1:始まりの一冊の本
初めまして。今回初めて投稿させていただく作品です。私は転生ものが大好きで自分でも書いてみたくなったので、あまりうまくはないでしょう。所詮、自己満足です。今回、飽きずに完成されることが目標なのでとにかく頑張ってみたいと思います。
どうか最後までお付き合いください!
「誕生日おめでとう、リク!あなたももう六歳か〜」
「姉様、誕生日おめでとうございます」
私、リクシィ=アレクサンドラは、今日で六歳になった。
「ありがとう、お母様、エリオット。こんなご馳走まで用意してくださって!」
優しい両親に、可愛い弟。何不自由ない、まるで絵本のような生活。
だけど――こんなに恵まれているのに、私はどこか物足りなさを感じていた。
「リク、プレゼントだよ。開けてみなさい」
差し出された包みをほどくと、中から一冊の分厚い本が現れた。
『魔法の基礎』
「……魔法の、基礎?」
「ああ。リクにはちょっと早いけど、魔法に興味あるんだろう?」
ページをめくりながら中ほどまで進んだとき、ふと――
――頭の中に、誰かの声が響いた。
「何してるの!早く逃げて!」
「せっ、先輩!? 危ないです!!」
「ここで起きたことは全部、私の責任よ!あなたに助ける義理なんてないでしょ!? この子を連れて、早く逃げなさいってば!!」
おかしな色の炎が上がり、日常とはかけ離れたある教室。
火災はそこそこに酷く、複数のけが人と、そして――
死者が一人、出た。
(……二人は、どうにか逃がせた。だけど……もう出口まで火が回ってしまってる。体が、熱い。頭もぼーっとしてきた……)
「中に……いる……!……助け……ないと……!」
“もう、間に合わない。だから――来ないで。”
(声も出せない……。もし来世というものがあるのなら。今度こそ――私はまた、“研究”がしたい)
「リク?リク、大丈夫かい? ぼーっとして……」
「姉様?泣いてるの?ど、どうしたの?」
ふいに、目の前の景色が戻る。ろうそくの灯り。あたたかな料理の香り。――優しい家族の声。
思い出した。私は――転生したんだ。
「ええ、大丈夫。……感動してしまったの」
「か、感動?そんなに嬉しかったのかい?それならあげた意味があったね!」
「ええ、お父様。……ありがとう」
胸の奥にぽっかり空いていたものが、今ようやく埋まった気がした。
「お父様、私……やりたいことができました」
「私、魔法を研究したいのです!」