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ドレトルは頭を抱えながら、リッカの方を見ていた。
リッカはそんな状況を気にせず、いそいそと服を着ていく。
(こいつ、坊主じゃなくて嬢ちゃんだったのか。
坊主ならともかく、嬢ちゃんじゃマズイんじゃねーのか?)
男の子であっても、裸で寝てた状況は色々と問題があるのだが
混乱しているドレトルは其処まで思い至らなかった。
「どうしたの?おぢさん」
思い悩んでいるドレトルを心配したのか
薄いシャツと靴だけ履いたリッカが、上目遣いで覗いてきた。
「あ、いや。なんでもねえよ」
「そぉ?おぢさんも早く服着ないと風邪ひいちゃうよ。」
「あ・・ああ。そうだな」
そう返答し、ぎこちない手つきで、ドレトルは服を着始める。
それをみて、満足そうに頷き、リッカもキュロットを履き始めた。
「うし、朝飯食いにいくか。」
「うん?奢ってくれるの?」
着替え終り、リッカに食事を促すと、
先に着替え終わったリッカは、嬉しそうに質問してくる。
「いいぞ。一人で食うのも味気ないからな。」
「確かに!それじゃ、行こうおぢさん、」
リッカは、おなかが空いていたため、早く食堂に行こうとドレトルの手を引っ張った。
ドレトルは苦笑しながら、引っ張られてついていく。
「わかったわかった。でも、いい加減おぢさんは辞めて名前で呼んでくれないか?」
「う?でもぼく、おぢさんの名前知らないよ?」
「む?そうだったか?・・・・そういえば、俺も坊主 じゃなかった、嬢ちゃんの名前知らないな。
俺はドレトルだ。」
「うん。ぼくはリッカだよ。よろしく。ドレトルのおじちゃん」
「ドレトルさん・・な」