109.永遠 その2
慎也には何もかも感謝するしかない・・・。
ほんの興味本位でアプローチしたのはリコ自身だった。
だが、彼は不器用な仕方で、だけど真剣に、そして自分の全てをかけて自分を愛してくれた。
それも身体を張って、自らを犠牲にしてまで・・・。
恐らくリコの生涯でこれほど愛し愛される関係は存在しないだろう。
いや、地上のどんな恋人同士でも、自分達ほど濃密で深い愛はないかもしれない。
確かにルックスも良いかも知れない。だが、自分を命をかけて守ってくれた男性 ・・・。
「慎也・・・」そう呟くリコの瞳からは無意識のうちに涙が溢れてきた。
「リコ、泣かないで!」
「もーシンのタコ!肝心な時どこ行きやがったんだ!?」
近藤が悪態をついたその時、遠くから聞きなれたバイクのエンジン音が聞こえてきた。
「!?」
会衆が音の方を振り返ると、黒いタキシードに身を包んだ慎也が愛車の赤いタンクのCBにまたがって登場
リアにやや無造作に乗せていたのは赤い薔薇の花束だった。
「待たせて悪かったな」
慎也はバイクに跨ったまま、薔薇の花束を肩に担ぎ、リコを見つめた。
リコは慎也のそんな姿に思わず見とれてしまった。
赤いCBの慎也はリコには白馬の王子様以上に思えた。
慎也は薔薇の花束を抱えてリコに近づくと、フワリ、とリコを抱き上げた。
その光景に友人や仲間たちが祝福と冷やかしの言葉を浴びせたいだけ浴びせた。
慎也とリコは少し照れながらも互いをしっかりと見つめあった。
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