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ザ・リベンジ・フロム・デップス~ダンジョンの底辺で這うような暮らしでしたが、配信中に運命の出逢いを果たしました~  作者: D.S.L
第六章:身内ノリの腕試し大会、ってだけじゃなかったりする

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132.尋常に……とでも言うと思ったか! part1

「あれ?そちらさんご自慢のビョーニンさんは、どうしたんすか?俺、戦うのを楽しみにしてたんすけど?」

「やめなさい朱雀大路さん。彼は怖れをなしたのです。昨夜、あれだけ真剣勝負をしようと誓い合ったのに、この場にすら現れないとは、残念です」


 10時15分。

 出場者と、同教室の生徒達による、教室同士の挨拶。

 その儀式に、特指クラス側が出してきたのは、出場者五人だけ。

 その様を見た朱雀大路が煽り、万はそれを嗜めるポーズを取りながら、いけしゃあしゃあと、ここに居ない少年を嗤った。


「………ッチ」

「『弱い犬ほどよく吠える』、本当ね?」

 

 六本木が舌を打ち、トロワが刺し返す。


「あれあれ?なんすかあ?もしかして、ピキっちゃった感じっすかあ?」

「ああ、あなたの場合、小鳥、かしら?ピーチクパーチク、ランク1の雛鳥みたいよ?やめたら?ディーパー」

「さっきから事実の指摘が、何でそんなに効いてんのか知んないっすけど——」


「両者とも、それまでです!ええ!互いへのリスペクトをお忘れなく!」


 審判兼救護班長である、養護・栄養教諭代表、白取〇鶙が割って入る。


「良いですね!?」

「心得ています!」

わえは理解しております」


 睨み合う、特別指導クラス、別名シャン教室代表のニークトと、枢衍すうえん教室代表、なつめ五黄いつき

 

「それでは握手を!勝敗がどのようであれ、互いの力を、能力・知力・体力・努力・忍耐力を、敬い、讃え合いましょう!ええ、人とは何処までもけるものです!」

 

 左手を出し合う、代表生徒二人。


 ギャンバーのルールでは、握手は試合の前に行われる。

 試合後では怪我の治療だったり、意識を失っていたりして、身動きが取れない事があるからだ。




「それにしても、僕は君の参戦が一番意外だったよ、乗研君」


 オープンロールを踏まえた作戦会議、その後の着替えの為、互いのパーティーが部屋を後にする途中、乗研にそう声を投じる万。


「今更真人間に戻れるなんて、そんな虫の良い事を考えているのかい?更生して、大逆転!人生を劇的に取り戻す、って?だとしたら、僕達のようにずっと真面目にやって来た人間に、失礼だとは思わないかい?」


「万君!私はリスペクトを」「失礼、独り言が大き過ぎました。忘れて下さい」


 明から様な挑発に、乗研は、


「怖いか?」

「……なんだって?」

「カミザが起きないよう念入りに魔法を使う。人数不足で戦い自体を成立させないように画策する。それが失敗すれば、俺をキレさせて失格にしようとちょっかいを掛ける。問題児クラスを、随分怖がってるみてえじゃあねえか?」


「な、何を…!言い掛かりだ!僕達はそのような姑息な手は使わない!白取先生!今のはマナー違反です!警告を」「ワリいな、そいつの独り言が詰まらな過ぎて、寝てたわ」

「は?」

「寝言はデカい方でな。忘れろ」


 そう言って、それでも何事か抗議する万を尻目に、出口で待つパーティーメンバーと合流した。


「言うじゃん?」

「エモ~……」

「ニヒヒ、オヌシもワルよのう…?」

「フン、チキンがイキってやがるのが、ムカついただけだ」

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