その名はメテオマギア
ルタがいた場所にはルタの姿はなく、異形がそこには立っていた。
「これは…」
自身の手を見つめ驚く異形。
そう、異形と化しているのはルタである。
「ギシャァァァァァ!」
迫りくる怪獣
「お願い!今は混乱してるだろうけど一緒に戦って!」
傷だらけの少女は言う。
「…うん、分かった!」
走り出すルタ
そのスピードは恐ろしく早く自身でも制御が難しいほどだ。
「うわわわ…!」
振り回されつつもなんとか怪獣に軌道を向け、拳を放つ。
…地響きの鳴るような凄まじい威力のパンチである。
「うっわぁ…すっごいや…」
やったのは自分だが、自分自身でも引くほど力が強かった。
「まだ来るよ!」
アマカが叫ぶ
「ギシャァァァァァ!」
迫る怪獣を片手で押し留め、そのまま投げる。
大きい地響きとともに怪獣が倒れた。
「これは凄いぞ…!」
こんなにも力が溢れている。何でもできるという全能感が体中を支配する。
倒れた怪獣の尻尾をつかみ、
「むぅん!」
そのままジャイアントスイングでさらに投げる。
「ハァァァァァァ!」
吹き飛んだ怪獣をさらに追うと、蹴りや拳を突き立てる。
「いやぁあっ!」
さらに思いっきり蹴りを放つと、怪獣の動きが鈍くなった。
その隙をねらい
「えいっ!」
少女が飛び、火を放つ。
その火を浴びたじろぐ怪獣
「今よ!」
「うん!」
空へ高く飛ぶルタ。
「行っけぇぇぇ!」
せつなが叫ぶ。
そして、空高く飛んだその勢いのまま怪獣めがけてルタはキックを放つ。
蹴りが直撃し、怪獣が爆発した。
「…よっし!勝った!」
「ルタすっごい!けど…えっルタだよね…?」
せつなが少し心配そうに尋ねる。
「うん、僕だよ。ルタだ。」
せつなはそれを聞き
「すごい…!ルタかっこよかったよ!まるで流星みたいだった…ルタのキック!」
そう言うとせつなは「あっ!」と何か閃いたような顔をして。
「メテオマギア!さっきの変身した姿!メテオマギアって名前はどうかな?」
「メテオマギア?」
困惑するルタ
「名前はともかく、それにしても、この姿は一体…?」
「それは星命者の力だよ。」
先程の傷だらけの少女が言う。
「セーメーシャ?」
「そう、その力の名前だよ。」
「詳しく話す前に、まずは生き残った人たちを助けようか。」
そう言うと怪獣が暴れていた場所へと少女は歩きだした。
ルタとせつなもその後へとついて行った。