12:試験開始
「それでは実技試験の説明をします。
試験は2人1組のチーム戦で、演習森フィールドで行います。ここには魔力を吸収する結界が張られているため、魔法が外に漏れることはありません。
各チームには魔力結晶が1つ支給されます。
目的はシンプル。自分たちの結晶を守りつつ、他のチームの結晶を破壊してください。制限時間は120分です。
試験終了時、
・自分たちの結晶を守り切ったチーム
・最も多く敵の結晶を破壊したチーム
いずれかが成績優秀者として評価され、報奨が与えられます。……一部には《宝石》の授与もあるとか。これがモチベーションになりますね?
フィールド内には安全結界も設置されており、戦闘不能になった場合は即座に転送されます。ただし、それは減点対象となりますのでご注意を。
では、配置についてください。全力を尽くすように。」
――スピンネル先生の合図で試験が始まった。
「なるほど。各ペアに拠点があり、その拠点の魔力結晶を守るわけですね。フォルセティア様、まずは攻めに出ますか?」
点数を稼ぐには早いうちに他のチームを潰すべきだ。数が減ってからでは手遅れだ。
「そうですね。宝石を狙うなら、できるだけ多くの結晶を壊すべきでしょう。どちらが先に動くか…」
フォルセティア様も同じ考えのようだ。
「私は無詠唱で魔法が使えますから、短期決戦は得意です。フォルセティア様がよければ、私が周囲の拠点を攻撃してきます。」
序盤は手当たり次第に破壊しても大丈夫だろう。フォルセティア様の返事を待つ。
「それでいいと思います。僕は障壁を張るので、戦闘不能だけは避けてください。」
なぜか残念そうな顔をして言う。そんなに戦闘したかったのか。まぁ、了承してくれたようなので、とりあえず索敵の魔法を使う。
「右側に敵がいるようです。向かいます。」
自身に姿を消す魔法をかけ、身体強化も施す。転移魔法は精度が落ちる恐れがあるため走って移動する。
案の定、敵のペアを発見。
「序盤は2人で障壁を張って様子を見る作戦のよう。」
彼らが作戦会議をしている間に…
「突然、結晶が割れた!敵の仕業か?」
「敵の姿が見えない。索敵魔法を使います!」
敵が宝石を取り出そうとした隙をつき、魔法で速やかに気絶させる。
気絶した2人は戦闘不能と判断され、転送魔法で試験会場の外へ運ばれた。
私の拠点から近かったため、索敵から5分ほどの速攻だった。
その後も同様に4つの結晶を破壊し、一度拠点に戻った。




