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RISKY―傷だらけの十字架―  作者: 桜井敦子
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42.至福 その5

次の土曜日は、慎也がシフトで休日を取れる日だった。



週休2日のリコと、久しぶりに昼間のデートが出来る日だった。




デートの約束の前日、リコはまたもや慎也からノルマを課せられた。



『明日さ、生足にミニスカがいいな。キュロットはバツ』

『えー?』

『明日は他のヤツいないし、ミニスカくらい履いて来いよ』


彼氏が彼女にミニスカートを履いて欲しいものだということくらいは、リコだって様々な雑誌やネットで聞いたことがあった。




リコだって持っていないワケではない。でも、ミニがいいということは……

やはりデートの最後はエッチなのだろうか?



リコの中で勝手な想像が広がって行った。





土曜日――

慎也は、リコのマンションへ迎えにくるなり、リコの格好を見て、ガッカリしたような顔になった。




「お待たせ」

夏らしいシフォンのブラウスはいいが、ボトムはキュロットのミニ。




「俺ミニって言ったじゃん!」

「でも、生足は頑張ったんだから!」


そんな口論をしたリコだが、慎也の前ではまだミニスカートを履く勇気がなかった。



ブツブツぼやきながらも、慎也はバイクの後ろにリコを誘った。






慎也はと言うと、ノースリーブとまで行かないが、短い袖丈と、裾がやや短めの白っぽいTシャツに、クラッシュ加工ジーンズに、ちょっとハードなデザインの黒のべルトを合わせるというほぼいつも通りのスタイルである。



ジーパンそのものもローライズなので、ちょっと腕を上げるとお腹が丸見えという、よく考えたらかなり際どいファッションであった。



ショッピングセンターの駐輪場にバイクを止めて、行きたい場所を目指してリコは先を歩いた。


慎也はリコの後からついて行きながら、ヘルメットでつぶれた髪を手で無造作に掻き上げた。



その時に、かなりはっきりと、引き締まった腹部が丸見えになり、リコは思わずドキッとさせられた。




そのリコの視線に慎也が気が付いてしまい、リコは気まずくなった。




「今どこ見てたか分かったぞ」

慎也はやや不機嫌な顔をしてみせた。



「あ、えっと……」

「たく、俺一人バカ見てんじゃん?」

リコに何の断りもなく、勝手にそんな格好で着た慎也も馬鹿だとは思いたくもなるが。



「そ、そんなことないよ!」

リコがかなり苦しいフォローをした。

「あたし、そういうファッションのびと…じゃなくて、慎也のこと好きだし…!」


リコも自分で何を言ってるか、分からなくなって来たが、言った内容が後の祭りだった。



目の前の慎也はやや勝ち誇った顔を、ちょっぴり色っぽい表情を入れながらしてみせた。




「リコのホンネが聞けたな」

「えっと、あの……」

「やっぱお前って可愛い」そう言いながら、どさくさ紛れに頬にキスをしてきた。



こういう詰め寄られる会話では、どうもリコよりも慎也は強い気がした。




でも、確かに……。

慎也の身体のラインがくっきり出るような服装には、何だかんだ言って、リコは好きな気がした。




あたしって根がスケベなんだろうか?

そんな自分に少しガッカリさせられた。




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