11.運命 その2
リコは慎也の身に起こった出来事など全く知る由もなかった。
車を走らせ帰路に着こうとするリコ。
「あ、そう言えば、私何にもお礼出来てなかった!」
慎也にお礼をしたいと思っていたのに、今日は逆にこっちがお世話になってしまった。
今になって急にその事を思い出してしまった。
「あ〜あたしのバカ!…そうだ!」
突如リコが何やらひらめいた。
途中ショッピングモールに立ち寄り、リコは黒っぽい小さな袋を手にしてご機嫌だった。
「へへ、気に入ってくれるかな?」
その時、リコの携帯が鳴った。着信主は、一樹だった。
リコはふと、現実に戻った。
「もしもし?」
「リコ?僕だけど。今日はどうしたの?何度も電話かけたけど出なかったから」「ええ!?そう?ごめん!」
「謝ることないよ。やっとつながって良かった」
一樹は嬉しそうに言った。
リコは、今日慎也と会っていたことは言えなかった。
「それより、僕の取引先から映画の招待券もらったんだ。是非君と行きたい」
「うん、分かった」
リコは、一樹は友達として付き合おうと思っていた。
映画はアメリカの洋画で美しいマンハッタンの景色などが満載の純愛ラブロマンスだった。
今日本でも話題になっている映画だった。
映画は、それなりに面白かった。
帰りは一樹と夜景の美しい高層階のレストランで食事をした。
窓から都市の夜景が一望出来て、先ほどの映画のシーンを連想させた。
窓に映る一樹と自分は、結構似合いのカップルに見えた。
だが、リコの頭の中は、やはり慎也のことが離れられないでいた。




