星命者とは
「自分の意思で姿は元に戻れるはずよ。」
謎の少女の言うように、ルタが戻ろうと念じれば姿が人間に戻った。
「私はエレナ、宜しくね。」
少女の名はエレナというらしい。
「僕はルタ」
「私はせつな。」
お互いに自己紹介を移動しながら済ませつつ、怪獣が暴れていた場所へと向かった。
そこには沢山の瓦礫の山があったが、まだ人の姿も多かった。
「人の状態でもある程度力は使えるはずだよ。」
「そうなの?」
試しに瓦礫を持ち上げようとしてみたところ、いとも簡単に持ち上がった。しかも片手で。
その力を使って、瓦礫に埋まって動けない人たちを助け出した。
だか…
ルタやエレナを怯えた目で見ている人は少なくなかった。
無理もない、こんな怪力発揮する人間がいたら怖いのは当然だ。
ルタは怯えた目で見られる事を辛く感じたが、今は人々を助けるのが先だと自分に言い聞かせ瓦礫を除去していった。
「ルタ!大丈夫だよ。」
そんなルタを心配したのか、せつなが近づいて言う。
「大丈夫だからね。私、あなたの味方だから。」
ある程度人助けをした後、エレナは語った。
「あなたや私の持つ力、それは星命者の力。星の命を授かった力なの。」
「星の命?」
「そう、星の命を授けられているから、とっても長生きになるし、途方もない力が身についている。」
エレナは引き続き説明する
「かつて、皇都である科学者が実験事故を起こした。
その際に世界中に光が巻き散らかされ、その光を浴びた人たちの何人かは星命者として覚醒することになったの。」
「なるほど…」
「あなた達の場合、ちょっと特殊みたいだけど。」
特殊?僕たちが?
ルタはそう思った。僕だけじゃなくせつなも特殊ってことかな…?
「まず最初にせつなちゃんが星命者として覚醒したけど、その力をルタ君が受け取っちゃって、ルタ君の中の星命者の力と混ざって、あの姿になったと考えられるわ。」
「最初に覚醒したのはせつなだったのか。」
驚くルタ。
そしてエレナは続ける。
「星命者として覚醒したあなたにお願いなんだけど、私と一緒に戦ってほしいの」
エレナから、一緒に戦ってほしいと、ルタは頼まれるのであった。