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RISKY―傷だらけの十字架―  作者: 桜井敦子
21/110

20.幸福 その2

翌月の第一日曜日。



まだ梅雨明けにはならないが、良い天気には恵まれた。



「良かった。いい天気」

リコは窓の外を眺めて独り言を言った。



今日は予報では暑くなるらしいので、今シーズン初めて夏物を引っ張り出して来た。



リコは全身姿見の自分を入念にチェックする。




お化粧、ヘアスタイル、そして今日はドット柄のふんわりブラウスにフリルのミニ丈のキュロットにストッキング。


これにローヒールのリボン付きのパンプスを合わせるつもりでいる。



(喜んでくれるかな?)

リコは迎えに来る人を今か今かと待ち焦がれていた。



外にバイクのエンジンがした。



慎也からは電話で着いた連絡をもらうことになっていたが、リコは居ても立ってもいられず、バッグを持って、玄関に置いた真新しいヘルメットを取ると外に飛び出した。




リコがエレベーターに乗り込む時に、慎也からの着信が鳴った。




「今向ってる」

「出るのはえーな!着いたから下で待ってる」




セキュリティのかかったエントランスロビーを抜けると、慎也のバイクが路上で止まっていた。



慎也はリコの女子度の高い格好にまんざらでもなさそうだった。




「可愛いじゃん」

慎也に素直にそう言われて、リコは嬉しかった。




慎也はと言うと、ヘンリーネックの襟元をやや深めに開け、白いフライス生地の、身体のラインが出るタイトな短めの半袖Tシャツ。

胸元にはあのクロスが光っている。


それにクラッシュ加工の入った細身のジーンズにちょっぴりハードなデザインのベルトを合わせていた。




シンプルでさりげない格好だが、それが彼の若さと男としての魅力を申し分なく引き立てていた。




元来口下手の慎也なので、見た目でそれなりにリコの視線は意識しているらしい。




リコは、慎也のシャツの下のタイトな男らしいボディラインと短めの袖丈から露出するほどよい筋肉のついた二の腕に、思わず惹かれてしまったが、それはさすがに恥ずかしいので口には出せなかった。

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