278.後でアーカイブを確認したら、「うぉっ、何だこの変態…?」ってなりました part1
「友達を、励ます、言葉って……、難しい、ですよ、ねえ……!」
『ここに来て唐突なシリアス話題やめろ』
『友達とは一体如何なる生物なのか、その謎を追うべく我々は以下略』
『ススム、その話終わったら呼んでくれ』
『って言うか誰相手でも難しい定期』
「あー……、確かに、友達に、限り、ませんね……!落ち込んでる、人に、なんか、言うと、逆に傷つける、時もあります、し……!」
『うわあああああ!!』
『コメント欄が発狂者で溢れている!』
『ススム!その毒電波を止めろ!』
『実質テロ』
「クックック…、これでお前達は、俺の支配下、催眠で言う事を、聞くのだ……、じゃなくて……!」
『ノリツッコミのテンポクソザコで草』
『はい、脱ぎます・・・』
『はい、ご奉仕するので部屋の合鍵下さい・・・』
『ススム、愛してるぞ』
『ススムに興奮するのも催眠のせいなんだ…!仕方ないんだ…!』
『オラどうした!とっととヤれ!』
「うわあ!いきなり劣情丸出しになるな!」
『草』
『草』
『欲望に忠実過ぎる……』
『ここぞとばかりに上級者が湧いてくるの草』
『男前なレ〇プ待ちニキネキすこ』
『こいつら、命令されてないのに勝手に動くぞ…!?』
『合鍵要求ススナーは明胤のセキュリティ突破までは自信アリ、ってこと……!?』
「もういいや。それで、真面目な話で、物は相談、なんですけど…!」
『うんうん、そうだなススム、ところで今お前何やってる?』
「え、何って……あ、」
右足の指が窓枠を掴む力だけで壁にぶら下がっていた俺は、近付いて来たモンスター、移動用車輪部を手足とするストレッチャーにレスキュー隊らしき服を着せた、G型の“ドク”に向かって魔力塊を発射。それを無事爆散させ、安心して上体を持ち上げる。
「普通に、指の力を鍛える、トレーニングですけど……?」
『普通#とは』
『新手の刑罰?』
『それ頭に血が昇ったりしないのか、ススム?』
『ススム、足の指の力で自重を支えるのは、もうなんかキモい』
『頭カンフーマスターかよ』
「いやあ、最近、手足の指先の力が、欲しくなって、来まして」
浅級ダンジョン“仇命医”。
ローカルは、「注意一秒怪我一生」。
何かしらの外傷を負っていると、そこに追加で攻撃を受ける度に、内部を破壊する呪いに蝕まれる。敵もその箇所を積極的に狙って来るような動きを見せる。分かり易く言うと、トロワ先輩の魔法みたいな感じ、って説明を聞くと本人はメタメタに怒りそうだけど。
現在そこでトレーニング中。
器用さを磨いて足で色々出来るようにすれば、敵を攪乱する手数がほぼ2倍に!カンナの絞め技への対抗手段にもなるかもしれないしな。
あと殴る蹴るの打撃と思わせて、手足の指を突き刺す攻撃!っていうのに憧れがある!
………はい、最後のが本命です。男の子ですから。
「というわけで、貫手凶器化の、ロマンを求めて、修行の日々です…!」
『この世に無い修行やめろ』
『やってることバケモン過ぎるって』
『根性論の権化』
『憧れる点がそこか、ススム』
『自称真面目なトピック頭に入ってこんて!』
『流石ススム君!意味わかんないや!』
『頭カンフーマスターかよ』
あれ?結構ヒーロー番組とか、カンフー映画とか見てたら湧いて来る、ポピュラーな願望だって思ってたんだけど、もしかして俺だけ?
「どうでも、いいですけど、“ポピュラー”って、言いにくい、ですよね…!」
『今その話は本当にどうでもいい』
『ススム、瓦割り100枚重ねとかやってたりしないよな?』
『腹筋と腕立て1000回ずつとか』
『息を数分間止めるとか』
『チョップでビール瓶の首ハネたり?』
「いや、ビール瓶とか、持ってないから、やらないですって。未成年ですよ?常識で、考えてください」
『それ以外はやってるの!?』
『てかコーラの瓶とかだったらやるの!?』
「で、話戻すんですけど」
『まてまてまて終わらせるなススム!怖いだろ!』
『説明しろススム!』
『それでこそススム君だね・・・』
『気になって夜しか眠れない』
『てかこれやりながら話すのに慣れてきてて草、もう戻れないんだな、ススム…』
なんか変な所で盛り上がってるススナー達を勝手にやらせつつ、
「皆さん、特に男性の方、プレゼントって、何欲しいですか?」
『金』
『金』
『金』
『お前ら…』
『欲しい物はススム、キミ自身さ☆』
『来月の新弾10カートン』
『ススナーオフ会(ススム参加)』
『お前の使用済みパンツ』
『髪の毛』
『ウェブマネーカード5万円分』
『くれスス18禁同人誌』
「すいません、忘れてください。今日の配信は、ここでお開きということで」
『うそうそうそうそうそ!』
『悪かったってススム!』
『冗談やん!』
『いかないで』
『大変申し訳なく思っている』
頼むぞお前らぁ…?
こちとら経験値ゼロだから普通に悩んでるんだからなあ…?
「今度、後輩の男の子が、誕生日らしくて、何か送れたらって、思うんですけど」
『10代が好むグッズ……何だ?』
『学生ススナー!どこだー!?』
『そいつの好みによるぞススム』
『最悪菓子とか買って茶を濁せススム。お茶菓子だけに』
『ペンとかオススメだぞ、ススム』
『文房具なんて幾らあっても良いからな』
『文房具良いな。汎用性あるし、デザインとかで特別感出せるし』
『女なら花送らせるのに!』
『修羅場作ろうとしてる奴居て草』
『逆に男に花送らせるのアリじゃね?』
何がアリなのかは分からないけど、文房具は確かに名案な気がするな。要らないって事にはなりにくいし。
「ススナーの皆さんには、いつも助けられてますね……。社会性を吸わせて頂いてます」
『言い方ァ!』
『人の記憶から社会を学ぶタイプの化け物かな?』
『偶にキモいの好きだぞ、ススム』




