表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
そうだ、あの世へいこう   作者: きじの美猫


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

3/9

あの世、ふたたび

あの世から帰ってきてしばらく


まあ、あんまり変わらない日々が続く。


仕事に行くと「闇」はあいかわらずだったが、異動でまわりの環境が少しかわった。


よくなったわけでもない。


文字通り「かわった」だけである。


それだけでもよかった。


「前」を引きずらなくていいからだ。


同僚ともと上司は異動になった。


なにやら評価が下がってうんぬんとかいう噂を聞いたが


もうどーでもよかった。


好きにしてくれ。


ちなみに同僚は退職した。


引き抜きでもあったのかな。


まあいいや、もう会うこともないだろう。


ヨメによろしくな。




あいかわらずの日常のなかでひとつだけ違うことがある。


そう、あの世へ行ったときの記憶だ。


いつまでたってもそれは色あせるどころか


よりいっそうアタマのなかに住み着いている。


悪い感じはしない。


あのこどもたちは無事にいきたいとこにいけたかな~とか


バスの中から地蔵ズにソックリな人を探したりとか。


なにかにつけ思い出している。


要するに


ハマった、のだろう。


もう一回行ってみたくてあのツアーを探してみた。


でもどこにもそんなものは見当たらない。


さては特別企画だったのか。




例の雷モドキな友人に聞いてみるか?


いや、またおちょくられるのも癪だしな~。


「そろそろまた行きたくなってるんじゃない?」


って、どこから沸いたんだよっ。


「そ、そんなことは・・・。」


「あるんでしょ。まあ無理もないけど。」


「なっ、なんでいきたくなるんだよ。」


「それはねえ・・・。」


そう言って友人はちょっと目をそらした。


「地獄は魂の回帰する場所だからさ。」


部屋の気温がすうっと下がったのがわかった。


「・・・。」


をい、エアコン切れたぞ。


「てなわけで、はい。チケット手に入れておいたよ。」


こちらを見たときはいつもの友人に戻っていた。


エアコンも普通に動いている。


気のせいか・・・。


「1枚なのか。」


「そりゃそうだ。」


「むぅ。」


てなわけで、ふたたびあの世を訪れることになった。


ひそかに心躍っていたのはヒミツだ・・・。



「お疲れ様でございました。ヨミ航空ツアーへようこそ。」


前回と全く同じ、漆黒のスーツに身を包んだ執事っぽいお兄さんが立っている。


「わたくし、コンシェルジュの夜叉と申します。おひさしぶりでございます。」


覚えててくれたんだ・・・ちょっとうれしい。


「またお世話になるけど、よろしくね。」


「承知いたしました。」


例のネイルサロンみたいなブースにはいる。


「ご案内を務めます羅刹でございます。今回もよろしくお願いします。」


あら、制服かわったみたいだ。


「こちらこそよろしくね。」


やっぱり今回も単独ツアーみたいだな。


まあそのほうがうれしいんだけどサ。


前回と違っていたのは動く歩道が別の場所についたことくらいだ。


ショートカット通路なんだろうか、賽の河原は遠くに眺めただけで通過してしまった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ