第十章登場人物、用語解説 ※読み返し用、飛ばしても問題ありません
〈登場人物〉
五十嵐衙:五十妹神道のトップ。名目上は丹本防衛隊を纏め上げる長であり、また非公式諜報機関である特作班の特別室長でもある。丹本国内で、下準備が済んでいる場所に、モンスターや“敵”を焼き、食った者を癒す稲を育て、その国土から生まれた者を強化する日射を降らせる能力を持つ。
八雲:そういうもの。
〈用語〉
一方的に幸せな旅:シーズが使用する魔法。発動時に決めた場所へ移動するまで止まらない、と言うより止まれなくなる呪い。それも魔力を前面に纏いながら障害物に構わず、最短距離で突っ切ってしまう。この時には痛覚も遮断されている。
首を括って楽園へ:ウーナが使用する魔法。ケミカルピンクのその魔力に触れると、脳内で快楽物質が過剰分泌され、機能が狂う。またその匂いだけでも相手の意識や情緒を惹きつけるほど魅力的で、鼻が利く者相手には逆に抜群に効果を発揮する。
両手を後ろに跪け:アルファ・ワンが使用する魔法。赤いレーザー光線を照射し、それに最初に触れたものを、光線内に固定、自在に振り回す。敵を動けなくするだけでなく、固定されて変化しなくなったものを使って対象を切断することも可能。
プーカ:永級ダンジョン“箴埜筵”のモンスター。様々な種類の服装、着ぐるみやビニール人形のような手足、投擲能力、顔には嘲笑う大口だけ。
三種合成型飛蝗男(仮称):プーカをベースに、“醉象”と“鳳凰”という二つのillが憑依したモンスター。奇襲によって、進とマフィア達を全滅寸前まで追い込んだ。複数体存在し、数が減るごとに一体あたりの強さが増していく。
北狄:illモンスターの一種。『小さき者ほど勇ましく』。サイズの小さい人間やモンスターほど、様々な恩恵を強く受けられる。鳥マスクを被り、カラフルな毛織物を体のあちこちに引っ掛けて、銀や宝石で関節を飾り、背から瘴気を噴き、肢の先の金属めいた器官を擦り鳴らす、巨大なノミ。
酷史廟:“北狄”が出現させたダンジョン。鼠やノミを元にしたモンスターが確認されている。『小さき者ほど勇ましく』。疫病と戦争で死屍累々となっている、不潔な中世街のような内装。
流れ渡って乱れ移ろう:“北狄”が使用する魔法。あらゆる区切りを取っ払って回って疫病と戦争の物語。金属のように硬く、集合することで武具を作る微小な虫を大量生成し、一匹一匹を精密操作する。深化した後は、制御する眷属の最小単位が細菌レベルにまで変化した。
臥龍:“爬い廃”を名乗るillモンスター。ゴスロリ姿の長身女性で、カンナを「お姉様」と呼んで執着している。また、進のことは一方的に敵視している様子。
丹本防衛隊別設特殊作戦班:通称特作班。五十嵐が率いる非公式諜報部隊であり、吾妻もその一員である。
全霊探知状態:呼吸の循環効率を上げた進が体内魔法陣で、正三角形を四つの正三角形に分けた図形を描いて成立された技術。ミクロ単位の世界を知覚し、自らの魔力も同じくらいの精度で操作するが、その分世界が鮮明に見え過ぎてしまうという弱点も抱えている。




