学校の有名人に告白しなければいけなくなりました ~Another View~
どうもみなさん昨日ぶりでございます。
はじめましての方は、昨日投稿した「学校の有名人に告白しなければいけなくなりました」を読んでからこちらを読むことをお勧めします。
本日の短編は本田響さん視点です。前作を読んでいただいた方はこういうことかと納得できるんじゃないかなと思っています。
徹が告白をする一週間前
「省吾、協力してくれるって言うのは本当?」
「まあ、腐れ縁からの珍しいお願いだからな。ただ、内容を聞いてないんだが、何をするつもりなんだ?」
「よく聞いてくれました!!私がお願いしたいのはある子を脅して私に告白させてほしいの!」
「は?どういうことだよ。」
「そのままの意味よ。省吾学校では怖がられているし、きっとあの子も怖がると思うの。だから、あの子に省吾が絡んで、なにかしら理由でも作って私に告白させてほしいの。」
「無茶苦茶言うなよなぁ。俺だって好きでこんな顔してるわけじゃないってのに。」
「あら、いままでその顔で得したこともあるくせに。」
「あ~はいはい、わかりましたよ。ここまで来たら付き合いますよ。」
「さっすが私の幼馴染ね。」
「ちなみに聞くが、なんでその子に告白させたいんだ?お前今まで告白断りまくってたのに。あれか?その子に告白させて断ったところを見たいとかいう理由ならさすがに手伝わねぇぞ?」
「いやね、私そんな風に見られてるの?心外ね。理由は簡単よ。私があの子のことを好きってだけよ!」
「ははっ、純粋なのか不純なのかわからないな。まあ悪いようにはしなさそうだし、付き合ってやるさ。」
省吾と別れ、帰宅した響はすぐに自分の部屋へと戻っていく。
「はぁ、かわいいわ~。やっぱり徹くんが一番ね。私を助けてくれた時から変わらない。誰にも渡したくないし、徹くんは私のもの……。」
響の部屋には徹の写真が貼られている。もちろん一枚どころではない、部屋の壁一面をすべて覆いつくすほどの量だ。
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ーー告白される3日前
どんっ!...ガッシャーン!!
「おいおい、誰だよぶつかってきやがって。俺のうどんがこぼれちまったじゃねぇかよ。あぁ?お前一年かよ、一年のくせに先輩にぶつかって謝りもしないのかよ。あ?なんか言ったらどうだよ一年」
「す、す、すみません!ほ、ほんとよそ見してて……。」
「省吾はうまくやっているようね。」
響の姿は食堂にあった。彼女自身もそのままの姿で行くと人目を引くことは理解している。ではどのようにしてまぎれているか。
わざわざ変装用のかつらと眼鏡を持ってきていたのだ。昼休みが始まると同時にお手洗いへ駆け込み、化粧・変装をし、食堂へと赴いたのである。
食堂は人でごった返し、顔が隠れている響を認識できる人も皆無であった。更に、徹と省吾が起こした騒動により、より関心がそれることでばれにくい状況を作っていた。
徹と言い争っていた省吾が食堂を出ていくと、食堂内には安堵した空気が流れていた。中には何事もなかったように元に戻る人もいたが大半の人は徹にむけて気の毒そうな視線を向けていた。
そのなかで響は、
(あぁ、あの呆然とした徹君もかわいいわぁ~。ちょっとかわいそうではあるけど私の目的を達成するためなら仕方ないことだもんね。でもあんな顔珍しいし撮っちゃおっかな♪)
と、思いながら徹を眺めていた。
ーーそしてその放課後
「さて、響、とりあえず呼び出したけどどうするんだ?」
「省吾、何も考えていないの?まあ、省吾だから仕方ないかもしれないけど…。そうね、罰ゲームか、晒すとか言って私に告白させてみればいいんじゃない?」
「それで行くとして、その相手が承諾するかわかんないぞ。あいつがお前のことを好きかもわかんないんだからな。」
「それなら心配ないわ、告白することに関しては多少渋るかもしれないけど、あの子が私に興味を持っているのは確実よ。普段からあの子の通学路を通っているときも私のことをじっと見ていることも確認しているもの。」
「うわぁ、そこまで知られているとか気持ち悪い通り越して怖いな。」
「当然じゃない。わざわざ毎朝遠回りしてまで通学しているわけではないのよ。」
「やべぇやつじゃねぇか。そろそろ来そうだが、響はどうするんだ?」
「私?あの子をまじかで見られる機会なんてないんだから近くに隠れてるわよ。」
そういうと、響は近くの草むらにためらいもなく入っていく。
そうして数分待っていると、
「お、一年。逃げずに来たか、いい度胸してんじゃねぇか。で?クリーニング以外にすること思いついたか?」
徹が来たのか、省吾が話し始める。
響も気づかれないようにこそっと二人の様子を覗く。
(あぁ、やっぱり困った顔した徹君かわいいわぁ~。守ってあげたくなるわね。)
「お前に選択肢は無いって言ってんだろが!!いいからおまえは黙って従えって言ってんだよ!!あぁくそ、イラつかせるなぁ、いいか?三日後の放課後に告白しろ。告白しなかったり、逃げたら許さねぇからな?」
「は、はい………。」
響がそうこうしているうちに会話が終わったようだった。
徹がとぼとぼと去っていくのを後ろから省吾が見つめ、そしてその省吾を響がにらみつけていた。
徹が見えなくなり、少しして、
ドンッ!
「痛った!!なにすんだよ響!いきなり蹴ってくるなんて頭おかしいんじゃないか?!」
「はぁ?省吾あなた言いすぎなのよ!あの子がかわいそうでしょ!」
「ふざけんな!ああしないと話持っていけないに決まってんだろ!っていうか響がなんでそんな怒ってんだよ!」
「当たり前でしょ!あの子にあんなに強く言うなんて信じられないんだけど!よく私の前であんな言い方できたわね。もう少し言って泣かせてたら何するかわからなかったわよ?」
「おお、こわ。はいはい、俺がわるぅござんした。すみませんでした~」
そういうと省吾も響も解散するのであった。
ーー告白前日
「省吾!見て見て、あの子から手紙が届いたわよ!!」
「えらいうれしそうだな、告白の前段階だってのに。」
「当り前じゃない!告白されるのが目的とは言え、あの子が一生懸命考えて書いてくれた手紙よ?嬉しくないわけがないじゃない。」
「そうですかい。まあ、目論見通り行ってよかったじゃない。」
「明日が楽しみだわ!」
「明日はほぼ俺は関わらないつもりだから終わったら話聞きに行くからな。」
「はいはい、待ってなさい。」
そうして、告白の当日を迎える。
ーー告白当日
(さて、放課後になったわね。徹君は放課後に屋上へ来てほしいって言ってたし、多分授業終わったらすぐ行くだろうし、少しゆっくり目にいきましょうかね。)
ガチャッ
屋上の扉を開けて、屋上に入ると、設置されているベンチにいた徹と目が合う。
(あ~、徹君がこんなに近くにいる~。幸せだわ~)
響は内心テンションが上がっていたが、極力表情を出さないように徹と相対した。
「あなたね、私を呼び出したのは。」
(とりあえず何か話しかけなくちゃ、私が徹君を困らせるわけにはいかないものね。)
「はい、すみません、お忙しいのに来ていただいて。」
「大丈夫よ、私、こういった呼び出しは絶対に来るようにしているから。内容がどんな内容だろうとね。」
(徹君の呼び出しに答えないわけないじゃない!まず答えない人がいたらその人は徹君の魅力に気づいていないってことよ!いや、やっぱり気づいてなくていいわ、徹君は私のものなんだから!)
「ありがとうございます……ふぅ。」
(ふふ、緊張しちゃって可愛い。やっぱり私がいてあげないと、誰かに騙されちゃうかもね。)
「本田先輩好きです!付き合ってください!」
(あぁぁぁ、さいっこう!!やっとここまで来たのね。今までずっと待っていたけど、やっぱり自分から動かないとね。)
「ふむ、君は本当に私のことが好きなのかい?」
(本当はすぐにでもOKして抱き着きたい所だけど、やっぱりそれは変だから、一応っかkkが得てる感出さないとね)
「そ、それはどういうことでしょうか?!」
「いや、そのままの意味だよ。君が残念ながらこの学校に存在するやんきーに絡まれていたという噂を聞いてね。何かしらそいつらに吹き込まれてきたんじゃないかと考えていた所さ」
(まあ、原因は私だし、なんだったら吹き込ませたのも私なんだけどね……
)
「知っていたんですね。あの人に絡まれたのは事実です......。で、でも!本田先輩のことが好きなのも本当なんです!告白するつもりはなかったんですが、あの人にけしかけられたというか……」
「君は結構ヘタレだったのだね。」
(君が本当は私のことをずっと見ているのだって知っているし、なんでこんなことになってるのかも知っているって言ったら、徹君どんな顔するだろうなぁ。まあ今は言わないけど♪)
「申し訳ないです。それで付き合っていただけますか?」
「そうか、そこまで言ってくれていることだし、付き合おうか。」
(仕方ないなぁ、徹君がこんだけデレてくれてるんだし、そろそろいじるのやめたげようかな)
「ですよね......やっぱりじぶn...えっ!!付き合っていただけるんですか?!」
「なんだい?意外かい?」
(驚いた顔もかーわーいーいー!)
「あ、当たり前ですよ!いままで誰の告白もOKしなかったのになんで僕に限ってOKなんですか?!」
「その質問に答えようか。といってもただの気まぐれさ。なんとなくだね、まあ君が私を飽きさせなければ、続くと思うよ。」
(まあ私が徹君に飽きることなんてないんだけどね♪でも、もし徹君が私に飽きるようなことがあったら、どうしちゃおっかなぁ……)
「が、がんばります……」
こうして、徹と響が付き合うことになった。
響は今日は用事があるからと徹と別れ、自分の教室へと向かう。教室につくと、そこには省吾が待っていた。
「おう、終わったみたいだな。で?結果はどうよ。」
「成功に決まっているでしょ、わかっているくせに。」
「でしょうね、まあよっぽどない限りそうなると思ってたさ。ただこのことがばれたら相当めんどくさいことになると思うが、どうするんだ?」
「そこはほら、うまくやるにきまってるじゃない。私が今までばれずにあの子のことを調べられたんだから、情報を隠蔽することなんて造作もないことよ。問題があるとすれば、省吾、あなたよ。あなたがうっかり口でも滑らせたら、すぐに情報なんて広まるんだから気をつけなさいよ?もし、噂が流れてきたりでもしたら、折檻じゃすまないからね?」
「はいはい、そんなおっそろしい笑顔で言われたら従うしかないだろ。…………あいつもなかなか不憫だな。」
「ん?省吾くん、なにか言ったかい?」
「いえいえ、何も言ってませんとも。」
「まあ兎にも角にも省吾、よくやってくれたわ、全部あなたのおかげね。」
「役に立ったならよかったさ。俺はあいつに多分よく思われていないから、今後できるだけかかわらないようにするさ。」
「あたりまえじゃない。もしあの子を怖がらせるようなことがあるならユルサナイから。じゃ、帰るからあとよろしくね~」
こうして、とある一日は終わる。
全員を巻き込む騒動が巻き起こるが、それはまた別のお話.........
皆様どうだったでしょうか?書いている途中から響さんのキャラとか地の文とかなんかぶれぶれになりそうになりながら、完成させました。
執念深い人って怖いですね。作者はドロドロの三角関係をリアルで見たことあるので、こんなのまだ序の口かなとか思っています。
あ!いろんな方に読んでもらいたいなぁとか思っているので、時間がある方は感想と☆の評価を、時間がない方は☆だけでもやっていっていただけると非常にうれしいです!!
ではまた次作でお会いしましょう。