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プロローグ
初めて小説というものを書きます。
恋は曲者、恋は思慮の外、恋は盲目・・・・
「恋」と手元にある電子辞書で検索した結果、序盤に羅列された慣用句ら。
このほかにも、色々あったが、ここには書かない。自分が言いたいのは、慣用句の多さではなく、上で挙げた慣用句らはすべて恋の厄介さを意味しているということ。
そして、自分はその恋の厄介さを身をもって知り、身をもって体験した。
カーライルが言った。
「経験は最良の教師である。ただし授業料が高すぎる。」 と。
慣用句もこの言葉も、今の自分は言葉だけでなく、心から理解できる。それは、高い授業料を払った故であるが。
さて、いつまでも、後悔の話をしてもしかたがない。
自分は恋に失敗した。 それも取り返しがつかほどに。
トラウマと聞かれれば、確かにトラウマである。
今、思えば、あのときから自分は何事にも物怖じている。
そう、自分は、初恋の失敗から、立ち直れない臆病な男だった。