27.謀略 その4
翌日、店は久々の定休日のため、近藤は慎也を誘って近場でもツーリングに行こうかと考えていた。
「あ、オレ。今日休みだから久しぶりツーリング行かねえ?」
近藤は朝、慎也に電話をかけた。
「わりぃ、今日用事あって行けねえわ」
「えー!?あ、そうか、リコちゃんとデートか」
近藤は慎也をからかった。
「そんなんじゃねえけど、とにかくわりい、急ぐから」
そう言うと、慎也は一方的に電話を切ってしまった。
慎也は愛車の1300にまたがっていた。普段着ているような白いTシャツに、太もも部分にダメージ加工のあるジーンズ姿。
一つ違うのは、Tシャツの左肩口に龍のシルエットのタトゥーの柄が入っているとハードなデザインだということ。
電話を切ると、慎也はサングラスをかけ、バイクのエンジンをかけてスロットルを回した。
近藤は切れた携帯を見つめながら、何故か胸騒ぎを覚えた。
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関東興和会事務所。
仙崎はいつものふんぞり返った姿勢でパソコンのディスプレイを見つめている。
片手でタバコを吹かしながら、派手な光沢のシャツの襟元からは、金のネックレスと肩口の刺青がのぞいている。
そこには警察データベースから不正に抜き取った慎也の個人データが写し出されていた。
少年院時代のもので、データはかなり古いが、今と風貌もデータとあまり変わっていない。
そんな中で、仙崎の携帯に着信が鳴った。
スマートフォンのディスプレイには「尾藤慎也」の名前が表示されていた。
仙崎の目が不気味に光った。




