬屋の護衛の報酬で貰ってね。使い道も意中の相手もいないから余ってたのよ。捨てるくらいならユーカに使って貰った方がいいでしょ?」

「なるほど」

「ともかく上げるからワインにでも一滴垂らして一緒に飲みなさい」

「使うかは分からないけど、頑張るよ。3人ともありがとう!」


恥ずかしいから薬は使えないかもしれないけども応援してくれているんだ。

絶対に成功させるんだ!


そうして私は決意を固めた。


その後もちろん周囲の警戒は怠らず、この世界で出来た初めての友人と楽しい会話をしながら交代の時間まで見張りをした。



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


俺たちの見張りも終わり、皆で朝食をとり移動を再開する。

なんだか優花がこちらをチラチラと見ている。

目があうと俯いてしまう。


・・・見張りでどんな会話をしたのだろうか?

そして俺は何を言われたのだろう。


そんなこんなで村に到着した。

運良く道中、盗賊や魔物襲われることもなく着いたから移動の疲れだけで特に問題なく、依頼を遂行出来そうだ。


いよいよ俺たちのこの世界に来て初の依頼が始まろうとしていた。




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