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ザ・リベンジ・フロム・デップス~ダンジョンの底辺で這うような暮らしでしたが、配信中に運命の出逢いを果たしました~  作者: D.S.L
第十一章:大事な物ばっかり目に見えないのはどういう不具合ですか?

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報告用記録:監視対象S・Kについて

2060/03/30

入寮。

寮の管理側との間に軋轢有るも、大きな諍いには発展せず。

同室の素行不良生徒に要注意。暴力沙汰を起こし目標を損ねる可能性有。



2060/04/01

始業式に出席。

問題発生。クラス内でルカイオス家の三男と口論になる。

また配信活動者である女子生徒Yと懇意になってしまった。今後更に注目を集めると予想出来る。

対象が真に目標を所持しているのか、早急に見極め対応を決定する必要有。



2060/05/09

緊急事態。

例の女子生徒Yが配信中にillに襲撃され、その救援の為に対象が合流してしまった。

奇妙なのは、Yが危機に陥る以前に血相を変えて学園を跳び出し、当該特異窟に潜行した事である。何か予告のような物を受け取ったという事も有り得る。

これまで見られたillの行動パターンから言っても前例の無い事であり、そのイレギュラーが対象によって引き起こされたと考える事も不自然ではない。

しかしそうなると、illに一定の知的能力を認める事になる。

我々はまだ特異動体について無知過ぎるのかもしれない。

対象が当特異窟10層に入った後、複数のA型が隔世を塞いでしまった。

通信も完全に途絶。

特異窟が知性に操られているように感じる。

対象が目標を得ている事はほとんど間違いが無い。

目標は破壊されるのか?

それとも特異動体が使うのだろうか?




追記

対象が生還した。

どうなっている?



2060/05/13

吉報と言うべきか凶報と言うべきか。

対象が偽証をした事は疑いようが無い。

対象は目標を得ている、ここからはそれを前提に行動するべきだ。

目標の保存形式を探る必要有。情報として記録されている?もしくは体の何処かに埋め込まれている?魔学的回路の中に混淆されている?

今回の件で改めて理解した。

対象を放置してはならない。

特異動体が何らかの理由であれを欲していると言う事は、それで利潤が見込めると言う事である。

特異窟関連事業において、特異動体の強化は大きな痛手となり、当然我が社は最も大きい打撃を受ける一つとなるだろう。

悠長な事を言っていられない。実働部隊の派遣を要請する。

政府にも速やかな対象の拘束を認めさせるべきである。

手段を選んでいる時間は無い。

利益は勿論、場合によっては国が、人間社会が危うい。

薬物使用も含めた諸許可が下りなければ、こちらが取れるアプローチは、引き続き手をこまねいて観察している事だけだ。

今は現地協力者にもその方針で伝えているが、不確定要素が多過ぎる。illからの攻撃もあれで最後とは思えない。

繰り返すが、実働部隊出動の許可を求める。



2060/05/14

再度実働部隊の出動を要請する。



2060/05/15

再度実働部隊の出動を要請する。



2060/05/16

再度実働部隊の出動を要請する。



2060/05/17

どんな勢力が目標の獲得に動くか予測出来ない。

再三になるが、実働部隊の出動を——

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