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ザ・リベンジ・フロム・デップス~ダンジョンの底辺で這うような暮らしでしたが、配信中に運命の出逢いを果たしました~  作者: D.S.L
第二十一章:ゴングを鳴らせ!ガチンコバトルだ!

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582.ここからが本当の闘争だ!

 振り打たれる尻尾を剣で受け止める。

 並々ならぬ膂力で引き込まれそうになるのを、その場で持ち堪える。


 と、鞭に付いた刃の一部が欠けて、


 起爆!


 高熱に溶けた岩石と破片を撒き散らす!


「ヌゥウッ!」


 模擬戦用のシミターが折れた!


 爆発するとげむち

 敵の武器を奪うか破壊するか、実質一択な二択を迫る武器か!


 ニークトは剣を捨て右手の甲付近から長い爪を生やし、そこに竜胆色の刃が装填そうてんされる!


「あら?剣の扱い方、なってないんじゃないの?」

「言ってる暇があるなら手を動かせ!」


 背中から生やした前脚にミーアキャットを握らせ、背後から推定V型が撃った岩石弾を防御!

 溶岩線流をバックラーで逸らしながらW型に突拳とっけん

 

 太い籠手との打ち合い!

 竜胆色が付けた傷痕を再度なぞることで深々と切れ込みを入れる!


 M型の攻撃はトロワが刃を飛ばして斬滅ざんめつ、本体も殺し回っており、攻撃を挟めない!

 好機!

 

 より深く踏み込んで右の爪を突き刺す!

 籠手と正面から叩きつけ合い、そして爆発!


 右手を押し返されたところに、失われた左手の断面から溶岩流噴火!

 バックラーでガード!

 

 ニークトは左足で、W型は右足でフロントキック!

 爪と爪がガチりと組み合う!


 動けなくなったと見るや、棘だらけの尾が一徹いってつ

 刺さり込めば棘が「かえし」となり、引き抜く時に更なる重傷を負わせる!

 抜けなければ肉の内側で爆発するだけだ!


「とっととやれ!」


 だが相手を動けなくしたのはニークトの方も同じ!

 そしてその鼻は、彼らの接近を感知している!


 W型の首に突き刺さるピンクの三連鋭角三角形!

 四角い耳を持ったそれは鎧の隙間を貫通!


 噴き出したマグマ的体液の爆発によって相殺されるが、トロワの飛刃ひじんがそこから2連斬撃を入れて殺し切る!


「やっはー…!」

「おけ!とりま5人!」


 六本木達3人!

 既に来ていた!


 周辺の敵がまばらになって一息を吐きかけたその時、


「!D型!マジヤバ!」

「こおおおん!」


 砲撃!

 その場の内観を作り替えるほどの威力が命中!


 防御力を結集するも、先頭に居たニークトは無傷では済まされない!

 詠訵と六本木が能力による治療を急ぐ!


 バックラーを喪失!


「ちぃ!武器がもう!」

「ススム君の時と違う…!仲間ごと撃ってくるなんて…!」

「知らんけど、たぶんあれのせいじゃねっ!?」


 六本木が指し示したのは、D型の右肩あたり。

 アルパカ人形を渡されたニークトも、その望遠機能でそいつを見る。


「W型…!」

 

 乗っている。

 そしてあの様子だと、恐らく指示を出し、“操縦”している!

 

〈コォッコォッ!コォッ!コォッ!〉


 それが鳴くと、彼らの周りから敵が潮のように引いていき、4本の前脚が構えられる!


「クソッ!指揮官ご同伴のD型か!」


 これまで未経験のパターンである。

 だがそんな言い訳など聞いちゃくれないだろう。


「こん!こおおおおん!」


 詠訵が地面にリボンを立て、出来るだけ壁のように変形させ塹壕ざんごうを構築!

 斥力も全力展開!


 散弾砲撃!

 壁という壁が破壊されるが、彼らはもうそこにはいない!


 移動を再開し、次なる目標、八志教室の6人を目指している!


「M型来る!3時5時6時と8時!」

「プリム!ミーアキャットを返す!お前が壁を張れ!」

「モタモタしてるくせに生意気なのよ!」


 トロワが飛ばす竜胆色の刃が溶岩流や岩石弾を次々と切り裂く!

 詠訵は壁の構築に専念!

 狩狼は三種を合成した眷属でM型から順に撃ち殺す!


 だが弾幕は彼らの処理速度を凌駕りょうがする!

 ベージュの盾まで動員しても守り切れず、ライオンやイヌの人形による治療をフル稼働しなければ追い着かない!


 数百から千度以上の岩石が台風を思い出させるような豪雨となって彼らを打つのだ!

 溶鉄色が線状にザーザーと天井から床までを射貫いぬくのだ!


 そして!


「な!?なんかくる!!ヤバげ!マジガチでエゲちいやつ!」


 D型が全ての脚を広げ、腹を見せるような体勢を取ったかと思うと、


〈クォオッ!〉

〈グァガラガアアアアアアアア!!〉

 

 体の前面が総じて噴火炸裂!

 なんとか五分ごぶで持たせていたその均衡を崩すべく、いわ雪崩なだれと共に火砕流が打ち寄せる!


 万事休すか!


「前だ!跳べ!」


 だが活路はすぐそこにあった!


 ライトイエローがレールのように引かれ、その中で電界を纏って高速スライド移動してきた少女が彼らに電路を伸ばし、巻き付ける!


「舌噛まないでよね!飛ばすから!」


 電流の向きを反転!

 全員を引っ張りながら彼女が来た方向に後戻り!


「助かり過ぎ!」

「それなー…!」

「もっとお礼言ってくれてもいーよー!」


 プロトが間に合った!

 そして彼女に導かれた先には、端からジュウジュウ気化しながらも供給を続けて何とか維持されている海流!

 それが波打つことで全員に大きな衝撃を与えずに受け止める!


〈来たわネ!〉

「六本木が指揮をる!異論は無いな!」

「オゥケィ!やっちゃエヨ!」

〈ワガハイを使いこなせるなら何でも良いわっ!〉

「ノリで人形(くば)っから!」


 優先命令を出す立場であるK(キング)の決定を手早く済ませ、11人は同じ方向に立ち向かう!

 

〈クォッ、コッコッ、コォッ!〉

〈ゴゴゴゴゴ、グァラガァラガァラ……!〉


 W型によって効率的に使われるD型と、


〈ゴオォオオオオオオオ!グォガアアアアアアアア!!〉


 更に一回り大きく、岩のような卵を産んで敵を増やし続けるA型!


〈どっちから行くノ!?〉

「A!勿論モチ!」

「アファーム!」


 まず敵の供給を断ち、


 それからじっくりじっくり料理する!


 全てが終わった時にこんがり焼けて、消しずみになっているのはどちらか!


「行ぃくぞォォォオオオオ!」


 それを決めるべく、戦士たちは喊声かんせいを合わせ、


 燃えさか山麓さんろく登頂とうちょうに挑む!

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