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ドレトル一行は城の謁見の間に居た。
玉座には王様が座っていたが、他は誰もいなかった。
「ドレトル・・・アンジェリカは?」
「ああ。姫さんは奴隷になってたが一応無事だぜ。」
そういって、先程の少女を見せる。
「おお。アンジェリカ」
「お父様!」
「待ちな。」
王様と姫様の感動的な再会を強引に体を入れて止める。
「まずは、金だ。」
「くっ。分かった。持っていけ。」
そういうと、王様は大き目の宝箱を自ら持ってきた。
ドレトルは、部下に指示を出し中身を見分させる。
暫くすると部下は、「姫さん分、50,000,000,000ガルド。ちゃんとありやした。」
と告げ、宝箱を仕舞いに移動する。
「よし。それは姫さんは王様のもんだ。で、これはどうするかい?」
ドレトルは姫様に付いている隷属の首輪を指で弾きながら聞いた。
「は・・・外してくれ。」
「本来なら有料なんだが、まあ今回だけだぜ?」
奴隷契約の契約書を手に、不思議な呪文を唱え、契約書を首輪に宛てる。
すると契約書が燃え上がり、カチリと首輪から音がした。
首輪を取ってやり、軽く姫様の背中を押して「ほら感動の再会だ。」と促す。
「ああ、お父様!」
「おお。アンジェリカ」
「で、王様。他のもんは良いのか?」
「・・・・解放を頼めないか?」
「そうだな・・・・(感動の再会に水を差したんだ。少し勉強してやるか)」
ふむ。とドレトルは考えた。
一束幾らで売った方が、きっと払いやすいだろうと。
「20名。全員で、1,000,000,000ガルド。解放付でどうだ?」
「っく・・。高いな。分かった。融通しよう。」
「後払いで良いぜ。ほら、契約書だ。」
ドレトルは売買契約書に署名をさせると、
他のメイドや護衛騎士達、20名全部の奴隷契約を解除しまわった。
「んじゃ、王様。また御贔屓に。
次は、表の商売で呼んでくれよな」
手をひらひらさせ、ドレトルご一行は、去って行った。