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番外編 初御籤(はつみくじ)

平原くん目線に戻ります。

 参拝が済んでからおみくじを引きたいという奏音かのんとおみくじの列に並んだ。


「いつもおみくじ引くの?」


と聞くと


「昨年は怖くて引かなかったの。だから今年は引きたいなって。運試し。ワクワクしません?」


白い息を吐きながら微笑んで言う。


「俺は引くといつも凶だから、あまり引かない。」


なんだか凶しか見た事が無い。それが普通だと思ってたらどうやら違うらしいと気づいてからおみくじを引くのを辞めていた。今日は奏音が一緒だから大丈夫かなとちょっとチャレンジ精神が湧いていた。


「凶の時はあそこに吊していきましょうね。そうすれば大丈夫だって言うし。凶の時はそこから上がって行くからそれ以上悪くならないからかえって良いって聞いた事もありますし。」


何事も前向きで素晴らしい。がっ


「きゃっ中吉!ちょうどいい感じ」


「大凶」


ほら、やっぱり吉で喜ぶのが普通だ。俺の大凶を憐れみの目で眺めてるじゃないか。


たけるさん、あっち結びましょう。帰り破魔矢でも買いましょうよ。」


あ、魔が取り憑いてるように見えます?破魔矢で大凶、報われますかね。と奏音の後をついていくと


「まあ、吉だな」


「俺は末吉だー。運悪いかもー。ここって凶入ってんのかな?もしかして俺の末吉が1番下ってことないよね?」


「あー正月早々から凶なんか当たったら可哀想だから入れてないとか、数少ないとかありそうだよな。」


「ま、あんまり見ないよね。正月早々に凶なんて。ヨシコはどうだった?」 


「ふふふー見なさい。大吉よ。」


「「さすがヨシコ様」」


大凶を引いた俺の心をザクザクと刺してくる聞いた事のある声が。振り向くと楽しそうにはしゃいで互いのおみくじを見せ合う蟹ちゃんと戸村とヨシコさんがいた。思わず見なかった事にして前を向いて立ち止まった。何も気づいていないだろう奏音が俺を見上げて


「健さんどうしました?」


こんな時でも相変わらず可愛い奏音。ねえ、これはどうするのが正解??


コバルトとヨウ素番外編年末年始バージョンはこれにてひとまずの終了となります。

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