6段目 ペンギン・ハイウェイ 森見登美彦
映画にもなったし、児童書としても出されてる。作者も有名だし、知ってる方が多いだろう。他にも有名な作品がありますが、まずはコレ。今、好きで本当に戸棚のお気に入りの場所に置いてある。「ペンギン・ハイウェイ」
ある関西のベッドタウン。真新しい家が並ぶ出来立ての街の一角でペンギンが目撃されるところから物語が始まる。何故に動物園でなく住宅街にペンギンがいるのか? その謎解きに挑むは賢く頭でっかちで何よりもオッパイを好む小学4年生『アオヤマくん』。クラスメイトの『ウチダくん』。ハーフの子で可愛く賢い『ハマトモさん』。そして不思議な雰囲気でサバサバした口調が特徴の『お姉さん』。『アオヤマくん』行きつけの歯医者でお仕事している『お姉さん』は、魅惑的なオッパイの持ち主でもあり、チェスの師匠でもある。そしてペンギンを追う『アオヤマくん』達の校区内の森の中、さらに謎の銀色の球体が現れる。2つの謎はどうやら関係しているようで……。と、いう話。日本SF大賞受賞作品です。
そう、SFなんです(藤子不二雄先生は「S少しF不思議な話をSF」と定義づけられていて、私もその説に賛成)。科学なんです。この話、結構理系な話です。児童書と侮るなかれ!
主人公『アオヤマくん』のお父さんは研究者らしく、優しく世界の果てのことを解説してくれるのですが、小学生の子相手に「ひも理論」で説明してる。いや、無理やろ! 「ひも理論」は聞いたことありますが、人に説明出来るほど理解してないのでここでは割愛。理系の人はわかりますよね。分からない文系の人は映画「インターステラー」を是非に観てください。相対性理論をはじめとして、時間と空間を分かりやすく説明してくれてます。(SF映画としても、傑作!日本ではヒットしなかったですが、名作です。是非に!)
子供から少年になる、瞬きするほどの時間に起こる不思議な出来事。誰もが体験した時間と空間で起こる出来事。そう、読み手である自分と『アオヤマくん』が重なり合う感覚になる。これは、世界の果てを目指す「アオヤマくん」と読み手の話。ペンギン・ハイウェイを探したくなる。そんな、冒険の話です。
好きだなー、これ。