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発表会へ


 帰宅後、どの様な曲を発表会に使用するか、、前世、高倉敏と名乗っていた時は、音楽大学卒業後、大手レーベルでリズムボーイズで下積みをしていた。ジャズをよくレコードに吹き込んでいたためモダンな曲が基本的に好みである。コーラス込みのジャズをするなら、奏者ともうひとり歌手が必要だから無理か。

 

 アコーディオンとギターを親にねだって購入するという荒技を使う。アコーディオンを弾きながら曲を思い出して、譜面を書いていた。

 

 佐々木俊一が作曲した「赤い灯青い灯」を譜面にしつつ昔を偲ぶ時間になっていた。

「熱中するものだ、、前世の後半の人生ではこの様に見つめ直す時間がなかったからな」

でも、2曲出来上がったら疲れて重い出せなくなることが分かり切り上げた。


 「赤い灯青い灯」と「小さな喫茶店」という曲である。

「「シナの娘さん」は神埼さんで自分は「サボテン月夜」井上君は「赤い灯青い灯」、東君は「小さな喫茶店」を歌ってもらって、演奏の上達に時間をかけよう」

 

 次の日、、半分、迷いながら学校に辿りついた。

「東京は昔からコンクリートの密林だな、、」思いながら教室に席に着き授業を受ける。

 芸能科という高校だけど、歌もお芝居の授業もなく普通の授業しかない。「謎だ」「前世は親父と殴り合いをして勘当寸前で音楽学校に進学したから、この高校の校風に合わない、、」モヤモヤしながら昼休みになる。

「まぁ、コロッケパンとかあんぱんとコーヒー牛乳は最高だから一服しよう」

 

 教室に戻り、食事を始める時に「百瀬君!ご飯、一緒に食べよう。今回は神埼さんと東君と」井上が話してきた。

「いいよ、あと、楽譜を持ってきたから見て欲しい」

「OK」と井上は答え校舎の屋上でふたりと落ち合った。

 

 百瀬が驚いた事は、自分に歌える歌謡曲があることに東君が凄く喜んでくれた。「僕にわざわざ」と凄く喜んでくれて嬉しかったという気持ち。


 東君と神埼さんは別クラスなのか、、と思いつつ。

3人に質問をした「この高校の芸能科って何?全然、普通の授業、、、?」

 神埼はいち早く答えた「みんな、芸能界で活動しているから、勉強の負担を減らしたカリキュラムになっているだけ、、ただ、それだけ」


「なるほど、お三方は歌手になりたいということか?ていうか芸能人」

 百瀬は理解してそう話した。

「そういう事、埋もれるなと思っていた時に出現したのが百瀬様です」井上は笑いながら答えた。


「まぁ、高校は3年あるから、コツコツやれば力が付くよ」「話を変えるけど、冗談として聞いて欲しい。自分の前世を憶えているんだ。それで、自分は裕福な家庭の子弟で、親からは官吏になって欲しいと言われた。自分は藤原義江という歌手の歌唱に惚れて歌手を志し、音楽学校に進学すると言って親父と取っ組み合いの喧嘩をして進学した。でも、夜間で勉強しかできなかった。親父が学費を出してくれなかったから。当時は悔しくこの事が私自分の悔いかな。まぁ、あれだ、自分よりは環境が良いから、私以上になるよ」と話して「発表会を良いものに作ろう!」「歓声と拍手は歌手として自信がつくからね」と励ます。

「昼休みが終わるから解散」東が発言し解散した。


 神埼さんと東君が「放課後、音楽室で」と言い別れた。退屈な授業を潰して頑張ろうと思う百瀬であった。


今日の参考曲

「赤い灯青い灯」歌 徳山 たまき 昭和9年ビクターから発売

「小さな喫茶店」歌 中野 忠晴 昭和10年コロムビアから発売

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