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転生
迅は後悔した。天気予報をちゃんと見ておけば良かったと。
迅は後悔した。何故ピアノなんて弾こうと思ったんだろうと。
迅は後悔した。何故気晴らしなんてするハメになったんだろう。
迅は後悔した。何故あの時負けたんだろう。
迅は渇望した。力が欲しいと。誰にも負けない力が欲しいと。
迅は絶望した。そんな物があるわけがないと。
迅は絶望した。もう死んでしまったと
それでも迅は渇望した。まだ生き足りないと。
それでも迅は絶望した。もう死んでしまったと。
それでも迅は渇望した。まだ生き足りないと。
そして迅は希望を抱いた。光が見える。真っ暗な死への一本道、その向こうに光が。
迅は走り出した。人間では届き得ない速さで。そう、その姿はまさに、地面を伝う雷!
迅は手にした。生きる権利を。
迅は手にした。新たな力を。
迅は手にした。大切な物を守る力を。
迅は走り出した。希望へと。
迅は進んだ。一歩一歩、新たな未来へと。