87.苦悩 その5
そもそもエッチというのは男性を満足させるためにあるものなのか?
もちろん、女性も快感を求めたり気持ち良さを求めることはある。
確かに慎也との行為でも全く気持ち良さが無いわけではない。
しかし、正直に言うなれば、今の慎也とのエッチにはリコは満足出来ていなかった。
もっと言うなら、慎也のためにしているというか、付き合っているというのが正解の気がする。
だが、何故そんなことが急に気になり出したのか、リコ自身にも分からない。
ただ、二人の関係がこのままではいけない気がするのは確かだった。
だが、そもそも自分は慎也に何を求めているのだろうか?
「…コ、リコ…?」
ハナに呼び止められてリコは、はっとした。
「あ、ご、ごめん!」
「何か考え事してた?」
「ううん、別に何でもないよ!」
今の思い巡らしをハナに悟られまいとリコは慌てて取り繕った。
今リコはハナと一緒に大型食料品売り場にある衛生品コーナーを回っている。
「な、何だったっけ?」
「うん、そういえば生理用ナプキン何が良いかなーって思ってさ」
「多い時用?」
「かな?リコはどう?」
「私は…」
自分のことを言おうとしてリコはふと、思考が止まってしまった。
そういえば…
「最近、来ていないかも…」
「え?」
リコの言葉にハナは目を丸くした。




