第12話 道具屋
会話少ないです。
そろそろ依頼の話に行きたいけれど、まだ服屋とかの話が・・・
道具屋に着くまでには俺も気分の入れ替えは終わっていた。
いつまでも落ち込んでいるわけにはいかない。
時間もあまりない。
道具屋で必要なものを買った後にすぐに服屋に行かないと・・・
そうして道具屋に着き、さっそく店内をまわる。
するとふと後ろの店の入り口の方から視線を感じた気がした。
振り返ってみたが、怪しい人物はいない。
「気のせいか?」
「どうかした?龍也」
「ああ、誰かに見られてる気がしたんだが・・・」
「私は特になにも感じなかったなー、怪しい人もいないし大丈夫じゃない?」
それもそうだな。
俺の勘違いか、たまたまこちらの方を見ていた人でもいたのだろう。
まあ気を取り直して買い物だ。
まずテントや調理器具などを調達した。
魔除けの効果がついているものを買った。
魔除けの対象になる魔物はこちらのことを発見していない魔物で、半径100mには近寄ってこなくなるそうだ。
発見してこちらを狙っている敵から逃げるのにテントを使うということはできないようだ。
またランクが高い魔物だと効果が無いやつもいるそうだ。
大きさが50mを超えるものも中にはいるので過信はいけないですよ、と店員におそわった。
30000クローほどしたが悪い買い物ではないだろう。
ちなみに調理用具はとくに特殊なものはなかった。
凄い形の包丁とかあったら面白かったのに、少し残念だ。
次はHPとMP回復薬を買わなければいけない。
HPの方が緑色、MPの方が紫っぽい色をした液体だった。
体に悪そうなイメージしかない。
合成料着色料をふんだんに使ったらこんな色になるのではないだろうか?
まあ異世界だし添加物なんてものはないだろうから実際は問題ないのだろう。
俺はMPを使わない、というか使えないからMP回復薬は完全に優花用だ。
一本20クローの物から、高いものでは500クローの物まで置いてある。
日本の栄養ドリンクも200円以下の物から5000円くらいする奴があったし、大体似たような物なのか?
値段の違いで効能が違うらしく、500クローの物はMPが回復する速度をかなり上げるらしい。
1時間は効果が続くと説明に書いてあった。
飲めば一気に回復するのではなく徐々に回復していくタイプなのか。
一番安い20クローの物は飲まないよりはマシという程度の効果しかないようだ。
優花のMPが上がったら一本では回復が追い付かないかもしれない。
とりあえず一番高いのを30本ほど買っておこう。
HP回復薬の方はこれまた俺には必要ない気もする。
まずダメージを受けないだろうし、たとえダメージを受けても最大HPが10万もある上に自動回復 Sまであるのだ。
問題ない気がする。
俺より優花の方が心配だ。
基本的に優花に攻撃は通さないつもりだが、万が一を考えると用意しておいた方がいいな。
優花の光属性魔術の回復があるが、MPが無くなっていた時、魔術が何らかの要因で使えなくなることも考えられる。
HP回復薬の方も徐々に回復していくタイプで、値段もMP回復薬と同じ価格設定だ。
一番高いのはHPを最終的に200回復するみたいだ。
こちらも30本ほど買っておこう。
解毒薬なども買わなければ。
優花は勇者の称号の効果で状態異常にかかりにくくはなっているが、かからないとは限らないからな。
こちらは10本ほど買っておけばいいだろうか?
「さて重要そうな薬はすべて買えたか?」
「私は他に思いつかないかな?他に何かないか一応見てみる?」
「そうだな。一応見ていくか」
そうして優花とともに薬系がおいてあるコーナーを見ていく。
鎮痛剤、止血剤、魔物に使う睡眠薬や麻痺毒、増毛剤なんてものもある。
いろいろあるんだな。
しかし増毛剤があるのにあの禿げ宰相は禿げていたんだ?
まあ効果に個人差があるのかもしれないし、気休め程度のものでしかないのかもしれない。
他に何かないかと探していると説明文がある薬があった。
瓶の色が褐色なので中の薬の色は分からない。
ドロドロしているのは分かるのだが何の薬だろうか?
読んでみるとそこには
『素材の厳選に厳選を重ね、濃縮の限りを尽くした最強の一品。水で薄めても、一滴でも凄いことになります。これさえあれば2日ぶっ続けでも、何人を相手にしようと問題ない!絶対に外では飲ませないでください。気になる彼を落としたいそこの貴女!これをワインにでも一滴たらせば、全て解決します!』
と書かれていた。
精力剤かよ!!
そしてふと隣を見ると、優花もちょうど同じところを読んでしまったらしく、顔を真っ赤にして俯いている。
なんだこの空気。
無茶苦茶恥ずかしいし、気まずい!!
俺の顔もかなり熱い。
この場は退散するしかない。
「か、買うものは買ったし次は服屋に行こうか!」
「そ、そうだね!時間もあまりないしね!早く行こう!」
商品を清算し店を出る直前、女性店員が微笑みつつ、優花に小声で何かを言っていた。
優花が顔をさらに真っ赤にしつつも小さく頷いていた。
いったい何を言われたのやら・・・
そうしてお互い無言のまま、服屋への道を急いだ。
次回も明日中に更新できるように頑張りたいです。




