第六話 なるようになるさ
最近寝不足で授業中気がつくと既に授業が終わっているという怪奇現象が発生します。
何故でしょうね・・・。なにか陰謀が感じらr・・・、本編いきましょう。
「どうしたもんかな・・・」
昨日、幼なじみはユーリに怒りと気持ちをぶつけて走り去って行った。
怒りは怒りで堪えたのだが、気持ちの方が問題だった。
『好きだからに決まってんでしょ!?』
『離れたくないのよ!』
「・・・・・・」
「アレかねぇ、モテる男はつらいってやつ?」
ニヤニヤとしながら人のベットを占領し、心底楽しそうに創造主はこちらを見つめ言った。
「はぁ・・・んで?なんで創造主はちょいちょい出てくるんだ」
二年ほど前、転生後初めて俺の前に姿を現した創造主は、ことあるごとに出てくるようになっていた。
本人曰く、『近くで見た方が面白いじゃないか』との事なのだが、いまいちユーリには理解不能だった。
「そんなの決まっているだろう」
「面白いから、だろ?」
「わかっているなら訊くまでもないさ」
全く持って理解に苦しむ。
「ちょうどいい、一つ聞きたいんだ」
「なんだ」
「俺はイケメンなのか?」
昔は華奢でかっこいいだとかとは無縁な顔をしていたし、村で若者はユーリとメリルのみ、しかもメリルも恥かしがって今まで言ったことがなかったので、自分の容姿に関して、ユーリはとてつもなく鈍かったのだ。
彼の質問を訊いた途端に創造主は笑いを必死に堪えた様子でベットの上をゴロゴロと転がり回る。
「・・・なんだ?何かおかしな事を聞いたか?」
「くっ、ぷふっ・・・、はぁー・・・ちなみに聞くがその”イケメン”というのは見目麗しい男性を指す言葉であっているかな?」
「あぁ」
「くっ、くはははははははははっ!あぁー・・・何を悩んでいるかと思えばそんな事だったのか!?くっ、くふふ」
「・・・」
なんだろう、とてつもなくムカつく。元から人の事を小馬鹿にしたような女だが、今のは少し傷ついた。
「くくっ、まぁそう怒るな怒るな。イケメンかどうかと言われれば確かに君はイケメンだろう」
スッキリと通った鼻筋。平均より高く、かといって不自然すぎない鼻。涼しげでキリッとした瞳。さらさらとした髪はこの世界では珍しい黒髪で、瞳の色は水色に薄く灰色がかった不思議な色合いで見た者を魅了する。全体的に線の細い感じなので、男っぽ過ぎる無骨さの様な物は無く、中性的かつ凛々しいといった、なんとも不思議で、そして魅力的な容姿だった。
「それにな、言っていなかったが君には魅了〈チャーム〉の特性も与えてあるのだよ」
「・・・・・・は?」
(魅了〈チャーム〉って相手を虜にして、誘惑する淫魔とかが得意にする魔法、だよな?)
何でそんな物が与えられているんだろう。いや、聞くまでもない。どうせ「面白い」という答えしか返っては来ないはずだ。
「・・・いや、いいわかった。今はそんなんどうでもいい、問題は・・・」
(メリルをどうするか、だな。俺もアイツが嫌いじゃなし、どちらかと言えば好きなタイプだ。・・・けどなぁ)
しかし、元々の世界での影響と、村に同世代の話し相手が少ない事で彼は恋愛に対して、少し臆病だった。
「好きにすれば良いじゃないか、二年前君も言っただろう?『やってやろうじゃないか』と。今でも私はあの時の君の表情を覚えている。不敵に笑う姿が何とも魅力的だった」
「・・・」
一体なんなのだろうか、この神様は。
力を分け与えるために自分へ口づけし、魅力がどうだと言われれば、なんとはなしに創造主が気になってくる。
美しい黒髪に、赤みがかった瞳。完璧な外見に加え、自分を救ってくれた人、言わば恩人だ。
きっと生まれ変わって最初の恋は何かと言われれば彼女と答えるかもしれない。
だが、「恋」だとか「愛」なんて概念は彼女に当てはまる気がしない、なんともつかみ所のない気持ちだった。
「まぁ、あの時と気持ちは変わってないさ」
「ほぉ、じゃああの幼なじみと恋人になるのか?」
「あぁ、それもありだ・・・きっとなるようになる 」
なにはともあれ、きっと王都で彼女ほど自分を理解し、助けてくれる仲間と出会える保証はない。
なにより彼女は安心する、誕生日なんかも関係してか、魂での絆が感じられる。付いて来てくれると言うなら、喜ばしい。
(・・・明日、家に行ってみるか)
決断の日まであと6日。
短いです、スイマセン。
ユーリってなんかヒモになりそうです。
なにはともあれ次回、お楽しみに。