表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/20

秘密のある私


 人には誰でも秘密がある。

 他人の秘密は知りたくもないし、知ろうとも思わない。


 もちろん、私にも秘密はある。


 私の特技はパソコンのブラインドタッチ。かといって、パソコン操作が得意はわけではない。せいぜい、インターネットが出来るぐらいだ。この特技のおかげで救われたこと……

 仕事の書類作成はとにかく得意。

 早い、早い。

 だって、ほかの人とタイピングの技術が違いますから。ミスタッチが多いことは、反省してます。


 話は脱線したけれど、パソコン操作が苦手な私がなぜタイピングが得意なのかって??

 


 それは、私の趣味に所以する。


 幼い頃、私は小説家になりたかった。本が好きで、空想の世界が好きだった。だから、私は小説家になりたかった。


 それでも、明治時代かと思うような古風な我が家では、そんな夢物語は通用しない。大学も文学部に行くと言えば、文学部に行って将来何をするのか、と責められた。


 看護師になったことを後悔していない。看護師という職業は天職であると思うし、この仕事にプライドも持っている。


 病院では様々な感情が渦巻く。

 喜び。

 悲しみ。

 嘆き。

 怒り。

 その中で、笑顔を探し出すのが私の喜びなのだ。患者様の些細な笑顔がうれしいのだ。その笑顔の一つのきっかけになれるのなら、私が頑張る意味はある。


 私の秘密?


 それは小説家になりたいこと。


 なぜ秘密かって?


 そんなの、小説家になりたいなんて言えば、小中学生では「いじめ」の対象になってしまう。だから秘密にして、表面では快活で明るい女の子を演ずるのだ。運動も得意で社交的でな女の子を演ずるのだ。身を守るために、本当の私を秘密にするのだ。


 大学時代、ふと、この秘密を口にしたことがある。それは、とても信頼していた友達だ。


「恵美子、あんまり人に言わない方がいいよ」


 それが、友達が私にくれた言葉。

 思いやりのある言葉。


 この秘密を受け入れてくれるのは、姉と妹ぐらい。


 私は一人、パソコンに向かって、小説を書く。


 もちろん、だれかと共有したい。

 考えた小説の話を聞いてほしい。

 アドバイスが欲しい。


 それでも私は秘密を抱える。

 きっと、この秘密を受け入れてくれた人を、心から愛するのだろうな、なんて、思いを持ちながら。


 これが、秘密のある私。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ